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刻印の付与魔導師(エンチャンター)  作者: 大和・J・カナタ
第1章 イングヴァルト王国

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01-05 息子/酒盛り

これまでのあらすじ:遺失魔道具アーティファクトの大半は、ネタやロマンの塊でした。


※注意

今回、いくらかお下品な表現がございます。

そういった表現を好まない方は読み飛ばすか、話自体飛ばして下さい。

 村人達が縛った冒険者は、何やら喚いている。

「クソガキがっ! 俺達に手を出して、ただで済むと思ってるのか!?」

「縄を解けっつってんだよ!」

「ぶっ殺すぞ、テメェ!」

 顔を真っ赤に染め上げた三人の冒険者は、殺意を込めた強烈な視線を向けて来ていた。


「そういや、村長さん? 避難した村人達はどうするんだ?」

 勿論、無視する。そして、村長さんに世間話を振る。

「え? あ、いや……その……」

 村長さん、テンパる。さっきから、この繰り返しである。


「おい、話聞いてんのか!」

 やれやれ、仕方ないから相手をしてやるか。

「どちら様でしたっけ?」

「てめぇっ!! 王都のギルドで、俺の手を傷付けておいて、忘れたとは言わせねぇぞ!!」

「王都のギルド? あぁ、姉さんに言い寄って、姉さんに気持ち悪いって言われ、僕に殴り掛かって来たら勝手に手を痛めて、挙句ギルドの処分で鉄級に落とされた、あの……名前何だっけ? 知らねぇや。で、文句言う為に、王都から来たの? そりゃご苦労さん」

 ゆっくり懇切丁寧に確認しておく。認識の齟齬があったらいけないからね!


「くっ……このガキッ!!」

 ――パァンッ!! 

 宝物庫から出した銃剣による、魔法的早撃ち。放たれた弾丸は、大男の股間ちょっと手前の地面に穴を開ける。

「ガキじゃなくてユートだ。さっきのを見ても“俺”に敵うと思っているんだな? そりゃすごい」

 先程の光景を思い出したのか、冒険者達だけでなく村人も顔を青くしている。


「これで済むと思ったら大間違いだぞ、テメェは絶対に……」

「言動には気を付けた方が良い」

 ――パァンッ!

 さっきよりも、大男の股間に近い位置に銃弾を撃ち込む。

「ひっ!?」


「ギルドからは可能な限り捕縛……絶対殺すなとは言われて無い」

 ――パァンッ! 

 更に、近い位置に銃弾を撃ち込む。

「ひいいぃっ!?」


「それに、殺さなくても……やりようはある」

 ――パァンッ! 

 更に、近い位置に銃弾を撃ち込む。

「うわああぁぁっ!?」


「謝罪は早い方がいいぞ」

 ――パァンッ! 

 更に、近い位置に銃弾を撃ち込む。


「鬼か、テメェッ!?」

「大事な息子さんがどうなってもいいんだな?」

 ――パァンッ! 

 更に、近い位置に銃弾を撃ち込む。


「解った、俺達が悪かった!! だから止めろ!!」

「その上から目線は何だ、コノヤロー」

 ――パァンッ! 

 更に、近い位置に銃弾を撃ち込む。

「ギャアアアアアァッ!!」


「息子さんが大事なら、丁寧な応対を心掛けた方が良いぞ」

 更に、近い位置に銃口を微調整し……息子を狙う。

「わ、解った!! いえ、解りました!! ですから息子は!! 息子だけは!!」

「あぁ? 謝罪はどうした、てめー?」

 撃つ。

 ――パァンッ! 


