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tea break  作者: 龍門 
9/9

≪ 再会 ≫

最終話。



 月日は流れた。喜央が・・・彼が消えて一年経った。


 生徒会選挙で、新たな生徒会長が生まれ、私の悩みが一つ消えた。

 肩の重荷は、少し軽くなった様な気がする。


 友達も出来た。女友達だ。


 川島凛子。

 ノリで生きている様な、過去の私には苦手なタイプだったけれど、話してみれば私と何も変わらない子だ。


 親友・・・?と言えるまでになっただろうか。新しい悩みだけれど、幸せな悩みだ。


 一緒に笑って、怒って、泣いて、楽しむ。こんなに友達と言うのが良いモノだとは思わなった。


 今では大切な、私が生きる上で欠かせない存在になった。


 今、この世界は冬を迎えている。深々と降る雪が凄く綺麗で、新鮮な気持ちだ。



 貴方の、世界は今どんな季節ですか?







 卒業。


「秀!!」


 後ろから声をかけられる。私の事をこう呼ぶのは凛子だけだ。


「ちょっと、やめてよ!男みたいじゃん」


「ごめんごめん」


 わざとらしく頭を掻く。少し可愛い。


「秀と写真撮ろうと思って!」


 そう言い、制服のポケットから、インスタントカメラを取り出す。


「いつでも会えるでしょ?同じ大学なんだから」


 苦笑しながら言う。


「制服姿の私達はこれで最後でしょ?だから記念に」


 そう言いながら、制服のスカートをパタパタさせる。


「それもそうかな」


 そう私が言うと、凛子は満面の笑みを浮かべ、近くに居た教師の側に行き、写真を撮ってくれと頼んでいる。


 色々あった。けれども、それは貴重な事だったのだろう。

 私が全てに気付いた時、全ては終わっていた。


 気持ちに気付いた時、私の前から姿を消した。


「秀!!」


 手招きしながら私の名前を呼ぶ。


 私も笑みが零れていた。


「だから、男みたいでしょ!」


 駆け出しながら、凛子の方に走り出す。


 私はふと、空を見上げた。


 あ、飛行機雲。


『――――変わらないよ』


 ホントにそうかな。確かめてはみたいけど、貴方がそう言うなら。きっと同じなのだろうな。


「今更現れても・・・知らないからな」


 飛行機雲を見ながら呟く。


 強くは見せているけれど、やっぱりまだ忘れられない。


「ホント・・・私の為に生まれたんじゃないのかよ・・・」


「ちょっと、秀!早く!!」


 向こうで、凛子がぴょんぴょん跳ねながら、手招きしている。


「ごめん!今行く!」


 私は駆け出した。前へ駆け出したのかは分からない。でも、少しぐらい進んでいるだろう。








 大学に入って、半年。


 違う環境は、好きではないけれど凛子が居るだけで、気は楽だ。


「ちょっと、この曲どうかな?」


 凛子が、私にCDのジャケットを見せながら聞く。


「ジャケットだけじゃ分からないよ」


 苦笑交じりに言う。


「じゃー聴いてみ」


 そう言い、ヘッドホンを私に渡す。


 今、私と凛子はCDショップに来ている。

 凛子が、欲しいCDがあると言うから来たのだが、あれもこれもで結局本当に欲しい物はどれかは分からない状態だ。


「ほれ、聴いてみ」


 私は渡されたヘッドホンを耳に当て、流れる音楽を聴く。


 ・・・・あ、良いかも。


 ロックなのだろうけど、静かなロックだ。耳心地が良い。


 喜央も、こう言う音楽好きかな。


 何で喜央が出てくるのか・・・。引きずるなぁ~私。


もう現れても知らない。あんな奴忘れて、違うカッコいい大人っぽい人と付き合って、幸せになろう。


 どんな人が良いかな?

