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わたしをブルーに染め上げて  作者: かつをどり
第5章 祭りの前が一番楽しい!
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祭りの前が一番楽しい! 第4話

 雨空と冷たい電灯の明かりのせいで放課後の校内は灰色に塗りつぶされたような陰気臭い景色なものの、学祭準備に励む生徒達が醸し出す”お祭り気分”のおかげでどこか熱気を帯びたような雰囲気に包まれていた。


わたしはその校内の片隅、正確には体育館外の自動販売機横のベンチに座り、一人でギターの練習していた。


 いつもは公園のベンチだったり適当な段差に座って練習をしていたのだけど、今日はこんな天気なのでなるべく目立たない場所を選んだ。

 だけど、準備で残っているであろう人々が多いようで隣の自販機で買い物をされ、覗き見もされて視線を感じるからあまり集中できずにいた。


 そんな中で視界の端にこっちに向かってくる人影が見え、首を振ってそちらを注視してみると叉音ちゃんだった。


「こんなところで練習してたんだ」


 ぽつりとつぶやくと自動販売機でアイスココアを買い、わたしの横に座って少しずつ飲み始めた。


「いつもは公園なんだけど雨だからね…そういえば叉音ちゃんもまだいたんだ」


 家が逆方向だから一緒に帰ったことはほとんど無いけど、なんとなく学校が終わるとさっさと帰るイメージがあったからまだ残ってるのが意外だった。


「学祭の準備手伝ってた。そろそろ帰ろうかと思ってたけど」

「そうだったんだ」


 叉音ちゃんはちゃんと手伝ってて偉いなぁ。


「いやぁ…わたしサボってるんだよね」

「私もあんまり手伝えてないけど、響は一回も手伝って無いんだよね? 山口さん

が言ってたよ」


 山口…って陽葵か。


「叉音ちゃんって陽葵と話したりするんだ」

「他の子と話してるのを聞いただけ」


 たっく、こうやって人のウワサって広がるだなぁ……いや、手伝わないわたしが悪いしギター弾く事を言ってないのはありがたいんだけどさ。


「あと、私はメイドやりたくないから手伝ってるし」

「えっ、ちょっとまって!? 手伝わないとメイドやらされるの?」

「そういうわけじゃないけど、響は全然来ないからやらせるって話になってるよ」


 陽葵め「みんな気にしてない」なんて言ってたけど面白がって嘘をついてたな……まあいいか、着てみたいとは思ってたし。


「あれ、それだと叉音ちゃんはやらないの? メイド」

「うん」

「えー、叉音ちゃんのメイド服見たいんだけど!」

「そんなこと言われても……」


 叉音ちゃん、結構似合うと思うんだけどなぁ……


「えっと……私、帰るけど響はどうする?」


 わたしの恨みがましい視線に耐えられなくなったのか話題を逸らされた。

 まあ確かに雨のせいでいつもよりも暗くってきていたし、そろそろ帰ってもいいかな。


「そうだね、わたしも帰るよ」


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