≪ 現実 ≫
少しずつ・・・少しずつ・・・終りが始まる。
混乱・・・何て、簡単に言葉では表せれるモノではなかった。
行けた筈の屋上。
居た筈の少瀬来間月。
けれど・・・。
コンクリートの壁で、閉ざされた屋上。
存在すら消えている瀬来間月。
そして・・・。
『気付いたら、壊れる』
この言葉の意味。
全て、解らないままだ。
屋上に行けなくなって、2週間は経とうとしていた。
学校は変わらず、私にとってはまた元に戻った様な気がしていた。
あれは、夢だったのだろうか?
だが、あまりにもリアルだった。それに・・・
喜央京助はどうなったのか?
それが、凄く気になっていた。
「すまんが、ちょっと良いか?」
この前、喜央の事を聞いた喜央の同級生を呼び止めた。
「どうしたの?会長」
迷っていた。もし、これで喜央京助の存在すら消えていたら・・・。
「あ・・・あのな・・・」
だが、聞かなければ私は何も知る事が出来ない。
「喜央・・・京助の事・・・なんだが」
私が尋ねると、喜央の同級生は、首を傾げた。
・・・はやりか。
「最近見てないけど?」
!?
「えっ?」
思わず聞き返した。
「またどっかで、サボってるんじゃないですか?」
喜央の同級生は、笑いながらそう言った。
消えてない・・・喜央は存在している。
そうか・・・喜央は居るのか・・・。
「ちょっ!会長!?どうしたんですか?」
「えっ?」
泣いていた。涙を流していた。
私は慌てて顔を拭った。
「す、すまない。どうもありがと!」
私はそう言って、その場から離れた。
何故、私は涙を流している。
嬉しかったのか?けれどもどうして?
でも、また会えるって思ってると言う事は、嬉しいのかもしれない。
「最近・・・来てないの?」
隣で、棒付きの飴を舐めながら月が聞いてきた。
「誰の事?」
ワザととぼけた風に言ってみた。けれども今は真面目な話をしている様だったのか、凄い目つきで睨まれてしまった。
「すまん、すまん」
「で?来てないの?」
同じ質問。余程気になるのか。
「来てないよ。この前の睨みが効いたんじゃないのか?」
笑いながら言った。だが、やはり睨まれた。
「まぁ、来てないなら良いのさ」
来てない・・・違うよ、月。
来てないのではなく、来れないんだ。
きっと、誰かに訪ねたのだろう。屋上の事か、お前の事を。
「あんな子が来る場所じゃないからね、ここは」
そう言って月は、空を見上げた。
「そう・・・かもな・・」
多分、あの子は・・・咲隼秀里は俺の事を聞いているだろう。
唯一存在している・・・俺を。
月・・・お前には、まだ知って欲しくないのだが・・・。
「時期は・・・近いのか?」
「何か言ったか?」
月が尋ねてきたが、俺はそれを無視した。
何で、こうなったのだろうか・・・。
いや~なんだろう。路線変更でしょうか?
作者本人少し迷ってます。
ちょっと内容が伝わりづらいでしょうかね。
もう少ししたら解るんですが、その少しが長くなるか短くなるかは不明です。
まぁ~気長にやろうかと・・・
ここまで読んでくれてどうも!次もよろしくです。