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刻印の付与魔導師(エンチャンター)  作者: 大和・J・カナタ
第6章 オーヴァン魔王国

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06-05 解放/奪われた時間

これまでのあらすじ:クリスティーナ姫の眠る研究施設に連れて来られた。

 先代魔王の研究施設。その最奥部の大広間で眠る王妹、クリスティーナ・ガルバドス・ド・オーヴァン。

 アマダムが彼女に悲哀の篭もった視線を向けて、僕達に向き直る。その表情はいつもと変わらない様に見えて、何処か物悲しい。

「紹介するよ。余の妹、クリスティーナだ。事情はユートから聞いているかい?」

 姉さん達が、頷いて返す。昨夜姉さん達を宥める時に、アマダムとの話の内容も伝えてある。


「クリス、今日は珍しい客人を連れて来た。レオとアリアの養女と、実の息子。それに、人間族・エルフ族の貴族に、獣人族の少女もいる。面白いメンバーだろう? まるでレオみたいだと思わないかい」

 きっと、普段からこうしてクリスティーナ姫に声をかけに来ているのだろうな。近付く事も、触れる事もできず……ただ、大広間の入口から声をかけるだけしか出来ない。

 そんなアマダムの姿に、警備の為に立っている衛兵達が肩を震わせている。


「ユーちゃん。解呪ディスペル停止フリーズを何とか出来ないんでしょうか」

 姉さんがそう問い掛ける。僕もそう考えていたので、既に銃剣には解呪弾ディスペルバレットを装填していたのだが……無理だな。

 状態欄に表示されている“停止”……状態異常と考えていいだろう。解呪ディスペルで解除が可能だとは思うのだが……。

「この大広間全体に効果を及ぼしている魔力は、クリスティーナ姫を魔力の供給源としているみたいだ」 つまり、クリスティーナ姫に解呪弾ディスペルバレットが当たらないと意味が無い。勿論、傷付けない為の弾丸もある。

 しかしこの空間に入った瞬間、彼女に届く前に停止フリーズの影響下に入ってしまうみたいだ。


 近付いて、解呪ディスペルをかけるのは論外。解呪弾ディスペルバレットによる解呪も不可能。

 彼女が僕の魔力を篭めた何かを持っていれば、呼び寄せる事が出来る……が、当然持っていないし、呼び寄せた所で今度はその場で停止フリーズが効果を発揮する。そうしたら、僕達が彫像状態になってしまうだろう。


 他に何か方法は無いだろうか? 

「魔法の発動条件が一つでも無くなれば良いんですが……」

 アリスの言葉に僕も同意する。そう、何か一つでも…………あっ。

「あああぁぁぁっ!!」

「な、何だ!?」

「ユート……君?」

 一つだけ、もしかしたら可能な手段があるかもしれない。ただし、すっごく気が引けるんだけどね。


「……アマダム」

「……何だ?」

 僕の真剣な眼に、アマダムも真剣な眼で向き合う。

「これから僕がやろうとしている事を知ったら、多分反対すると思う。でも、試さないよりは……という気がするんだよ」

「な、何をしようとしているんだ、お前……ちょっ、さすがの僕も恐くなってきたんだけど!?」

 顔を盛大に引き攣らせ、アマダムが僕を睨む。説明したら絶対反対すると思う。

 

「ただし、今出来る最善の手段だと思う」

 僕の言葉に、アマダムの視線が鋭いものになった。

「その方法、今すぐ可能な手段なのか」

「あぁ、今すぐ実行可能だ」

「クリスの身に危険は?」

「命の危険は無いけど、消耗する可能性がある。だから、これには姉さん達にも協力してもらう必要がある」

 僕とアマダムの視線を受け、姉さん達は力強く頷いてくれる。先程のアマダムの姿を見て、思う所があったのだろう。


「……信じていいんだな?」

「少なくとも、現状より悪化しない事は確かだと思う。物理的なダメージは皆無だしね」

 物理的にはね。

 逡巡する魔王アマダム……その様子を心配そうに見守る衛兵達。そして……。

「……ユート、頼む」

 アマダムが、頭を下げて依頼してきた。

「やるだけやってみるさ」


 さぁ、それじゃあ……いっちょやるか。

「姉さんは即座に回復の法術を使えるように、詠唱をしておいて欲しい。アリス、アイリ、リインは非殺傷性の解呪弾ディスペルバレットを準備しておいてくれ。僕も、少し準備に取り掛かる」

 僕の言葉に、四人はそれぞれ動き始める。


 僕も一度屋外に出て、“ある物”を準備して大広間前に戻る。

 近付けない、物理的手段は効果が無い、その状態で魔法を起動させる要因を一つでも取り除かなければならない。ならば近付かず、物理的な手段以外で、魔法を起動させる要因を取り除く。


