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ある男の2週間

作者: 怪盗ゼロ

※予告編の内容とは、時系列が変わっております。ご了承ください。




私の名前は谷村泰介(たにむらたいすけ)。仕事は機械系の研究を行う機関の研究員。8階建てのマンションに住んでいる。

仕事にも慣れ始め、仕事も面白くなってきた。まぁ、疲れて帰るのはいつものことだけど。

家で待ってくれるような嫁が欲しい。

彼女はいるけど、まだ同居できるほどの関係まで行ってないし。





「今日も一日頑張った。少し早く帰れたし、久々にゲームでもするか」


そんなことを考えながら帰り道を歩く。


家に着き、寝室に服を着替えるために行くと本棚から本が出て、散乱してるのを発見した。


「あらら、地震でも起きたのか?そんなニュースは見なかったが」


少し疑問を持ったが、久々にゲームもしたかったのでそのままにしておいた。

着替えを終えテレビのあるリビングに向かった。

そのまま久々のゲームを楽しんだ。


「あ、しまった。もう9時か。ご飯食べてないな。何か作るか」


ゲームのセーブをしてから、晩御飯の支度に入った。

晩御飯の冷凍保存しておいたハンバーグを焼き、デミグラスソースをかけて食べる。

一人暮らしなので一回の料理で多めに作り、作り置きをしておくようにしている。


「そろそろまた作り置きしないとなぁ」


次の日の日曜日にでも料理をする計画を立てながら食事を終えた。

洗い物をするために台所に行く途中、廊下にも散乱していた本がないことに気がつく。

不思議に思い、本棚を見ると


「あれ?本が片付いている」


自分の気のせいだったのかわからなかった。でも、地震でも起きない限りあんなに本が散乱することはないだろうと思い、気のせいだったのだと自分に言い聞かせる。


「そんなことよりも仕事の資料を読まないと、ゲームもしたいけど」


寝室で仕事の資料を読んでいると夜0時を回っていた。

ふと気がつくと


ジャーーー


水の流れる音が聞こえた。


「しまった。洗い物をして水を流しっぱなしにしてしまっていたか」


そう思い、キッチンへ行くと


ジャーーー


「あれ?音はするのに水が出ていない?なんで?」


原因を探すものの、音の発信源がキッチンだということしかわからなかった。

そして、いつの間にかその音も聞こえなくなっていた。

よくわからないものの、水も出てないし、音もなくなり、疲れて幻聴が聞こえていたのだと自分に言い聞かせた。

その日はそのまま次の日の準備をして寝た。




***次の日***


 休日なのだが、彼女は今週の土日は仕事の大詰めのようで、遊べないとのことだった。

 自分も仕事関係の資料を見直すことにした。

 最初は頑張ってみたものの、途中から夢うつつになってしまい、最後には寝てしまった。




「ん……、今何時だ?」


 壁時計をみると、おやつの時間を指していた。


「うわぁ、せっかくの休日を寝てしまった。もったいない」


 お昼を食べていなかったので、頭がぼーっとするが、昼ごはんを作るためにキッチンへ向かう。


「なんだ?あれ?」


 廊下になにか落ちている。人形の頭のようだった。


「あ~、昔きまぐれで買った人形か」


 そんなことを考えて、人形の頭を拾おうとする。


「あら?」


 虚しく、拾おうとした手は空振りした。


「今、たしかにあったよな?」


 しかし、寝ぼけまなこ)だったこともあり、ゴミか何かと勘違いしたのだろうと思うことにした。少し前にも同じようなことがあったのが少し気になったが、それ以上は何も思いつかなかった。




***次の日***


 泰介は、前日できなかった資料の見直しを終わらせ、昼飯を作る為にキッチンにいた。

 今はミートスパゲッティを作っている。レトルトではなく、ソースの自分で作る。


「さて、次はトマトをここに加えて……ってうわ、トマトジュース少しこぼ)れてる」


 先ほど加えた時にこぼ)れたのだろう、まな板に赤い液体が数滴あった。

 よくあることなので、布巾で拭き取って、料理を続けた。




***次の日***


 家に帰り、読書をしていると、家の電話が鳴った。

 泰介は最初読書に夢中で電話に気がつかなかった。

 ガチャっという、誰かが電話を取った音で気がついた。


「あれ?今電話鳴ってた?でも、誰かが取ったような音が」


 気になったので、電話のを見に行くと何も異常はなかった。


「なんか最近おかしいな。誰かがいるような……」


 部屋を見て回り、誰もいないことを確認し、鍵なども確認したが、特に異常はなかった。


「ふむ、異常なしか」


 それ以上考えるのをやめ、読書にふけ)った。




***次の日***


 朝早く目が覚めてしまい、いつもより早く出勤した。


「今日は最初にレポートを書き始めて……!?」


 誰もいない研究室で今日の段取りを考えていると、不意に誰かが隣を通った気がした。

 左右を見渡しても、掃除のおばちゃんくらいしか見当たらない。


「なんだ今の感覚、耳元でなにかささや)かれたような気もしたが」


 そのとき、次々と出勤してきた人たちが入ってきて、仕事を始めた。

 自分も余計なことを考えずに仕事を始めることにした。


 一体なんなのだろう――――


***次の日***


 部屋に泰介はいなかったが、隣の人が泰介の部屋の前にいた。名前は、菊池祐也。

 祐也は泰助の部屋のインターホンを押す。 


 ピンポーン


 反応なし。


 ピンポーン


 反応なし。


「ちっ、居留守かよ。おい、いるのは分かってんだ。出てきたらどうなんだ!」


 祐也は先程まで音楽を聞いていたが、突然隣の部屋から喧嘩をしていたのか、大声が聞こえた。

 少しなら我慢しようと思ったが、1時間と続けられては迷惑だ。そこで、直接クレームをいいに来たのだ。


「なんなんだよ、急に物音一つ立てなくなりやがって」


 その後も何度かインターホンを押すも全く反応なし。静かになったというとで、腹は立つものの、へyに帰った。




***次の日***


 夜、家に帰って、着替えをしていると、何かが落下した音がした。

 何事かと思ってバルコニーに向かった

 音源を探すと、ちょうど真下に赤い水溜まりが出来ていた。

 人のようなものも見える。


 急いで警察に電話した。しかし、警察が駆けつけるとそこにはなにもなかった。

 必死で説明するものの、その落下したものも、水たまりも跡形もなくなくなっていた。


***次の週***


「かえったぞ~」

 