 私より背が高くて、私の気持ちが解ってくれて、よく笑って、空が好きで、食べるのが好きな人も良いな・・・。


 これじゃーまるで・・・。


 でも、私の前から消えてしまうのは嫌だ。もう、あんな思いは。


「あれ・・・」


 涙が・・・何で!もう、泣かないって決めたのに。


 私は目を拭った。


「あっ、この曲良いね?何てバンドかな?」


「さぁ、俺も知らないな」


 私は凄い勢いで、隣を見た。


「咲隼は、ロックが好きなのか?」


 何で・・・。


「でも、俺も嫌いじゃないかな」


 そんな笑顔を見せないでよ。


 駄目だ・・・。涙が溢れてしまう。強気に・・・。


「ふん!アンタの好みは知らないわよ」


「少し、大人っぽくなったな」


「どうも」


「生徒会長気質も抜けたな」


「こんだけ経てばね」


「友達できたみたいだな」


「うん。凄く良い子」


「彼氏はできたか?」


「どっかの馬鹿のお陰でトラウマができちゃってね」


「泣いた?」


「いきなり・・・なんの事?」


「少し、目が赤いよ?」


「花粉症なの」


「この季節に?」


「そうよ」


「ホント、口調変わったな」


「どんな感じに?」


「丸くなった感じ」


「褒めているの?貶しているの?」


「褒めてる」


「どうも」


「怒ってる?」


「何が?」


「消えた事」


「アンタのせいじゃないでしょ」


「そうだけどさ」


「気にしてない」


「ホント?」


「・・・・嘘」


「・・・・泣いた?」


「泣いた」


「どれぐらい?」


「枯れてしまう程」


「枯れたの?」


「一時は」


「最近は?」


「何が?」


「泣いてない?」


「たまに・・・思い出して」


「乙女」


「怒るよ」


「怒ってるんじゃないの?」


「怒ってるよ」


「じゃー怒っても今と変わらないじゃん」


「今以上になる」


「そりゃ、大変だ」


「どこに居たの?」


「どこかは分からない」


「何でここに居るの?」


「呼んだでしょ?」


「何で今なのよ」


「えっ、タイミング間違った?」


「そうじゃない。何で、直ぐに現れてくれなかったの?」


「ごめん」


「謝らないで」


「・・・・ごめん」


「だから・・・謝らないでよ」


「綺麗になったな」


「いきなり何よ!?」


 目が合う。


「アンタはあまり変わってない」


 目線を外す。


「俺さ・・・好きだったんだよ」


「・・・・そう」


「お前の事は知ってたけど、顔は知らなかった」


「顔で選んだの?」


「全部だよ。強さも、弱さも」


「でも、好きだったって事は・・・過去形でしょ?」


「・・・・今でも・・・好きだよ」


「なに恥ずかしいこと真顔で言ってるの?」


「怒ってる?」


「ううん」


「ありがと」


「まだ何も言ってない」


「手・・・」


 そう言い、喜央が下に目線を落とした。私もそれと同時に目線を落とした。


「繋いでる」


 笑顔で、私に言った。


 私は俯いてしまった。


「・・・泣いても・・・良い?」


「後でね」


 笑いながら言う。


「・・・・イジワル」


「ここで泣かれたら大変だから」


「でも・・・また消えるんでしょ?」


 そう私が言うと、握っている手に、力がこもる。


「願ったでしょ?」


「え?」


「消えてしまうのは、嫌だって」


「・・・・じゃー」


 喜央の顔が笑顔になる。


 目線が合わさる。


「ずっと居るよ」


「・・・・やっぱり、泣いて良い?」


「ダメ」


「・・・イジワル」


 温かい。手の温もりは、私の心を解してくれる。


「あの時言うの、忘れていた事がある。いや、気付かなかった事」


「何?」


「・・・・好きだよ。京助」


 私がそう言うと、京助の顔が赤くなる。


「・・・・バカップルみてぇーだ」


 そう言われて、私も顔が赤くなった。


「でも・・・俺もだよ。しゅ、秀里」


「・・・・うん」


 握る手は、温かく、強く、握られている。




 これで安心して、寝れる。もう枕は濡らさなくて良くなった。


 今は、側に居てくれる人が居るから・・・・。


 もう、嫌いと言わなくて良い・・・。


 だから・・・


「・・・大好き・・・だよ」


終わった。疲れた。


さっきミスって、後書きこれ二度目・・・。

ほんとは長文の筈が・・・。中文に・・・


えぇー今回で終りですが、少し路線もかわり、でも心残りはないです。

本当はほのぼのした学園ものの筈が、ファンタジー要素が入ってしまい。

でも、何か良い感じにまとまったと自己満足。


もう少し長くなるはずだったのですが、あまり引っ張ると終わり方が雑になると思い、ここで終わりました。


解決していない事も多々、ありますが。それはご想像に、みたいな感じで読んでくれた方に委ねます。作者本人も想像・・・?妄想・・・?をしています。


最後とか、喋ってばっかりでした。別に手抜きって訳では!!

会話のスピード感が欲しく、あの様な感じに・・。


しかも結構べたな展開で。まぁ~作者本人べたが大好きなので、良いかなっと、自己満足。


終わり方も、この後書きで言ったように、結構悩みました。

でも、やっぱりハッピーエンドかな?と思いそうなりました。これも自己満足です。


えぇー今まで読んでくれた方。ありがとうございました。

また、違う話で会いましょう!!!




・・・・あぁ~同じこと二度書くのは疲れる・・・・。

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