15-13 幕間/ガールズトークⅣ
襲撃事件から六日後の、ある日の事。
「はい、お久し振りです第九十七回女性陣会議!」
アヴァロン王城の天空庭園に響き渡る、キリエの声。女性陣会議である。
ユート・アーカディア・アヴァロンの婚約者、九人。
ユウキ・サクライ侯爵の恋人、三人。
フリードリヒ・ムラーノ侯爵に恋をするノゾミ・モチヅキ。ムラーノ公爵の相棒クラリス。
グレンことグレン・ブライトン伯爵の恋人四人。
執政官補佐メアリー・侍女頭レイラ・侍女頭補佐エミル。職人ギルド副ギルドマスタージョリーン・補佐官リリルル。
ここまでは、アヴァロン王国コアメンバーの面々である。
これに加えて、冒険者ギルド支部の看板受付嬢である、ソフィアも同席。更に、ミリアン獣王国伯爵令嬢マチルダ。ヴォルフィード皇国皇女リアンナ・デア・ヴォルフィード。その護衛として、ミランダ。
ここまでで、既に人数的にもメンツ的にもおかしい。実際、アヴァロン王の婚約者以外は頬を引き攣らせている。しかしそんな事は意に介さず、アリシアとリイナレインが、輪に加わっていない面々に笑顔を向ける。
「それでは、今回のお客様をご紹介しましょうか」
「では、皆さまどうぞこちらへ」
促されて、戸惑いつつも輪に加わるのは、更に凄まじいメンツだった。
イングヴァルト王国より、シルビア・フォルトゥナ・イングヴァルト王女。その護衛として同行した、シャルロット・エルナード侯爵令嬢。
ファムタール騎士国より、シャルル・フォン・ファムタール王女。ミレイナ・フォン・フェアランド侯爵令嬢。
ラルグリス王国より、ラピストリア・デア・ラルグリス王女。
ケルム獣帝国より、ファニール皇女とオニール皇女。
エメアリア魔法国より、プリシア・ヴァン・エメアリア王女。
ヒルベルト王国より、カレナシア・ハミルトン・ヒルベルト王女。
トルメキア王国より、フィーリア・デア・トルメキア王女。
残念ながら、ポーラ大公は政務により参加できないが、関連諸国の女性陣まで巻き込んだ、大人数であった。
「そ、それで……何故、我々は呼ばれたのでしょう?」
あまりのメンツに尻込みしつつも、シルビアが挙手しながら問い掛けた。
どうやら、理由を明かさずにここまで連れて来たらしい。拉致ではなく、同意の上でだが。無論、各国の首脳陣には、アヴァロン王の婚約者達により許可を貰ってある。
「今回お呼びしたのは、各国の今後を担う方に近しい人をお招きして、交流を深めようというものですね」
「は、はぁ……」
「早い話、皆でお茶会でもして仲良くやりましょうという事です」
アヴァロンコアメンバー以外からすれば、ヒルベルトやトルメキアまで呼んでいるので大事かと思っていたのだが、思いの外フワッとしていた。そこで、バッと手を挙げるソフィア。
「私は全然要職とかに就いていないんですが!? ただの平民で、冒険者ギルドの受付ですよ!?」
「ソフィアさん、ただのではないでしょう?」
ニッコリと微笑むキリエ。
ソフィアはヴァンパイア族と言う、滅びた種族の末裔。まさか、キリエがそれをこの場で口にする気かと思い、緊張するソフィアだが……。
「私とユーちゃんの付き合いの長さは、アリスさんとシルビアさんの次に長いんですから! 私達、友達でしょう!」
「え、あっ、そういう……友達、えへへ、そうですね」
友達と言う言葉に、口元を緩ませて席に座り直すソフィア。素性の事を知っても、友達と言ってくれるキリエ。その事が嬉しかった模様。
さて……この場に唯一、男性がいる。執事服を身にまとったマサヨシ・カブラギである。
首には奴隷の首輪が付けられている。その顔は痣だらけなのだが、原因は当然ユートの鉄拳制裁。クロイツ教国での戦闘の傷が、まだ癒え切っていないのだ。
さて、彼が何故に執事の真似事をしているか? その事を疑問に思い、プリシアが質問をする。
「あのー……何で、勇者マサヨシ様が給仕をしているのでしょうか?」
その質問に、他の面々もウンウンと頷く。
「いえ、先輩……えー、アヴァロン王は彼を奴隷にしたのに、あまり奴隷扱いしていないんですよ」