「”破滅を呼ぶ星リュシュフェル”」


 研究所の大広間、その真上に転移門で召喚した範囲攻撃用遺失魔道具アーティファクト

「な、何だ!? ユート、一体何を……」

「信じろ」

 短くそれだけを告げ、破滅を呼ぶ星リュシュフェルの照準を直下のクリスティーナ姫に合わせる。選択するのは“魔導砲デストラクター”。

 純粋魔力砲撃で、クリスティーナ姫の魔力を吹き飛ばし、“停止フリーズ”の魔力供給を絶つ。

 その隙に解呪弾ディスペルバレットでクリスティーナ姫にかけられた“停止フリーズ”の魔法を解呪し、姉さんの法術で回復する。


「さぁ、起床の時間だ!!」

 グリップのトリガーを引く。同時に破滅を呼ぶ星リュシュフェルの直下に、デストラクターの純粋魔力砲撃が放たれる。

 持ち得る擬似魔石全てを投入した……どうだ!!

「ク、クリス……」

 ……徐々に、“停止フリーズ”の効果範囲が狭まっていく。

 済まないね、君達も純粋魔力砲の直撃を受けているから、魔力枯渇状態になってしまうけど……まぁ、死なないから安心してね!! 

 さて、問題は僕の用意した魔力で足りるかどうか……だ。


 ……


 一分間……三分間……五分間掃射して、ついにその時が来た。

 ギリギリで、破滅を呼ぶ星リュシュフェルに篭めた魔力が、“停止フリーズ”を上回ったのだ。

「アリス、アイリ、リイン!」

「「「はいっ!!」」」

 同時に放たれた弾が、クリスティーナ姫に命中する。勿論非殺傷なので、姫に怪我は皆無だ。

「どうだ!!」

 ……停止フリーズしない。“真実の目プロビデンス”でクリスティーナ姫を見る……状態欄に表示されていた“停止状態”が、無くなった。


「姉さん!!」

「はい!!」

 姉さんが駆け寄り、クリスティーナ姫に手を翳そうとして、停まった……まさか、そんな!?

「……健康そのものですね。法術による回復は、必要ないみたいです」

 振り返って、姉さんが微笑んだ。もー、脅かさないでくれよ……。


「クリスは……どうなったんだ?」

「確かめてくればいいさ、ほれ」

 そっと背中を押してやる。大広間の中に踏み入り、何とも無い事を実感したアマダム。

 一度振り返って僕達を見ると、すぐにクリスティーナ姫の下へ走り出した。

 アマダムに気付いて場所を譲る姉さんの下へ、僕達も歩き出す。


「クリス、クリスッ!」

 今まで側に近寄る事すら出来なかった妹の手を握り、呼び掛ける。魔王とか姫とか、王子や王女なんて肩書きの介在しない、ただの兄と妹の姿があった。

 そして、徐々にクリスティーナ姫の目が開いていき……その身を起こし始めた。

「……クリスッ!!」

 感極まって、妹に抱き縋ろうとするアマダム。その瞬間。


「えい……」

 サクッ!! 

「ギャーッ!?」

 ピースの形にした2本の指を、アマダムの目に突き刺した……突き刺した!? 何でぇっ!?


「目がっ! 目がぁっ!?」

 バ○スでも喰らったかのような台詞を吐きながら、アマダムが地面を転がる!! え、ホント何やってんのこの子、恐い!!

「お仕置き……三十五年分……」

「えっ!?」

 クリスティーナ姫は、アマダムを指差して淡々と言う。

「兄上、愚痴ばかり……」

 愚痴に対するお仕置きだったの!? サミングが!?


 話を要約するとこういう事らしい。

 アマダムは三十五年前にクリスティーナ姫が停止して以降、足繁くこの大広間を訪ねていた……旅の間は勿論、除くが。

 そして魔王になってからは、話しかける内容は愚痴が多かったのだそうだ。魔王たる者、動けない実の妹に対して愚痴ばかりとは何事だという事で、お仕置きが執行された。

「な、なるほど……」

 流石の僕も、感動の再会のはずの場面で執行された過激なお仕置きに、戦慄を禁じえない。


 そして、もう一点。

「……私、全裸だから……事案発生……」

「ねぇ、何でそういう言い回しがちょこちょこ出てくるの? 誰が広めたの、もしかしてショウヘイさん? それともシンタローさん?」

 というか、僕とメグミの年齢差の件もあるし、意外と最近の人なんじゃないの、あの人達。


 少し落ち着いて初めて、クリスティーナ姫が全裸である事に今更気付く。とりあえず僕のコートをかけてあげよう。

「どうぞ、これを」

「……! あり、がとう……」

 素直に礼を述べてくるクリスティーナ姫。そしてようやく復活したアマダム。


「あぁ、余とした事が大切な事を忘れていた。ありがとう、余の妹を解放してくれた恩人達よ。魔王として、そしてクリスの兄として礼がしたい」

「……うん、お礼したい……」

 僕達をジーッと見ながら、うんうんと頷くクリスティーナ姫。幼い容姿に幼い仕草で、何だか可愛いな。

 しかし、体格の割にはある一部分のボリュームが結構あったな。トランジスタグラマーってやつなのか。

 ちげぇ、そこじゃねぇよ!! ムッツリじゃないけど、TPOは弁えろよ僕!!


