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青春の輝き―コルネット吹きの少年の物語―  作者: 楢崎沙來夜
第1幕 春︰運命の時、それは動き始める
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第2話 彼女が欲しい

「高校では彼女できるかなぁ」

注文を終え、一口水を飲むと、頼輝は不安そうな面持ちで切り出した。

 「ヨッシーはいつもそのことしか考えてないだろ」

 「いい加減俺にも彼女が欲しいぜ…」

 中学校時代から、頼輝には彼女ができない。

 瑛一は頼輝は比較的かっこいい方だと思っているのだが、優しくされるとすぐに好きになってしまう性格ゆえに、いい出会いに恵まれないのだ。

 「まあまあ、きっとできるさ」

 かくいう瑛一にとっても、少し欲しいと思う瞬間はある。

 「彼女、ねぇ…」

 そうつぶやきながら、コップを口に運ぶ。

その言葉を待ってましたとばかりに頼輝が冷やかしにくる。

 「すぐ別れっちまったもんなあ」

 「ぶっ」

 思わず水を吹き出してしまった。意外な心の傷もあるものだ。中学時代、一度だけできたことがあるのだが、うまくいかず、すぐに別れてしまった。瑛一にとっては初めての経験ゆえにうれしかったが、どう接すればよいのかわからず、結局は音楽一本調子がたたって別れてしまったのだ。

 お手拭きでテーブルを拭きながら、答える。

 「そのことは、ふれるな」

 「何動揺しちゃってんの?ピュアだねぇ」

 嫌味交じりに笑いながら、頼輝が煽りにくる。

 くっ…。

 「…ヨッシーこそ彼女できたことないくせに。すぐ好きになって告白して振られるくせに」

 悔し紛れに英太がつぶやく。こうかはばつぐんだ。

 「それをいうな」

 「何動揺してるんですか頼輝さん?」

 「今度こそ成功してやるかんな!」

 「はいはい…」

 頼輝は躍起になっていたが、英太はなにかいつもと違うものを感じたような気がした。

 いや、久しぶりにこんな話したからかな。

 ちょうどそのタイミングでラーメンが届く。待ってましたと言わんばかりに頼輝は飛びつき、一心不乱に食べ始める。

 「うめえ!」

 相変わらずの食いっぷりだな。

 そんな頼輝をよそに、瑛一も、ゆっくりと、それでも豪快に食べ始めた。


昨日に続いての投稿です

読んでいただきありがとうございます

今回は話の都合上短くなってしまいすみません!

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