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本の時間  作者: 紅葉狩り
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第二章 成り行きと王道

もやもやした気持ちのままで数日がすぎて、ついに土曜日になってしまった。

「何で僕はここにいるのだろう?」と、呟いていると國正がやってきた。

「やっほーまった?って時間どうりかいやはや間違い間違い。」

「妙にハイテンションだね。そんなにうれしい?」

國正は驚いた顔をして、

「何言ってんのデートだよデート、私の初デート何だよ。楽しまなくっちゃ今後の人生を左右するんだからさ。」

僕はその言葉に冷や汗を垂らしながら、 「いやまあ、君がそうゆうならそうだろうけどさ、君を楽しませる自信がないな。かなりのインドア派だし僕。」

そういってデートを回避しようとしたが、

「大丈夫だよ、私がデートプラン考えてきたから。」

「いやいや、それじゃ意味ないでしょ。」

そういって僕は頭を掻きながら、

「仕方ない、王道だと思うけど初めに映画でも見に行きますか?」 國正は少し笑いながら、

「そうだね、王道だけど何見に行く、邦画それとも洋画じゃなかったら君が好きそうなアニメとか?」

僕はツッコミの衝動を抑えて冷静に、

「それじゃ映画館に行ってから考えましょう。」

「ちょっとちゃんとツッコミでよ。」

「安いボケにはツッコミはいりません。ほら行きますよ。」

僕はそういって歩き出した。

「ちょっと放置プレイはやめてよね。」

國正はそういいながら僕の後ろから腕を組んできた。

「あのちょっと何するんですか。」

國正は何を言っていると言う顔で

「デートって普通腕を組むでしょ。いろんな本に書いてあったよ。」

僕は普段彼女がどんな本を読んでいるか想像出来た。

僕は映画館にむかって歩きながら、

「あのやっぱり離れませんか、学校の人間に見られたらまずいですし。」

「大丈夫、大丈夫、もうすでに見つかってるし。」

僕はその言葉に耳を疑いながら、

「それってまずいですよ。変な噂がたっちゃいますよ。」

「噂は噂気にしない気にしない。噂なんて七十五日すぐになくなるよ。それに私が無理やり誘われたと言えばいいんだし。」

「なあるほどそういえば僕が悪者ってなんでやねん!」

僕はおもわずツッコミを入れてしまった。 國正は驚いて、

「うお、初めて聞いたなんでやねん。あ、映画館についたよ。」

僕は溜め息をついて財布を取り出し、

「じゃ大人二人で。」

「あ、いいよ私が出すから。私が無理やり誘ったんだから。」

「デートの時は男が払うの常識でしょ、君の読んでいると思う本には書いて無かった?」 國正は少し笑いながら、

「そのとうり、デートでは男性が料金を支払うのだ。」

僕は少し笑いながら、

「とは言っても、僕が払うんですから僕が見たい映画を見ることになりますよ。」

「仕方ない、まあいいでしょう。で、何みるのよ?」

「それはこちら。」

僕は映画館の看板さした。ある漫画を原作にした映画だった。

「漫画は面白かったから映画はどうかと思って。」 國正は唸りながら、 「うーん、まあいいけどさ、大体の漫画を原作にした実写って原作とイメージがかけ離れているよね。」

僕はお金を払いながら、

「CMでも原作とは違うと言っていましたから。それに・・・」

「それに?」

館内に入りながら僕は疑問に答える。

「原作どうりだとかなりやばいことになりますからね。たとえば、東京大・・」

「もういいからさっと見よ。」

その後僕らはマックに移動して間食を取ることにした。

「映画も見たし次何処行く?」

國正は笑顔でいってきたため、僕は、

「僕の家にいって本を借りて帰るんじゃ無かったんですか?」

國正は思い出したように、

「そうだったそうだった、本を借りる約束したんだった。デートを満喫するのに必死だった。」

すっかり本来の目的を忘れた國正を諭しながら、

「あのね、君が本を借りたいといって何故かデートにすりかわっていますし、結局何が目的だったんですか?」 國正は少し上目使いで、

「それはね。」

「それは・・・」

僕はその上目使いにドキッとしながら聞き耳をたてると

「本を借りた帰り際に話すよ。」 僕はその言葉にズルっとしたがきをとりなおして、

「それでは僕の家に行きましょうか。」

「そうだね。何だかんだ言っているうちに結構時間たったし。」

マックから約三十分の間僕らは本について話ていた。

「だからですね、電撃のBは悪魔を呼び出して不老不死になってんです。・・・」

「富士見の鋼鉄のなんとかとか・・・」

そうしているうちに家に着いた。

「ここが僕の家です。」

「結構大きい家だね。家族はいまいるの?」 國正が尋ねた。

「大抵は夜遅くて家にはいません。」

國正は残念そうだった。

僕は國正を家に招き入れるとそこには母親がいた。

「あら、彼女なんか連れてきてませたわね。」

母親のセクハラまがい言葉にも國正は

「まだ付き合ってませんよ。」

「て、言うことはそのきはあるのね。」

僕は頭痛がしてきたが

「もういいだろ?本を借りにきただけなんだからさ。」

そういって僕は彼女の手をとり部屋に入った。

「すみません変な母親で。」

僕が謝罪すると彼女は

「別にいいよ。本棚の中から好きなの選んでいいの。」

「はいいいですよ。」 その後國正は約五十冊もの本をかりていった。

帰り際に國正は

「こんなに貸してもらってありがとう。」

「いえいえ、どういたしまして。あ、そういえばマックでいった問いのこたえは?」

僕がきくと國正は僕の顔を両手で持って目を合わせた。

「あねなにを?」

「デートのお礼と答え。」

そう言うと國正は僕にキスをした。その行動に頭が真っ白になった。

「じゃあね、直哉君。それと、私のこと恭子って呼んでね。じゃ、また学校で。あとそれ私の初キスだからね。私初キスは好きな人にあげると決めてたの。」

僕こと高木直哉は手も振ることもできずにいた。初キスの味もかみ締める余裕もなく一日が終了した。

「あれは告白だったのか?」

そうつぶやくのが限界だった。

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