「申し訳ございませんでしたぁっ!!」

 その両脇に並ぶ冒険者二人にも、視線を向ける。三人揃って、泣きながら、可能な限り頭を下げた。

「「「御迷惑をお掛け致しまして、誠に申し訳ございませんでしたぁっ!!」」」


「ま、“僕”達に対する迷惑は笑って流してあげようかな」

 そう言うと、冒険者達は安堵の溜息を吐く。

 その間に、僕は銃剣にゴム弾を三発装填しておく。

「さーて……」

 僕は周囲に視線をやる。

 女子供は率先して避難している為、ここに残っているのは村長とわずかな男手だけだ。その全員が、股間を押さえながら顔を真っ青にして、こちらを見ている。


 とりあえず僕は、それに頷く。

「で、これは村に向かってゴブファミリーをトレインした罰な」

 ――パァンッ! パァンッ! パァンッ! 

「「「アッ―――――!?」」」

 情け容赦なく、股間にゴム弾を直撃させた。

「「「「ええええええええええええええぇっ!?」」」」

 村人達が声を揃えて叫びをあげ、信じられない物を見た様な視線をこちらに向けて来た。


「え、さっきの視線は『村全滅の危機を招いた愚かなゴミクズ共に、情け容赦の無い手段で我々の怒りを実感させて下さい、主に股間の息子に』って視線じゃ無かったの?」

「「「「何この人、怖い!?」」」」

 ちなみに、一連の顛末を見ていた姉さんは、相変わらずニコニコして僕を見ていた。それを考えると、この場で一番怖い人は姉さんだと思う。


 ……


 その後、内股で顔を青くした村長達に今後の事を話した。

 冒険者三人をギルドへ連行するにも、避難した村人達に村の無事を伝えるにも、馬と馬車が無いと困難だ。馬車は全て避難の為に使用してしまっているので、移動手段が徒歩しか選択出来ない。

 だが、避難者の一人が馬の扱いに長けており、先行して王都へ村の危機を伝えに向かったらしい。それならば、国王軍の兵士達が討伐隊を組み、村へやって来るだろうとの事。


 なので、僕達はそのまま村に留まり、討伐隊を待つ事にした。

 ちなみにその相談をする間、村長達は強張った表情で股間を庇うようにしていた。ダイジョウブダヨー、ボクコワクナイヨー。


 討伐隊を待つ間、まず地雷を回収する。

 そしてゴブリンの死体から、できるだけ討伐証明部位の右耳、使えそうな装備を回収する(半分は使い物にならなかった)。

 後は、一部のゴブリン……どうやらゴブリンの上位種もいたみたいなので、そちらは魔核も回収だ。これは親切な村人達が、股間を気にしながら、吐き気を堪えて手伝ってくれた。


************************************************************


 討伐隊が到着したのは、翌日の昼。

 火葬の準備として村から離れた場所に、村人達とゴブ肉ミンチを積んでいる時だった。

 ゴブリン等、魔物の死骸は火で燃やして処分する。そうしないと、ゾンビとして蘇るからだ。

 もっとも、ミンチだから今回は必要ないんだけどね、衛生上の問題で焼いておく。


「この村の村長は貴殿か」

「その通りでございます、兵士様」

「討伐隊隊長のエルマーだ。今回の件における事情を聞きたい。何があった? 村は無事で貴殿らも生き残り、これほどの数のゴブリン共、の……死骸? え、何これ。挽肉?」

 隊長は積まれたゴブ肉を見て困惑している……口調が崩れる程度には。

 どんな手段を使えば、こうなるのか解らないのだろう。兵士達の間に、動揺が広がる。


「この度、ゴブリン討伐の依頼を受けて下さったユート様、キリエ様のお二人が、ゴブリンの大群を退けて下さったのです。私共は一部始終を見ておりましたので、間違いは御座いません」

「この数を二人で? しかも、こんな風に? どうやって? え、どうやったらこんなになるの? え、やだ怖い」

「気持ちは解りますが落ち着いて下さい……でも何これ? ほんと何これ! 何だこれ!?」

 隊長達が落ちついたのは、三十分後だった。


 ……


「……では、冒険者三人がゴブリンの集落からゴブリンの群れを刺激し、村に向かって逃走。君達がゴブリン五百体程を二人で討伐した。その方法は教えられない、という事か?」