その言葉に、色々とツッコミたい気持ちを抑える各国の淑女達。だって、勇者を奴隷にする時点でありえないし。
その内心を知ってか知らずか、キリエが苦笑しつつ話を引き継ぐ。
「一言で言うと、単なる部下扱いですね。王城内で最下級とはいえ自室を与え、衣服もそれなりの物を用意し、食事も末席とはいえ皆と一緒に」
「「そうなんですか!?」」
流石に、奴隷の扱いとしては破格の待遇だ。驚きのあまり、ファニールとオニールが双子ならではのシンクロを見せてしまうのも、無理はないだろう。
「……それと仕事、過酷じゃない」
キリエの説明を補足したクリスの言葉に、ノエルも苦笑する。
「確かにそうですね、政務の書類を手伝ったり運んだり。あと、騎士団の訓練に参加したり、魔導師団の講習会に出席したり。世の奴隷達に”この人、奴隷なんですよ”と言ったら、殺気を向けられるに違いありません」
なんという高待遇奴隷。
そんな奴隷、よほど主人に気に入られて寵愛を受けている見目麗しい女性奴隷くらいだろう。
実は、マサヨシ自身も「あれ? 俺奴隷にされたんだよね?」と思う事が多々ある。
その最たるものと言えば、部屋にお風呂が付いている事か。
そんな待遇、普通は無い。
「ですが、彼はクロイツ教国に加担して、アヴァロン王国に不利益を与えてきた犯罪奴隷扱いです。その為、たまに私達が労働を押し付けています」
ちなみに、押し付けられているのは食器洗いに始まり、王城の掃除とか、お風呂掃除とか、料理の火の番とか、空いた時間に庭の草むしりとかである。とても地味なものであった。
マサヨシも「確かに労働……だけど……」と、肩透かしを食らった感は否めない。仕方がないのだ、アヴァロン王国のコアメンバーは、皆が皆善良なのだから……。
しかも遺失魔道具により、作業性が良すぎる。大した手間もなく終わらせられてしまうのだ。オール電化ならぬ、オール遺失魔道具化とでも言えばいいか。
「ユート君の奴隷に対する扱い、思えばミリアン時代から予想できたはずですよね……」
「はい、奴隷である私達に対して、とても良くして下さいました」
「ご主人様は優しい〜! ご飯もお風呂もベッドも用意してくれた〜!」
その言葉に、ユートとの関わりが浅かった面々が首を傾げる。
「あ、あのー……アイリ様は、アヴァロン王のご婚約者と伺っているのですが? ど、奴隷だったのですか?」
「はい。私と、こちらのメアリーは以前、ユート様の奴隷でした」
アイリの事は知っていたが、メアリーまで奴隷だったと聞いてマサヨシが怒りを顕にしようとするが、婚約者達の絶対零度の視線に黙らされた。最近、彼女達に頭が上がらない。
「確かにアイリ様、クエスト王国やオーヴァン魔王国でお会いした時は、奴隷の首輪をしていましたね」
そう答えたのは、グレンの恋人・その一であるミレアだ。
「えぇ、婚約の際に奴隷から解放して頂きましたので」
「私は〜、ミリアン獣王国の戦いの時にです〜!」
マチルダがあぁ、と手を叩く。
「悪魔族の侵攻の時ですよね」
「はい、その通りです」
首肯するアイリが、奴隷になった経緯とユートとの出会い、そして奴隷解放と、雇用までの経緯を話す。
その説明に、お茶会メンバーの中でユートの株が上がったのは言うまでもない。何せ、拾った奴隷の故郷だからという理由で、追われる身でありながら悪魔族との戦いに臨み、挙句圧勝してしまったのだから。
話を聞き終えて、ラピストリアが質問する。
「アイリ殿は、何故婚約まで奴隷のままだったのだ? アヴァロン王の性格からすると、すぐに解放しそうな気がするのだが……」
その言葉に、アイリは苦笑した。
「ユート様の旅に同行したくて、奴隷からの解放を拒否したのです。その時には、ユート様に心奪われていましたので」
アイリの告げた理由に、事情を知らない参加者達はほぉぉ……と感心した。
奴隷は基本的になりたいようなものではなく、解放されるチャンスがあるならば、すぐにその話に飛び付く。
