プロローグ 〜それぞれの始まり〜
主要人物3人と”自称”神様と重要人物の人柄や経緯・未来にこうなるという道筋を描いて行きます。前章の同様の内容になってしまいますが、より深く書いたつもりではあります。
——「”自称”神様」——
…下を見回すと果てしなく広がる白く光っている雲海が見え、上を見回すと雲一つない青空が広がっているこの場所は人間が言う”天国”という場所だ。僕は、そこを統括する神様の一人であり、人間の記憶を保存して行く図書館の館長でもある。
「……というよりそれしかできないんだけどね……」
人間の記憶が集まる場所なのだからそれなりの大きさ・広さがなければならないこの場所は地球の大きさ以上のものがなければならないのに、そのすべてを僕一人で管理している。
「神様だからって、こんな広さの場所に一人は淋しいよね……」
でも、それはそれで楽しくやっていたりする。暇になれば、パソコンを使って気になる人間の記憶を読んでその人の人生を鑑賞しているのはなかなか楽しいものだからだ。
……なにより、それしか楽しむ方法がないのだから……
ある日、僕はある三人の本に幾重もの銀色の線が絡み付いているのを見て、その三つの本を取り出して読んでみた。
「……ふーん、これが三角関係ってやつか。地上の昼ドラでは見たことあるけどこういうのもあるんだね。……よし、今日からこの本を読んで行こう。まだ、どの本も完結してないけど読みたいところは終わりに近づいてるようだし、読み終える頃には終わってるんじゃないかな。」
僕は、三人の本を開くと同時に辺りは眩い白い光に包まれていった……
——「葛原 武人」——
とある中学校に通うこの男の子の名前は「葛原 武人」14歳。中学卒業を間近に控えている受験生の一人だ。受けた高校は、両親が勧めた高校二カ所と滑り止めとして受けた高校の三カ所だった。しかし、彼はろくに勉強もせず毎日部活と遊びに費やした結果、公立高校を二つとも不合格という通知を貰い、滑り止めとして受けた私立高校に受かっていた。
そんな彼のような人柄でも女子からはモテる方であり手紙も何度も貰っていたのだと言うが、実際には会わず無視し続けていたそうだ。
大分無駄な学生生活だったと彼自身が気付いたのはまだまだ先のことである……。
そういった生活を過ごしてきた彼の価値観やどういった振る舞い方をしたら良いかなどをすればいいいかというのはこれからの高校生活で出会うことになる”彼女”や他友人たちと出会い、様々なことを経験したことで身につけて行くスキルである。
——「須郷 晴」——
彼もまたとある中学校に在学中の受験生で葛原とは全く違う場所で彼なりに頑張っていた。
詳しいことは何故か記憶の本にも乗っていないが、高校生活や彼の性格を把握できる限りだと、人とのコミュニケーション能力が欠け、自分自身のことでいっぱいいっぱいであったことがうかがえる。
また、自分自身でどうしたらいいか分からなくなったときなどはその当時一番親しい人間か面倒を見てくれる人間に頼らなければ何もできなかったそうだ。
そんな駄目人間である彼を変えたのは葛原と同じくある”女性”との出会いと交際により彼をより面倒な人間に仕上げてしまったのは後々彼らが卒業してから分かることである。
―—「千堂 沙織」——
——「鎌田 遼平」——
この章は未完結です。更新まで少々お待ちください。