「ユーちゃん、自己紹介をしなければ」

 それもそうね!! ってか、姉さんの視線がちょっと冷たい!!

「遅ればせながら名乗らせて頂きます、クリスティーナ王妹殿下。僕は人間族の冒険者で、名をユートと申します」

「その姉、キリエと申します」

「私はアリスと申します」

「エルフ族の冒険者、リインと申します」

「獣人族の、ユート様の奴隷でアイリと申します」

 アイリ、そろそろ奴隷の件は要らなくないかな? 


 さて、クリスティーナ姫は僕達を興味深そうに眺めている。何が気になるのかな?

「……面白いパーティ」

 島に戻れば、ドワーフの仲間もいるんだぜ。

「ん……私の名前はクリスティーナ……このオーヴァン魔王国の、魔王アマダムの妹……助けて頂いた事、心から感謝しています……」

 独特な喋り方だな。って、魔力枯渇のせいじゃねぇの!?

 慌てて宝物庫ストレージから魔力回復薬を取り出して、クリスティーナ姫に差し出す。


「どうぞ、魔力回復薬です!」

「ありがと……」

 流石にこれには、姉さん達もしまった、という表情だ。

 コクコクと魔力回復薬を飲み干したクリスティーナ姫だったが、特に喋り方は変わらなかった。あれが素らしい。


************************************************************


 アマダムとクリスティーナ姫は一旦王城へ戻ったので、僕達も離宮の方へ一度戻る。

 マップを見ると、エントランスに勇者達がいるな……勇者マサヨシ含む。さて、どうしたものか……。

「無視でいいでしょう」

「相手にするだけ無駄です」

「どうでもいいでしょう」

「そんな人いましたっけ」

 上から姉さん・アリス・リイン・アイリである。アイリの発言がちょっと恐い。


 扉を開くと、四人の視線が一斉にこちらに向かう。

「おはよう」

 僕は出来るだけ明るく挨拶をする。マサヨシ以外に向けた挨拶のつもりだが、そんなの解らないだろう。

「おはようございます、先輩、皆さん」

「おはよーございまーす!」

「おはようございます、皆さん」

 フレンドリーに挨拶をしてくる他の三人に、マサヨシが眉を潜める。


「何処かに行ってらっしゃったんですか?」

 メグミが伺うようにこちらを見る。

「アマ……魔王陛下に呼ばれてね。声はかけたんだけど、寝ていたみたいだったから起こしたら申し訳ないなって思ったんだ」

 これは本当。一応、マサヨシにも声をかけてやった。寝てるって状態表示で解っていたから、おざなりにだけどね。


『詳細は後で説明するね』

 僕からの念話に、メグミが口元を少し綻ばせる。

『はい!』

 うちの後輩、可愛い。


「……うちのメグミを見つめているが、何か?」

 ん、見つめ合う形になってたな。しかし、割って入ったマサヨシの発言が引っ掛かる。

 相手にするのも面倒だし誤魔化そう。

「いや、大した事じゃない」

 そう言って引き下がったのだが、マサヨシが警戒バリバリの視線で僕を見てくる。


 メグミはお前のものじゃねーぞ? 僕のものでもないけど。

 メグミはメグミ自身のものである。それは誰にでも言えることだ。

 だからアイリさんや、君も僕のものじゃなくて、君自身のものなのよ? 