だというのに、アイリの”奴隷としてでいいから、好きな人の旅に同行したい”という理由は、本来ならば有り得ない。つまり、それだけ本気でユートを愛しているからこそだ。
「そして、奴隷から解放されて婚約者に……とても素敵」
ほぅ……と、溜息を吐くフィーリア王女。
「なんと言うか、ここにいる面々は……ユート様に救われた人が多いですよね」
そう告げたのはリアンナだ。アイリとメアリー以外にも、リアンナ……そして、その従兄弟であるリイナレインも皇国でユートに救われている。
クエストではエルザ達ドワーフ勢で、口にはしないがジョリーン・リリルルは義手や義足を、クラリスは自動人形の身体を与えられた。
魔王国ではクリスティーナ、建国の際にはメグミとマナ。
竜王国ではマリアンヌ、イングヴァルトでノエルとヒルド・シルビア、ラルグリスではラピストリアにノゾミ、ケルム獣帝国ではファニールとオニール。
戦争ではソフィアも救われたし、カレナシアやフィーリアもかなりの便宜を図って貰っている。
ちなみに、グレンの恋人達もクエスト王国でのバハムートユート・魔王国では暴君ユートのお陰で、命の危険から救われていた。
「……何か出て来る話、全てのスケールが大きいよね」
「ユー君の趣味は人助けー?」
エイルとヒルドのやり取りに、他の面々も頬を緩めてしまった。確かに、世界を股にかけて人助けをして回っているように思える。
ちなみに本人に人助けの自覚はなく、「やりたいように暴れているだけ」と言うだろう。
「正にこの世界、ヴェルスフィアの勇者という事ですね」
「その称号に相応しい活躍ですよね。ユートお兄ちゃんは凄いです」
ウンウンと頷き、ミランダが紅茶を口にする。その横に座るシルビアは、敬愛するイトコのことを褒められて御満悦の様子である。
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さて、話題はユートからユウキに変わる。意図的に変えたのはラピストリアだ。
「ユウキ殿は、侯爵になられたのだったか」
錬成の勇者ユウキ。侯爵に叙爵された、アヴァロンでも相当な有名人だ。
「もう名実ともに、アヴァロン王の右腕ですね」
笑顔で首肯するアリスに、マナ・エルザ・マリアは誇らしそうな表情……つまり、ドヤ顔だ。
「成程、流石はユウキ殿だ……」
恋い焦がれる乙女のような表情のラピストリア王女に、全員がその心中を察した。あ、これ惚れてるやん、と。
さて、そんな一級フラグ建築士ユウキ・サクライ、他にも心を奪われたらしい少女が居る。トルメキア王女、フィーリアである。
「あ、あのっ! ユウキ様のお話を聞かせて下さいませんか!」
ラピストリア王女、ライバルの気配を察知。ムムッ! という顔をしている。
ちなみにユウキの恋人達は、二人の様子を見て「もしかして五人? 五人になるん?」と顔を見合わせている。目と目で会話している、いや多分念話だコレ。
「そうですねぇ……ユウキさんに関しては、常に行動を共にしていたマナさんから聞くのが良いでしょうね」
「あ、まぁそうなりますよね? そうだなぁ、ユウキの事かぁ……最初は、頼りなかったんだけどね」
当初、勇者でありながら錬成魔導師という非戦闘要員のセカンドジョブを与えられたユウキ。
しかし、魔王国で出会ったとある付与魔導師の助言を受け、まずは自分に出来ることから始めようと奮起した。
「そこからのユウキは、精力的に物事に取り組むようになったよね」
「その結果、ジークハルト竜王国の戦いでも活躍したんだったわね……」
ジークハルト竜王国では、レベルアップとディアマント大迷宮の踏破ボーナスを受けて、ユウキ自身のステータスはかなり強化された。
そして、ユートやマルクとの武器製作の経験を元に、そこらにある素材で武器を錬成、それを投げ付けるという錬成を活かした戦闘スタイルを確立した。彼なりに、自分の持ち味を見つけ出したのだ。
「あの、先日のご様子だと、それだけでは無さそうでしたよね!」
フィーリア王女の言葉に、マナが頷く。
「”剣舞の陣”ね」
