表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
刻印の付与魔導師(エンチャンター)  作者: 大和・J・カナタ
第7章 アヴァロン王国
97/327

07-15 幕間/ガールズトークⅢ

「はい、めでたくメンバーも増えました! 第五十二回女性陣会議ー!」

 いつになく高いテンションで、キリエが高らかに宣言する。


 やはり、この会議は定期的に……それも、結構な頻度で開催されている模様。既に何度か付き合わされている獣人勢・ドワーフ勢は諦め顔だ。

 そして、今回が初めての参加となるマナは目を丸くしている。


「キ、キリエさん? 何かいつもとキャラ違いませんか?」

「いえ、テンション上がるのも仕方がないですよ! だって、婚約者ですよ婚約者! 念願叶ってお嫁さんになる約束を取り付けた、婚約関係なんですよ! じゃあいつ、テンションを上げるんですか!」

「今でしょ!! ……って何させるんですか。後、何でそのネタ知ってるんですか!?」

 ノリツッコミを繰り出すマナに、キリエは「おぉ……中々……」と、高い評価を付けた模様。


「まぁ、とりあえず今回は、相手が居る人居ない人で色々と、話したいんですよね」

「私達、レイラさん、ジョリーンさん、リリルルさんは相手持ちですね」

 つまり、メアリー・エミル・エルザ・マナには特定の相手が居ない訳で。


「七人目の立候補が無いのは、正直意外です。ユートさん、容姿もいいし性格もちょっとぶっ飛んでいる以外はまともですし、更にはお金持ちで挙げ句の果てには王様ですよ?」

「「「「だから(です〜)(なのですぅ)((だよ))」」」」

 全員が揃って返す。


「ご主人様には、アイリちゃんがいるし〜。私はご主人様にお仕えする、戦える歌える踊れるメイドでいいの〜」

 いつ歌って踊るのか。

「私みたいなチンチクリン、ご主人様には相応しくないです。お兄ちゃんと同レベルくらいが丁度いいのですぅ」

 情け容赦の無い妹のコメント、ジルは泣いて良い。

「前にも言ったけど、付いていくにも覚悟が居るんだよ、ユート兄は。あたしはユート兄の仲間、それだけで満足!」

 ちなみに、夜の相手に関しても覚悟がいる事をエルザは知らない。

「ユート君ねぇ……私には高値の花だわー。ほら、規格なにそれ美味しいのレベルじゃない? 勇者ですら見劣りする存在とか、ヤバくない?」

 実際、勇者ですら見劣りする実例が、クロイツ教国にいる。


「ユート様は、流石高評価ですね」

「……私達の旦那様なら、当然」

「第一、既に六人も居るでしょ〜? それも、元義姉・公爵令嬢二人・王妹・勇者・付いていきたい一心で奴隷解放を拒んだウサ耳少女〜。敵わない〜!」

「その中に入るのはできません」

「銅級冒険者には無理!」

「正直、格好いいと思うけどね。私の好みのタイプからはちょっと外れるかなー」


 ピクッと、メグミが反応した。

「マナさんの好みのタイプ、気になります!」

「げっ、藪蛇だった!! っていうか、そんなに食い付くのメグミン!?」

 女性陣(マナ除く)の結束!! アーカディアスクラム発動、マナは囲まれた!!

 ちなみにマナさん、メグミンと呼び合うようになったのは、ここ最近。二人は同じ境遇、同じ出身世界という事もあり、距離が縮まるのも当然と言えば当然か。


「で? で? どんな人が好みです?」

「今日のキリエさん、グイグイ来るの何で? ねぇ、何で?」

 恋バナ、何気に大好物だからです。

 観念したのか、マナは溜息を一つ吐いてから、口を開く。

「……強いて言えば、面倒みたくなっちゃうような人? でも、いざという時はしっかりしてて、引っ張ってくれちゃうような?」

 女の子はワガママなのだ!


「ちなみに、エルザさんは?」

 隣でスクラムを組んでいたリインからの、予想外の話題転換!! エルザは困惑している!!

「えっ!? えっ!? ひ、人を思いやれる優しい奴!? あと、できれば背が高すぎないほうが!!」

 困惑したまま、好みのタイプを吐いてしまう!! たまにド鋭い割に、普段はちょっと抜けている子である!!


「私はお兄ちゃんとどっこいどっこいくらいの人です」

「頼りになる、同じくらいの歳の子〜?」

 獣人少女コンビは、振られる前に無難に吐いてしまう。

 身を守る術を、二人はしっかり学んでいるのだ!! 主に、この女性陣会議で学んでいるのだ!!


 盛り上がる中、クリスの声が不思議と参加者全員の耳に入る。

「……それ、ユウキとジル?」

 クリスが首を傾げながら、二人の名前を挙げる。

「あー、マナさんとエルザさんの言う条件に、ユウキさんは当て嵌まりますよね」

 うんうんと頷きながら、アリスがマナとエルザを見る。


「ジルも、ユート様が指揮を任せるくらいに成長著しいですし、メアリーと同年代です」

 アイリも確かに、等と思いながらメアリーに視線を向けた。


 視線を向けられた三人は、その顔をそれぞれ思い浮かべ……少し頬を染めた。

「い、いやぁ……ジルは仲間と言うか相棒だから〜?」

「ユ、ユウキね! まぁ悪くないとは思うけど、ちょっと頼りないし!?」

「確かに面倒みたくなるけど、何ていうか……困った弟みたいな!?」

 三人は頬を赤く染めて、そんな言葉を捲し立てる。


 三人以外の女性陣は、心の中で同じ事を考えていた……。

 ―ーこれは、面白くなりそうだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