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譜めくりの恋  作者: ゆぶ
64/95

第64小節


 

 夜10時が近づいていた。


 忘れることにしたはずなのに、そればかりが頭に浮かんでくる。


 部屋着のままでわたしは1時間まえからソワソワしていた。


 気になって窓から桟橋のほうを眺めたり。


 いやいやあれは夢だからと寝ようとしてみたり。


 それを何度もくりかえしていた。


 桟橋には外灯がひとつ真ん中あたりにあるだけだった。


 その光がおよぶ範囲で人影はなかった。


 台風が、接近しているようだった。

 

 けれど嵐のまえの静けさといった感じで、波はおだやかにメトロノームのように正確に浜辺へと打ち寄せていた。


 月がいつもよりやたらにおおきく見える。


 誰もいない。


 誰もいない。


 何かが起きる不吉さがよぎるたび、わたしはそうやって呪文のようにひとつずつうち消しては、ベッドに横になってそのまま寝ようとしていた。


 でもやまないソワソワは、しだいにドキドキに変わっていった。


 いなければ、いないでいい。


 それで安心して眠れるのだから。


 わたしはスマホの時刻を見た。


 10時、5分まえだった。


 わたしは立ち上がって、また窓に向かった。


 桟橋にちらっと、動く人影が見えた。


 わたしは急いでワンピースに着替えた。




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