「そうです」

「ふざけるなっ! そんな与太話、誰が信じると言うのだ!!」

 激高して、机をバンッ! と叩く隊長。

「物的証拠なら、そこに積まれていますが」

 ゴブミンチを指差してそう言い返すと、うぐっと言葉に詰まった。


「何故、討伐の方法を教えられないのだ!」

「企業秘密なので」

「ふざけているのか、貴様!!」

「あ゛?」

「……っ、誤魔化せると思うなよ!!」

 うーん、お話も威圧おはなしもダメなら基本的にやりたくないけど、彼の息子さんとも丁重に実力行使おはなししないといけないか? 

 僕の思考を読んだのか、村人達が顔を青褪めさせた。


「兵士様、少々よろしいでしょうか?」

 そんな流れを止めたのは、姉さんだった。

 村人達に見えないように、隊長にある物を見せている……メダリオンである。王家のメダリオンを持つ……それは、王家縁の人間だという証明だ。


「そ、それは……!?」

 イングヴァルト王であるアンドレイ叔父さんの事だ、イングヴァルト王国の兵士団と騎士団には通達とかされているんじゃないだろうか。

 王家のメダリオンを渡された、成人した年頃の少年と少女がいるとかね。


 どこまで伝えているのかは解らないけど。アルファと親しいとかは、伝えているかもしれない。

 流石に、勇者と聖女の子供である事や、遺失魔道具を製作する付与魔導師であるなんて事は、言っていないだろうし言えないだろう。


「言わなきゃ、ダメですか?」

 にっこりと、姉さんが隊長に問い掛ける。

「……………………い、いえ! その必要は御座いません! 大変失礼致しました!!」

 唐突な手の平返しに、村人がギョッと目を剥く。視線は姉さんに集中し、何かとんでも無いものを見た様な表情だ。


「それを出すまでも無かったんだよ?」

 あんまり、権力的なものは使いたくなかった。

「アレをしようとしていませんでしたか? ダメですよ、ユーちゃん」

 めっ! とでも言うように、人差し指を立てて僕を窘めてくる。

「兵士さん達はちゃんと威圧おはなしすれば、解ってくれるんですから」

実力行使おはなししようとしてたよ?」

 ニュアンスの違いに気付いているだろう姉さんが、ジト目を向けて来た。

 村人達は昨夜の、冒険者達を襲った悲劇の再現を見なくてホッとしていた。自分が何か凄くヤバかった事に気付いたのか、隊長は何とも言えない表情をしていた。


「ゴブリンの死骸の処理は、討伐隊の方でお引受け致します。避難した村人達に村の無事を知らせるべく、王都へ馬車を出します。乗って行かれますか?」

 僕達は、そんな隊長さんの提案に乗る事にした。


「この度は、幾度もお世話になって……本当に、ありがとうございました」

「お礼は言葉だけ受け取っておきます、追加報酬は貰いましたしね」

「村長さん、お元気で」


 村長と村人達に挨拶をし、僕達は馬車に向かう。馬車は幌馬車だ。軽装な革鎧の男と、鎧姿で僕達より一、二歳くらい上の女性が立っていた。

「王都までの御者をさせて頂くバルサ・ミコースと申します」

「護衛として同行させて頂きます、ノエル・アイングラムと申します」

 二人は丁寧な口調で、頭を下げて来た。

 それにしても、バルサ・ミコースか……バルサミコ酢……くっ、ズルイ名前だ!! 