 僕はソファに座り、ボーっとするような振りをする。無論、姉さん達とメグミに念話して、早朝からの出来事を説明する為にだ。

『そ、そんな事があったんですか……流石は先輩ですね』

『はい、まさかあんな方法で王妹殿下を救うとは思いませんでした』

『ユート様にかかれば、大抵の事は解決できる気がします』

 持ち上げすぎだよ、君達。

 しかし、メグミも大分うちのメンバーに慣れてきたみたいだ。今も仲良く会話しているしね。

 よきかなよきかな。


 ……


 その後、朝食を終えた僕達は、アマダムに呼び出される事になった。今度は勇者達も一緒だ。

 今回は謁見の間ではなく、応接間に通される事になった。

 多分、クリスティーナ姫を紹介する為じゃないかな。


 応接間で待つ事数分、アマダムがクリスティーナ姫を伴って現れた。

 服装は上質な黒い布地に、白いフリルをふんだんにあしらったドレス。所謂ゴシックロリータ風のドレスだ。幼い体躯と相俟って、大変可愛らしいな。

 ちらりと見ると、マサヨシやユウキが見惚れている。まぁ、そうなるよねー。クリスティーナ姫、かなり可愛いし。

 でも三十五年振りの再会の場で、実の兄貴にサミングかましているんだぜ、彼女。


「待たせて済まぬ。今日は余の妹、クリスティーナを紹介しよう」

 超ご機嫌で話を切り出すアマダム。それに合わせ、優雅にカーテシーを決めるクリスティーナ姫。

「魔王アマダムの妹、クリスティーナ、です……」

 その挨拶に、勇者達はポケーッと魅入っていた。


 仕方ないなぁ、ここは助け舟を出すか。

「ご丁寧な挨拶、痛み入ります王妹殿下。人間族の冒険者、ユートと申します」

 立ち上がって一礼する僕の挨拶に倣い、姉さん達も挨拶をする。まぁ、解放した時にしたんだけどね。

「……ん。ユート、キリエ、アリス、リイン、アイリ……よろしく」

 うっすら微笑んでくれるクリスティーナ姫。何というか、境遇も相俟って儚げな印象を受ける。


「お初にお目に掛かります。クロイツ教国の勇者で、マサヨシ・カブラギと申します。お目にかかれて光栄です、クリスティーナ様」

 恭しい一礼で挨拶をするのは、マサヨシ。自分では紳士的だと思っているのかもしれないが、顔がだらしなく緩んでいる。

 次いでマナ、メグミ、ユウキも自己紹介していく。


 しかし、僕の中でマサヨシ株が大暴落して仕方ないなぁ。まぁ、マサヨシも僕の評価なんて気にして無いだろうし、僕も相手にするつもりが無いから別に良いんだけどね。


 ……


 そのまま、応接間でお茶会になった。

 口数は少ないものの、クリスティーナ姫は皆との会話を楽しんでいるようだ。そんな姫の様子に、アマダムも口元を緩めている。

 そういや、アマダムにはまだ遺失魔道具アーティファクトを渡してなかったな。クリスティーナ姫の分も含めて、後で渡すことにしよう。


 主にマサヨシがクリスティーナ姫に話しかけ、他の勇者達が乗っかる形で会話が続く。

 女性同士の話題では、姉さん達も参加している。マサヨシが出しゃばってくると、お茶やお菓子に手を伸ばすのを口実にして黙り込むけどね。徹底してるなぁ……。

 僕は話を振られない限りは黙っている。折角のお茶会だし、もっと会話に参加した方が良いんだろうが、マサヨシがこちらを警戒しているようだからね。

 そのマサヨシは、整った容姿と人当たりのいい笑顔で話を弾ませている。まぁ、イケメンだからなぁコイツ。


 さて、お茶会が始まって大分時間が経った頃。クリスティーナ姫が、僕に視線を向けた。

「ユート、楽しくない……?」

 僕があまり話に参加しなかったからか、クリスティーナ姫に気を遣わせてしまったようた。

 ……マサヨシの、「フン、コミュ障が」みたいな顔、すっげぇムカつく。

「いえ、楽しいですよ。何か話題がないかと考えていたものですから」

「……そ、良かった」

 そう言って微笑む。他のメンバーとの会話中よりも、嬉しそうに見えるのは気のせいか?


「……ふむ。ユートよ、折角だからお前の旅の話を聞かせてくれないか」

 王族って何でそんなに旅の話が好きなん?

 ちなみに、アマダムの提案にクリスティーナ姫は目を輝かせているように見える。興味津々……ですね。

「クリスティーナ殿下、それで構いませんか?」

 僕の言葉に、少し眉を潜ませてクリスティーナ姫が首を振る。目を輝かせていたように見えたのは気のせいか?

「クリス……敬語もいや……」

 ……最近、こんなのばかりなんだ。ちょっと危機感を感じるも、断れる流れでもないんだよなぁ……。

「わ、解ったよ、クリス……これで、いいのかな?」

「んっ!」

 力いっぱい頷くクリスに、何か可愛いなぁと思いつつも苦笑してしまう。


『しばらく会わない内に、先輩は女たらしさんになってしまったのですか?』

『失敬な、僕は誰とも恋愛関係には無いぞ!』

 そういう方面の誤解は本気で勘弁して!


 クリスに急かされ、僕はこれまでの旅について話し始める。そこへ、姉さん達も補足を入れてくれる。

 すると話が広がり、勇者達も質問等を投げかけてくる。

 それに僕達が返答していく中、クリスは目をキラキラさせて楽しそうだ。


 三十五年の奪われた年月から見たら、ほんの一瞬にしか満たないような時間。

 しかし、失われていたものを、取り戻せているのではないか? なんてね。

 柄にもない事を考えてしまったな。

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