プロローグ
「ねえ、ねえ何読んでるの?」
僕が昼休みにいつものように一人で本を読んでるのと、声をかけてきたのは隣りのクラスの國正だった。
僕は一瞬訳がわからない顔をして
「な、何だよいきなり」
と、うろたえると、
「何、定番なセリフ言ってんのよ。」
僕は一瞬むかっとして
「仕方ないだろうが、君とは初めて話すのだからさ。て、言うか人が読書してんだからさ、声かけないでくないかな。」 彼女は手を縦に振り笑いながら、
「いいじゃん、いいじゃん減るもんじゃないんだしさ。」
「その言葉もべたですよ。」
彼女は顔を膨らませ
「何冷静につっこんでんのよ。て、言うか私はあんたが読んでる本が何か聞いているのよ。」
僕は溜め息をついて、
「単なるライトノベルですよ。もういいですか。続きが読みたいんですがね。」
と、憮然と言うと彼女は
「まあ、まあそう言わないでさ、私もおなじようなもの読んでるのよ。」
僕は少し驚いて彼女を見て、
「國正、君がかい。」
「何よ、その態度とその言葉遣い。まるでどこかの嫌味キャラじゃない。」
「まるでじゃないんだけどかね。ま、いいさちなみに僕が読んでいた本はFQと言う僕が小学校から読んでいた本だよ。それでいいかい。」
「何か態度悪いわね。だからいつも一人になるのよ。誰かと遊ぼうと思わないの。」
僕は怪訝な顔をして
「何、親みたいなこといっどよ。別にいいだろが一人が好きなんだからさ。」
すると彼女は顔を近付けてきて、
「嘘をつくな、嘘を。バレバレなのよ。」僕は慌てふためき
「な、何するんだよ。いきなり。」
「何慌てんの、かわいい。」
「かわいいってね君。普通するかなそんなこと。」
「いいじゃん、減るもんじゃないんだしさ。」
「いやいや、そのセリフは普通男子が言うもんじゃないの。」
「あら、君は男女差別するの?」
「そういう訳じゃないけどさ。て、言うか何で僕に話かけてきたんだよ。今まで話かけてこなかったのにさ。」 彼女は少しはにかみながら、
「それは、ね。」
「それは・・・」
僕はかなり期待して顔を近付けると
「私もその本をずっと読んでいたのよ。」
僕はずっこけた。
「そりゃそうだよな。本ね、本。何なら他の本を貸してあけわようか?」
彼女は笑顔で
「やっぱり君に話かけて良かった。本読むの好きなんだけど、お金が無くてね。図書館に借りにいっても種類もないし、面白いのが無かったのよ。」
「つまり、君は本のために声をかけてきたのか。」
と、つっこんでやると彼女は少し舌を出して、
「ごめんね。」
と、いった。
僕は溜め息をついたが、彼女に本を借す約束をした。
ここから、彼女との交流が始まった。