花の一生
この世界には、親のいない子供たちが溢れかえっていた。
子供たちは、時には幸せな里親に恵まれ、時には奴隷として生き、そして時には、「主」に遣えることで人生を送るものもいる。
僕らには選択肢はない。だからこそ、自分の居場所でどのように生き延びるか、そうやって思考を巡らせて生きることだけが僕らにできること。他には何も無かった。
ただ、一度だけ、たったの一回でも、人生は素晴らしいものだと思える瞬間があるなら、それを大切にする。これも僕らにできる、唯一の救いの手であった。
これは僕の、人生の歩みの記録。
一番美しい、ただ一つの出来事。
そして、僕の生きた証。
「七輪」の花の、儚い一生の物語。