そう、先日のトルメキア制圧と悪魔族討伐でお披露目した、力の根源魔法と錬成魔法の複合技能。
ちなみに、この厨二臭いネーミングはユウキだけでなく、かの王も一枚噛んでいる。病は、継続中の模様。
「勇者ユウキの名は世界中に広まるでしょうねぇ……アヴァロン王国の名付け親でもあるしね」
「えっ、そうだったんですか?」
マリアの言葉に、ソフィアが目を丸くする。
「この島……アーカディア島は、アルカディアという地名を捩ってユーちゃんが名付けました。アルカディアには、”理想郷”という意味があるんです」
「それで、ユウキさんが同じ理想郷を示すアヴァロンという名を提案してくれたんですよ」
キリエとリイナレインの解説に、由来を知らなかった面々が感心する。
マサヨシはここで、「アルカディアって地球の地名だよな……それじゃあ、やはりアイツは日本の知識を……」とブツブツ呟き出したので、クリスに足を踏まれた。
「いだっ!!」
「……仕事中、集中」
「ご、ごめん……」
ギロリ。
「す、済みませんでした!」
マサヨシに対しては、婚約者勢はスパルタなのだ!
「そ、それで! 今日、ユウキ殿は、どちらに……?」
「そ、そうですね! 本日はいらっしゃらないのですか!?」
ラピストリアとフィーリアが、マサヨシいびりの空気を払拭しようとする。ついでに、本命の相手の動向を探るあたり、恋する乙女は強かである。
「今日は領地開拓だよ。作りたいものがあるんだってさ」
「そうそう、”てーまぱーく”? とやらを作りたいんだって、ユートと楽しそうに話してたわ」
その言葉に、マサヨシが面食らう。テーマパークを国に作るなんて予想外だったのだろう。
「何だっけ? アヴァロンネズミースカイ……」
「エ、エルザさん! それ以上はいけない!」
「ちょっと待った! そのネーミングは駄目だって!」
「先輩とユウキさんには、ちょっと釘を刺さないと!」
勇者であるマサヨシ・ノゾミ・メグミが慌て出す。異世界であろうとも、手を出してはいけない領域があるのだ!
「安心して、やめさせたから」
苦笑しつつ、マナがネーミングを再考させたことを明かす。ナイスセーブである。
これには、三人の勇者も一安心だと安堵する。
尚、アヴァロン王とサクライ侯爵は次の候補として、ユニ●ーサルスタジオアヴァロンという案を出したので、全員から説教を喰らうのはまだ先の話だ。
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「そ、それではフリードリヒ・ムラーノ侯爵も、領地の方へ?」
慌てて話題転換するのはカレナシア王女。
「フリードなら、今日は竜王国に遣いに行って貰っているよ」
マサヨシ以外の、男性の声。声のした方向に視線を向けると、そこにはアヴァロン王の姿があった。
「あ、アヴァロン王陛下!」
「ご無沙汰しております!」
ファニールとオニールが立ち上がって、お辞儀する。すると、側に座っていたシルビアが席を立ってユートに飛びつく。
「ユートお兄ちゃん! お久しぶりです!」
「シルビアも参加していたんだね。というか、すげぇメンツだな!?」
流石のユートも、アヴァロン王国で王侯貴族の多数集うお茶会が開かれているとは思わなかったようで、ビックリしていた。
「随分と、豪華な女子会だな……まぁ、多く作り過ぎたから丁度いいや」
そう言って、ユートが宝物庫の指輪からある物を取り出す。それは、正に……
「チョコレートケーキだ!?」
「えっ、先輩!? まさか、チョコレート作ったんですか!?」
「いやぁ、カカオっぽい豆があるって聞いたから、試しにやってみたんだよ。そしたら、めっちゃチョコレートだったわ」
どうやら、チョコレートをイチから作ったらしい。
ちなみに彼がチョコレートの作り方を知っていたのは、工場見学に行った時の知識を元にである。試行錯誤の末の再現なので、失敗作が結構あったりする。
「マサヨシ、皆に切り分けてあげて。あと、お前の分も食堂に置いてあるから、後で休憩時間にでも食いな」
「あ、あぁ……」
ゴスッ!!
