第一章 大胆不敵
その日の夜、僕は半ば騙されたかんじ?で本を借す約束をしてしまったため、自分の部屋の本棚の前で國正に貸すための本を探し悩んでいた。
「て、言うかあいつの好み聞いてくるの忘れてた。何貸せばいいんだ。ライトノベル読んでいるといってたけど王道でいいか。」
僕は富士見書房のFPを取り出し、
「これの短編と本編を渡しとけばいいか。」と軽い気持ちで決めてしまった。
次の日の昼休み僕は國正に会いにいき選んだ本を渡した。
「これでいいかい。王道かもしれないけど、一応短編も、持ってきたけど。」
「あらま、本当王道ね。ま、いいか。好みもいって無かったし、ありがと。」
僕は少しむかっとして
「何だよ、せっかく選んだのにさ。読んでいたなら返してくれよ。」
「いやね〜本編は読んだことあるんだけどね短編てさ、結構くだらないじゃないこれはどうなの?」
僕は頭を傾けて、
「これだけは何ともいえないなあ?じあ短編だけ貸してあげるよ。」
しかし、彼女は疑問符を浮かべて、
「本編と一緒に読まないと短編わからなくならないの?大丈夫?」
「大丈夫だよ、ほとんど関係ないから。あ、そろそろ昼休み終わるね。それじゃ読み終わったら返しに来てよ。」
「わかった。それじゃね。」 そういって短編だけ貸して僕は教室に帰ると重要なことを忘れていた。
「やば、國正の好み聞くの忘れてた。まあいいか、返してもらいに行った時に聞いとけば。」
それから約三日後の昼休み彼女が僕の教室にやってきた。
「あ、これありがとう。」
「どういたしまして。それにしても早かったね。結構量あったのに、読むの早いの?」
「せれほどでもないよ。ただ勉強時間削っただけだから。」
僕はその言葉に口をおおきくあけ、
「ちょっと待ってよ。じゃあ僕は君の勉強の邪魔したことになるじゃないか!」
そんな僕の言葉に彼女は笑って
「大丈夫だよ。私普段まじめだし、大抵のテストは一夜漬け」 その言葉に再度衝撃を受け
「じゃあ今までの成績は一夜漬けでとったと言うのか、僕は毎日必死に勉強してるというのに。」
「まあまあそう怒らないの。世の中にはいろんな人がたくさんいるんだからさ。」
と彼女が言ったので、おもわず王道のツッコミを入れてしまった。
「お前が言うな!」
「あ、王道だ。」
と彼女が悪びれもせずにいってきた。
「あ、そうそう次貸してくれる本持ってきた。」
國正は前のやり取りなどどこふくかぜの勢いで切りだしてきた。
「一応君の好みを聞いてからにしようと思ってね。でなにがいいの。SF、ファンタジー、恋愛それとも学園物。」「そんなこと考えたこと無かったな。じゃあスニーカー文庫のHでいいよ。」
僕は少し呆れて、
「いいよってね、いい加減な。それじゃ好みが分からないよ。」
國正はあっけらかんと
「じゃあ、私が君の家にいって私が好きなの選べばいいじゃん。」 僕は口をおおきくあけ、
「君ね、いっている意味分かって言ってるのか。」
それでも國正は
「何か問題あるの?ただ君の家行くだけなのに。」
さらに頭を抱え、
「何でことの重大さが分からないのかな。」 「じゃあ、デートしよ。その帰り際に本借りて帰るね。そうしよ、そうしよ。そうゆうことで、土曜日空けといてね。」
僕に反論する暇を与えず去っていった。 「あのちょっとな待ってよ。おうい。」
勝手にデートの約束を結ばれた僕はしばらく呆然としていた。