十
この話は第10話です。まだ前の話を読んでいない方は先にお読みください。
前の話の終わりとこの話の始めは続けて読むことをおすすめします。
もしかしたら関西弁が入っているかもしれません。ご指摘いただけると幸いです。
by霧崎刀
刹那「あの…すみません。レイって人について少し聞いてもいいですか?」
生徒A「レイを知ってるんですか!」
刹那「いや。レイって人を知らなくって。」
生徒B「レイっていうのはね…世界で一番と言っても過言ではないほどのSランク能力者で、銃火器のレイっていうんだよ。」
刹那「能力は何か判明してるんですか?」
生徒A「能力は、名前はわかってないけれど、なんか一説によると金属を自由に操れるとか!」
刹那「そうなんですね…そういえばお二人の名前は?」
生徒A→甲斐野「甲斐野牧。甲斐野が名字ね。」
生徒B→橋本「僕は橋本澪。よろしくね。」
刹那「俺は刹那って言います。よろしくお願いします。」
甲斐野「もしかしてだけどさ、澪のこと女だと思ってるでしょ!」
刹那「なんでそれを…?男の方でしたか…?」
橋本「牧!あんまり簡単に人に言わないで言ったでしょ⁉」
甲斐野「ごめんね!この人は大丈夫だと思って…!」
橋本「まああんたが言うってことはきっと大丈夫なんでしょうけど…」
刹那「忘れた方がいいですか…?」
橋本「周りに言わなければ大丈夫。本当にお願い!」
刹那「そりゃあ守りますよ。秘密にしときますね。」
甲斐野「ほら言ったじゃん。大丈夫だって!」
橋本「牧はすぐに人を信用しすぎね。」
刹那「それではまた。」
甲斐野「また逢えたら。」
そして俺は話を終え、探索に戻った。
俺は一度体育館に向かった。
やはり体育館はとても広く、異常だ。
刹那「誰かいませんか…!」
俺は広い体育館に声をかけたが、むなしくなるだけだった。
刹那[戻るか…]
そして俺が戻ろうとしたとき、どこかから話しかけられた。
???K「君は今日の2時間目、格上を相手にして難なく戦ってたね。しかも殺しまでした。君には才能があるよ。確実に。Sランクの俺が言うんだから間違いない。」
俺は声がした舞台のほうを向くと、一人、人が立っていた。
刹那「あなたは…?」
???K→霧雨「俺の名前は霧雨縁也。Sランククラスの能力者だよ。」
刹那「俺が殺したことを何で知ってるんですか?」
霧雨「Sランクぐらいになるとね、そういうところまで観察しているもんなんだよ。西館はグラウンドがよく見える。」
刹那「あんたは何の目的で来たんですか?」
霧雨「一つだけ質問をしにね。」
刹那「質問はなんですか?」
霧雨「お前。Dランククラスにいて良い人ではない。最低でもBランクは超えるね。」
刹那「それで質問は?」
霧雨「だから…なんでクラスを上げないんだ?」
刹那「まだ俺は初日ですよ?」
霧雨「去年いなかった?」
刹那「え…いませんでしたけど…」
霧雨「だからDランククラスなのか!ごめん勘違いしてた。」
刹那[これはわざとなのか、はたまたただ単にどこか抜けてるだけなのか…]
霧雨「聞きたかったことはそれだけだよ。で…一回戦闘しない?手加減するからさ。」
刹那[これでSランクの人と戦闘してデータを取れるチャンス!]
刹那「死なない程度にお願いします。」
そして霧雨さんとの戦闘が始まった。
霧雨「でも、能力を使うと手の内を明かすことになっちゃうから能力の使用はやめとくよ。フィジカルだけで相手してあげる。」
刹那「じゃあ俺もそうさせてもらいます。使いたくないので。」
そういった瞬間、背後に素早く回りこまれた。そのまま背中に一発拳を喰らってしまった。
その一撃はとても重く、バットで背中を叩かれたような気分だった。
その後すぐに立ち上がり、正面から殴りに行き、当然のように避けられ、それを分かったうえで相手が避けるほうに蹴りを入れていて、霧雨さんに一発は入ったかと思いきや、霧雨さんは消えた。
霧雨「戦闘はもうストップにしよう。ちょっとだけ本気出しちゃった。でもやっぱり君は絶対訓練してたら強くなれるよ。」
そう言って霧雨さんは去っていった。
刹那「俺は強いのか…?」
俺は疑念を抱きつつ時間が来てしまったので教室に戻った。
千田T「次の時間で最後なので気合を入れていきましょう。次は実践訓練です。クラスメートと勝負してもらいます。」
くじ引きで対戦相手を決めるルールだったのでくじを引くと7と書いてあった。
千田T「同じ数字の人を探して戦闘を行ってください。グラウンドでお願いします。」
そして俺は数字が7の人を探した。
辻「誰か7番の人はいませんか…?」
刹那「辻さんあなたですか…」
辻「天野君か…よろしくね。」
刹那「グラウンドでやりましょうか。」
辻「ですね。」
俺らは2人で戦いにグラウンドに向かった。