「アッ――!?」
エイルの脛蹴り! しかし、悲鳴をあげるのは我慢したマサヨシ、だって男の子だもん!
「あ、ありがとうございます、陛下……」
痛みを堪えながら絞り出した声に、ユートも冷や汗をかく。
「ま、まぁ……あんまりイジメてやるなよ?」
女子会メンバーが確信する。これ、確実に奴隷だと思ってないや、と。
他にも差し入れに行くと言って、国王は退散。また、女の園に戻った。マサヨシは空気扱いだ。
「うわぁ! 本当にチョコケーキです……先輩、凄いです……!」
「異世界でチョコケーキが食べれるとはー! しやわせー!」
「というか、ユートさんってお菓子も作れるんですね……料理しているのは知ってましたけど」
その言葉に、参加者が驚く。
「ユ、ユート様、料理してるんですか!?」
皆の気持ちを代弁したのはリアンナだ。
「元は冒険者ですから、料理も出来ますよ。というか、お義母様が料理の天災なので、必要に迫られて……」
「聖女アリア様ですよね! 料理の天才なんですね!」
キリエの説明に、プリシアが良い事を聞いた! と胸をときめかせる。聖女アリアは、人間族の女子からしたら憧れの女性、その代表格として人気なのだ。
しかし、致命的にズレている。天才ではなく、天災なのだ……。
キリエも元養母、現義母の名誉のために訂正はしないでおいた。嫁姑関係を良好にするコツは、余計な事を言わない事なのだ。
「それにしても、美味しいですね」
「はい、これは異世界縁のお菓子なのですか?」
アリスとシルビアの会話に、マナが反応する。
「そう! これは地球で人気のあるお菓子で、チョコレートケーキって言うの! んもう、ユート君ったら流石! 再現しちゃうんだから、凄いよね!」
よほど嬉しかったのか、マナのテンションが高い。それに苦笑しつつ、ノゾミは遠くを見る。
「ユートさん、地球の食べ物再現するの好きだよね……まさか、異世界で味噌ラーメン食べる事になるとは思わなかったよ……美味しゅうございました……」
「何か、今はカレーを再現したいと色々研究しているらしいですよ」
「やめてメグミン! 食べたくなってくるー!」
メグミの言葉に、マナのリアクション。
マナのリアクションをオーバーだなぁ、と参加者は感じたのだが、まさかのその夜に食べる事になったカレーライス。マナの反応がオーバーなものでは無いと、参加者達は身を以って学んだ。あと、カレーはお代わりした。
「……カレー、うまいなぁ……」
マサヨシも、異世界でカレーを食べられると思っていなかったらしく、心の底から感動していた。
盛り上がった女子会は、そのまま皆で露天風呂へ。そして、婚約者の部屋にそれぞれ分かれてのパジャマパーティーになだれ込んだ。
「またやりたいですね。月一くらいで、女子会します?」
翌朝、そんな事をキリエが言ったのだが、反対意見は出ませんでした。あと、その時はユートがご飯を作ることになったのは余談である。
 




