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わたしをブルーに染め上げて  作者: かつをどり
第6章 ふたりぼっちステージ
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ふたりぼっちステージ 第6話

 アイスコーヒーを飲み干してクッキーを受け取り、これ以上何か食べさせるか買わせるかされてはたまらないので早々にメイド喫茶を後にした。


 どこへ行こうかを考えながら前を歩く叉音ちゃんの後頭部で揺れる短いポニーテールを見ていたら、ふと夏休みに誘われていったお祭りを思い出した。


「響、何する?」


 叉音ちゃんの質問で立ち止まり、廊下の壁にもたれながらそういえばあのときは何をしたっけな? と三ヶ月前の記憶を呼び起こす。


 射的は前のお祭りで楽しかったし中庭にあったからやってもいいかな、あとなんかイベント系を見たい。

 いつまでも廊下の端っこで悩んでいてもしかたがないから、ポケットから学祭のしおり取り出してパラパラとめくってなにかめぼしいものが無いかと目を通してみる。


「射的と吹奏楽部のコンサートが気になるかな、叉音ちゃんは?」

「響が行きたいところでいいよ」

「そっか……あっ、そうそう海玲ちゃんがバレー部の手伝いしてるからそこも行かないと」


 さっきの別れ際と朝にも言われてたんだ、危うく忘れるところだった。


 しおりによればバレー部の出し物は「ビーズアクセサリー」とのことで自分で手作りもできるらしい、思い出作りにはいいかもしれない。




 射的は今年二回目でコツと掴んだのかはたまた夏祭りの屋台では何か”種と仕掛け”があったのかふたりでチョコレート菓子をいくつか獲得し、体育館に着いた頃にちょうど始まっていた吹奏楽のコンサートで陽葵に押し売りされたクッキーと一緒食べながら見物させてもらった。


 ポップスが多かったおかげで思ったよりも楽しめて最後まで聴いていしまったせいで結構時間を使ってしまい、ちょっと急ぎ気味に向かったバレー部のビーズアクセサリーは二年生の教室でやっているせいで何の問題も無いはずなのに若干緊張しながら中の様子をうかがう。


「海玲ちゃーん…」


 目に付いたバレー部員が先輩たちばっかりだったから遠慮がちに美玲ちゃんの名前を呼んだら、バネで星がくっついたカチューシャを頭に付けて、びょんびょんと動かしながら小走りでこっちに来てくれた。


「来てくれたんだー」


 声も表情も楽しそうで、海玲ちゃんはマジメで優等生なイメージだったからこんな風に楽しんでいるのは予想外で少しびっくりした。


「それ、どうしたの?」

「陽葵が輪投げで取ったみたい、付けてられちゃった」

「そっか…だろうね」


 海玲ちゃんの性格からして自主的に付けているとは思えなかったのでそんなことだろうと思ったんだけど、恥ずかしそうでありながらまんざらでもなさそうでなんだか微笑ましかった。


 そして照れくさそうに頭を掻く手、その手首にビーズで作った花があしらわれたブレスレットが巻かれていた。


「ビーズアクセサリーってそういうの?」

「作ってもらうのはもっと簡単なのだけど、結構いいかんじにできるよ」


 この”いいかんじ”というのがどういう感じなのかは分からないけど、まあ海玲ちゃんが言うならそうなのだろう。

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