 泰助は酔っていた。あのあと警察に怒らた。そのことを同僚に話すと、そんなこと酒を飲んで忘れてしまえと飲みに誘われ、普段の鬱憤もあり、かなりの量の酒を飲んでいた。


「喉渇いたなぁ~」


 千鳥足でキッチンへ向かう。


「おっと、その前に着替えなきゃ~な」


 先に着替えをすることにし、クローゼットへ向かう。


 がっ、バサバサバサバサっ

 

 本棚につま)づいて、本を散乱させてしまった。


「あ~、やってしまった。まぁ、あとで片付けよう」


 着替えも終わり、キッチンへ向かった。


 ジャーーー


 水を一杯飲んだところで、明後日彼女が来ることを思い出し本棚だけでも片付けようと本棚へ向かう。


 ジャーーー


 本棚を片付けたところで少し酔も覚めてきた。

 

「あ~、水出しっぱなしだ」


 水が出しっぱなしになったのに気がつき、水道を閉める。

 そして、そのまま寝てしまった。




***次の日***


 朝から部屋の掃除を行う。幸い二日酔いにならずに済んだ。

 フローリングは全て掃除機をかけ、畳の部屋は濡れた新聞紙を固く絞り、ほうきで掃く。そうすることで畳を傷めずに済む。


 掃除を続けていると、


「あっ」


 ほうきを人形に当ててしまい、落としてしまった。頭が取れてしまった。


「あれ?どこいった?」


 しばらく探すと廊下で発見した。


「これでよし」


 人形を元の場所に戻し、掃除を続けた。





***次の日***


 彼女が遊びに来た。久々に2人でゲームをした。この何でもない時間が一番楽しい。

 お昼ご飯を一緒に作った。


「痛っ」

「大丈夫?」

 

 彼女が指を包丁で切ってしまった。血が少しまな板についてしまっている。

 絆創膏を貼ってあげて、血を拭き取り、料理を再開した。


 帰り際、彼女がなにか言いたそうにしていたけど、結局なにもいわず、普通に見送りをした。




***次の日***

 

 夜、夕御飯を作っていると、電話が掛かってきた。

 電話番号をみると公衆電話のようだった。電話に出るか迷ったが、出てみた。

 

「はい、もしもし」

「……」

「もしもし?」


 ブツっ


 切られてしまった。


「なんだったんだ?」




***次の日***


 朝、出勤するため、駅で電車待ちをしていた。 

 スマホでニュースサイトを見ながら時間を潰す。


(あの議員の話、まだ話題になってるのか)


 他にも色々とニュースを見て回る。


「次はお前の番」


 耳元で囁かれた。


「え?」


 横を男の人が通っていく。


「お、おい。止まれ」


 忠告を無視して、男は歩みを進める。


 そして


 グチャ、メキメキッ


 キーーーーー


 目の前で人が肉塊になった。

 甲高い金属音とともに電車が止まる。


 目の前で起こったことにどうしていいのかわからず、とりあえず、振替輸送で会社に向かう。

 その電車の中で「同じようなことをちょうど1週間前に体験している」ことを思い出す。




***次の日***


 今日は祝日で彼女がまた遊びに来てくれたのだが……


 絶賛喧嘩中。

 彼女の方から突然分かれてくれと言ってきた。さすがに訳がわからないので、理由を聞いたところ


「あなたが悪い、悪い、悪い」


 としか言ってくれなかった。

 冷静になれよ、と言ったが、なお一層癇癪を起こす一方だった。


「なら、こっちにも考えがある」


 とだけ言って、出て行ってしまった。

 彼女はどう見ても正常ではなかった。目が逝っていた。




***次の日***


 バルコニーでタバコを吹かしている。

 

「なんだったんだいきなり」


 あのあと、彼女と連絡が取れなかった。




<終わり>




※ここからは、私の体験談を少し書こうと思います。


 小さい頃、ロボコンという昔やっていた特撮ものの、赤いロボットのおもちゃを買ってもらった。

 小さい頃はそれでとてもよく遊んだ。


 胸を開けるとボタンがいくつか付いており、ボタンを押すと音共に液晶にエンジンが表示されたり、簡単なゲームができた。


 さすがに大きくなると遊ばなくなり、2階の誰も使っていない畳の部屋に放置していた。


 あるとき、2階に上がると、なんだか音が聞こえる。なんだろうと思い、見てみるとロボコンから音が出ていた。

 胸を開けてみると液晶にエンジンが表示されていた。とっくに電池が切れていたと思っていたのに不思議だった。

 もうおもちゃで遊ぶような年ではないので、ロボコンを元の場所に戻し、1階へ戻った。


 気にしなくなっていたが、あるとき、音がなっていない時にロボコンをいじってみた。

 電池は当たり前のようになくなっていて、動かなかった。


 しかし、それからも時々音が鳴ることがあった。


 現在、そのロボコンはいつの間にかなくなっていて、誰が処分したのかわからない。


 本当になんだったのでしょうか。



 



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