二
この話は期の第話です。まだ前の話を読んでいない方は先にお読みください。
前の話の終わりとこの話の始めは続けて読むことをおすすめします。
もしかしたら関西弁が入っているかもしれません。ご指摘いただけると幸いです。
by霧崎刀
今は14時45分。まだ時間はある。
刹那「どうするべきか…」
俺は入学すべきかそれとも諦めるべきか悩んでいた。
刹那「けどどうせ入学してもやめるかもな…」
そこで俺は思った。
今の世界の政治ではとても優秀なAランクの人がSランクばっかりの政治界に入った例がある。
つまりDランクでも優秀であれば上のランクのように扱われるかもしれないと。
刹那「俺でもなれるのか…?上のランクに。」
すると突然後ろから声が聞こえた。
永遠「なれるよ。Sランクに。」
その声は永遠の声だった。
刹那「なれるのか…?」
永遠「刹那は水戸瑞樹って知ってる?」
刹那「そりゃあ知ってるよ。あの「雷電の瑞樹」だろ?Aランクで政治に入っていった強い人。」
永遠「その人はとても努力したんだって。」
刹那「そうなんだね。」
永遠「つまりはそういうことだよ。」
刹那「ほんとにどういうこと?」
そして理解する前に永遠は去ってしまった。
刹那「まあとにかく頑張れってことか?まあせっかくだしあと(午後)6時まで4時間はあるし訓練しようかな。」
そして俺は能力の訓練ではなくひたすらシャトルランをすることにした。
刹那「これはやっぱり昔を思い出だすな…」
それは俺たちの友達関係が変わる前…中学卒業前の話。
俺はその時中学3年で、この世界では中学卒業の年にランクが判明する。
俺は学校の中で体育なんかいつも学年トップで、運動神経もよかった…だから俺はクラスの中でいつもみんなの中心だった。
けれど…ランクが出されてからクラスは一変した。
クラスではS,Aランクの奴が中心になって俺はみんなにいじめを受けるようになった。でもなぜか永遠はランクが出されても俺への反応は変わらなかった。
なぜか永遠は今まで通り接してくれた。
永遠はSランクで俺はDランク。一番上と一番下なのに永遠は変わらなかった。
そして体育もつらくなった。特にシャトルランは。
今までは俺が一位だったのにみんなの体力が増え、俺を抜かしていった。
たったランクの差があるだけで。
しかもクラスにDランクは俺しかいなかった。
だから余計にだろう。
そしてそんなことを思い出していると、もうそろそろきつくなってきた。
刹那「もう無理…!120回か…」
記録は120回だった。普通ならばよい評価をもらえるはずが、周りはそれ以上だ。
刹那「一日一回これやれば体力はつくかな…」
刹那「でもこれじゃ足りない…これじゃ高ランクに追いつけない…」
そして俺はもう一回疲れた状態でシャトルランを走った。
結局記録は60回で終わった。
刹那「足りない…別の訓練をしよう…」
それから俺は訓練を6時まで続けた。
刹那「もう夜ご飯か…」
そして永遠のもとへ急いだ。
永遠「まだ訓練してたの?体壊さないでね。」
刹那「大丈夫だよ。もう今日は訓練しないし。」
永遠「まあ執事が食事用意してくれてるから。」
刹那「感謝しなきゃね。」
永遠「今日は2人で食べない?久しぶりに。」
刹那「まあいいよ。最近訓練ばっかだったし。」
永遠「今日は春の食べ物使ってるからね。」
刹那「タケノコ?」
永遠「よくわかったね!」
刹那「永遠もタケノコ好きでしょ?」
永遠「まあ毎年だもんね」
そして食堂に向かうとそこにはやはりタケノコの炊きこみご飯とカレイの煮つけがあった。
刹那「いただきます。」
永遠「いただきます。」
そして食べ終わると永遠はこういった。
永遠「ちょっと皿洗いしといてくれない?ちょっとしなきゃいけないことがあって。」
刹那「別にいいよ。」
そして俺は皿洗いをしていると、永遠の執事さんが手伝いに来てくれた。
執事「刹那さん。手伝いますよ。」
刹那「すみません。お願いします。」
そして皿洗いを終え、お皿を棚に戻したところで永遠が戻ってきた。
永遠「ごめんね。やらせちゃって。」
刹那「住まわせてもらってるんだから当然だよ。」
永遠「高校入るか決めてね。あと6日だから。」
刹那「分かってるよ。」
そして今日は早めに寝ることにした。