 内心を表に出さないように耐えながら、僕達も名乗りと挨拶を返そう。

「ユートと申します、この度は御厄介になります」

「キリエと申します、どうぞよろしくお願い致します」

「もう出発しても大丈夫でしょうか?」

 ノエルさんが、そう聞いてくる。それに首肯すると、バルサ氏は御者台へ向かった。

「それでは、こちらへどうぞ」

 ノエルさんに促され、馬車に乗り込む。


************************************************************


 道中、僕達は雑談を交わしていた。

「では、本来はゴブリン三匹の討伐依頼だったのですね?」

「それが、五百匹とはツイてないですなぁ」

「全くです」

 運が悪い、と二人は苦笑するが、本当に運が悪かったのは誰だろうね? 手綱を握りながら、こちらに顔を向けるバルサ氏。


「五百匹のゴブリンを二人で全滅させるなんて、本当にどんな手を使ったんです?」

「バルサさん、それは詮索しないようにとの、隊長からのお達しがあったはずですよ」

 興味本位で尋ねて来たバルサ氏を、ノエルさんが窘める。

「しかし、ノエルだって気になるだろう?」

「それでもです」

 ふーむ、ノエルさんは真面目な人らしい。


「やっぱり、気になります?」

「えっ、教えて頂けるんですか?」

「昨日今日会ったばかりの人には、今はまだとしか」

「ふふっ、それはそうですよね」

 僕の返答を肯定して、笑顔を向けるとは人間が出来ている。うん、ノエルさんは良い人だな。

 おい、バルサ氏は前見ろよ、頭からバルサミコ酢かけるぞ。


 ノエルさんとは色々な話をしたのだが、アイングラム家は子爵の家らしい。位は下の方だが貴族である。

 バルサミコ酢もとい、バルサ氏のミコース家も、父親が爵位持ちの子爵家だそうだ。

 バルサ氏の息子がバルス君とか、どうでもいい情報まで手に入った謎の数時間だった。


 そんな馬車も王都へ無事に辿り着き、ノエルさん達はそのまま冒険者ギルドの近くで降ろしてくれた。

「それでは私達は詰所へ戻りますので、これで」

「ええ、送って頂いてありがとうございました」

 バルサ氏とノエルさんに、感謝の言葉を告げて解れた。


 ……


 馬車を見送った後、冒険者ギルドの扉を開く。

 礼の受付嬢、ソフィアさんの待つ窓口へ向かうと、周囲とソフィアさんの視線が何とも言えないものになっていた。


「依頼完了報告と、阿呆三名の連行です」

「王国軍から……事情は聞いたんですけど、本当ですか?」

 あら、王国軍から情報が来ていたらしい。

「口頭で真偽を判断する技能とかお持ちです?」

「……依頼完了の書類を提出願います……」

 疲れた表情のソフィア嬢に、村長のサインと親指の拇印が押された書類を手渡す。次いで、王国軍隊長の印章による封蝋がされた書類を出す。


「あと、彼等なんですが……」

 三人の冒険者に視線をやる。未だに気絶していやがるなぁ、一体何があったんだろうなー。

「解っています、冒険者資格の剥奪を――」

「いや、可哀想だからそこまでしなくていいです」

「――えっ!?」

 僕の言葉に驚くソフィア嬢だが、気にしないでおこう。


「散々な目に遭った彼等から、職すら奪うのは無慈悲でしょう? 今回は被害者側が不問とするという事で、処分は無し……穏便にいきましょう」

 大切な息子が召されてしまった事で、彼等は十分罰を受けたのだ。これ以上はあまりにも惨いだろう。

「……は、はぁ……で、では、報酬をお持ちしますので、しばしお待ち下さい……」

 そう言って、疲れた顔でソフィア嬢がカウンターの奥の部屋に引っ込む。

 周囲から浴びせられる視線は、何とも言えない微妙なものだ。疑念・猜疑・嫉妬・興味。何ともドロドロしている。


 そんな中だった。えらく豪快で、えらく陽気な声がギルド窓口に響く。

「お前らか、ゴブリン五百匹を討伐したルーキーは!」

 声のした方に視線を向けると、そこには短く切り揃えた白髪頭に、口と顎にたくわえた同じく白い髭、そして筋骨隆々とした体格の男が立っていた。


「失礼ですが、どちら様で?」

「お、悪い悪い! 俺はここの支部長ギルドマスターのフレイン・ドーマだ!」

 ギルマスだったのか。体格といい視線といい身のこなしといい、この人は元・冒険者だな。


「初めまして、ユートです」

「キリエと申します」

「おう、名前は知っている。初の依頼でゴブリン五百匹斬りとはやるじゃねぇか!」

 五百匹斬りではなく、五百匹爆殺兼射殺だけどな。

「あんまり吹聴するつもりは無いので、声を抑えて頂けます?」

「ん? 銀級に匹敵する戦果なのにか?」

「目立ちたがりじゃないんです」

「ほー、そうか。じゃ、俺の執務室に来るか? 茶でも飲んでけ、な!!」

 強引なオッサンだ。しかし、何か憎めない所がある。


 多分、大声でゴブファミリー殲滅の話をしたのは、僕達の名声を高める意図だろう。そして、それを拒否したので、すぐさま執務室への招待、か。

「じゃあ、お邪魔します……あ、依頼完了手続きの後ですが」

「おう、ゆっくりしてけルーキー! あと、お前らが話せる事は全部吐いて貰うからな!」


 無理矢理聞き出すつもりじゃ無く、言える事は教えろと言う意味か。脳筋と見えるものの、思慮深さを伺わせる……なるほど、これがギルマスか。

 憎めない人柄も、外見からは一見して解らない思慮深さも……そして、僕達の名声を高めようとしたら、拒否されて方向転換する等の、謂わば面倒見の良さも。

 深く根を降ろし、高く聳え立つ大樹の様な印象を抱かせる。


「お酒とかは、いけるクチですか?」

「おっ、呑むか? いいぞ、酒盛りはいいもんだ!」

 どこか父さんに似ているせいか? 多少の情報は明かしても良いかもしれない。ギルマスだしね。


************************************************************


「じゃあ、ゴブリン五百体を十五分でミンチにしたのか! そりゃやべぇな! 流石は勇者レオ様の息子だ!」

 完全に出来上がっているな、ギルマス。

「勇者レオナルド様の息子さんだったなんて! それなら色々納得です!」

 ちなみに、受付嬢ソフィアさんがこの場に居るのは、ギルマスに拉致られたからだ。報酬を持って来た時に、強制連行されて酒盛りに参加させられている。


「ドーマ支部長、ソフィアさん。勇者レオナルドの息子だから凄いのではありません。ユーちゃんがユーちゃんだから凄いんです」

 やめろ姉さん、恥ずかしい。

「そうかそうか! ユート君はすげぇな!」

「本当ですね! 凄いです!」

「はい、凄いのです。無駄に洗練された無駄のない無駄な技術とか、それはもう」

 それ、褒め言葉じゃないと思うの。やれやれ、酔っ払いどもが何か喚いているが、とりあえず無視して酒の味を楽しもう。


 元の世界では二十歳になって数カ月程度だったが、二十歳になってからお酒も嗜むようになっていた。もっぱらビールとチューハイ、焼酎の水割り、外で友人と飲む時に少しだけ日本酒とカクテルだった。

 グラスに注がれた、そのどれとも違う不思議な味わいの酒。正直、美味いと思う。

「おう、呑んでるか!」

「ええ、このお酒美味しいですね」

「だろ? 秘蔵の酒でなぁ!」

「こういう時、成人したって実感しますねぇ」


 ちなみにこの世界、十五歳で成人です。僕が酒を飲むのは問題無いんです。

 異世界転生や異世界召喚を題材にしたラノベとか見てて、「お前未成年だろ?」とか思った事もあったんだけどね!

 ほら、郷に入っては郷に従え、だし! 僕も十五だけど、法律的に飲める歳、そう、法律的に!! 

 前の世界でも、よその国では二十歳以前に飲める所もあったような、無かったような? だから、まぁ、大丈夫さ! きっと!!


「ほれ、成人と初依頼の成功祝いだ! ぐいっといけ!」

「お注ぎしますね!」

「あ、どうも」

 酒盛りは、そのまま深夜まで続いた。

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