≪ 何故 ≫
どうして?なんで?ここは・・・アンタみたいのが来る場所じゃないのに・・・
嫌な夢をみた。具体的には覚えてない。虚ろに、微かに。
夢の内容は簡単なモノだ。
好きなモノを嫌いと言わなければいけなかったのだ。
それは、私にとってとても大事なモノだった。
けれども、それを私は捨てた。泣きながら、叫びながら、自らの手で。
悔いた。夢の中だけれど、悔いた。
その夢を見る度・・・枕はいつも濡れている・・・。
毎度の事ながら、この屋上に繋がる階段が嫌いだ。
薄暗く、反射する音。冷たくて、まるで違う所に居る気分になる。
屋上の、扉のドアノブを捻り、扉を少し開けた。外の光が零れる。
目を細め、扉を全開しようとした時、話し声が聞こえた。
「アンタ、もう不良名乗って授業サボるのやめなよ」
女子の声だ。綺麗な声だと思った。高校生にしては大人びた・・・。
「不良名乗るのが手っ取り早いんだよ。だから許せ」
この声は喜央だろう。
私は微かに開けた扉から、外の様子を覗いた。
喜央はいつも通り、地面に座り菓子パンを食べている。
それと・・・喜央の隣で、立ちながら景色を見ているのが、話し相手か?後ろ姿からでも、大人びた雰囲気がある。
「サボるぐらいなら、学校来なければ良いじゃん」
「俺は、この場所が好きなんだよ」
「はぁ~。授業出なきゃ意味無いじゃん」
そう言いながら、女子が制服のポケットに手を伸ばし、ポケットから何か取りだした。
「あれは・・・・煙草!?」
女子は一本煙草を取り出し、口に咥え火を点けようとした。
「おい!ここは未成年者の喫煙場所じゃねーよ」
そう言い、喜央は立ち上がり、女子から煙草を取り上げる。
「ちょっ!」
女子は、取られた煙草を取り返そうとするが、喜央の顔を見て、諦めた様だ。
「堅物・・・」
ぼそりと、女子が呟く。
「緩い方だよ・・・」
そう言い、喜央は笑った。
「ところで・・・何時までそこに居るの?アンタ」
喜央が叫ぶ。
「誰か居るのか?」
女子が喜央に聞く。
「咲隼秀里!」
バレていた?私はゆっくり扉を開けた。
私の顔を見て、喜央と共に居る女子が、驚いた顔をする。
「盗み聞きか?悪い趣味だな」
ケラケラと、喜央が笑いながら言う。
「ぬっ!盗み聞き何て人聞きの悪い!」
一応言うが、事実だからしょうがないだろう・・・。
「ちょっ!何でここの場所生徒会長が知ってるの!」
女子が、私の事を指差しながら言う。
「最近良く来るよ」
喜央が菓子パンを齧りながら言う。
「京!こんな奴に教えるなんて!」
叫ぶ女子。
それよりも・・・こんな奴とは私の事か?
「教えた訳じゃない。来たんだよ」
「来た?一人で?」
驚いている様だが、私には何で驚いているのか解らなかった。
「ありえない・・・こんな奴が、ここに来れる訳が・・・」
「あの・・・何をさっきから言っている?」
あまりにも疎外されていると、少し寂しくなり、私は尋ねた。
すると、女子が凄い目つきで私を睨む。
「認めない・・・」
そう言い、私の横を通り、扉を開けて屋上から姿を消した。
「あ、あれは?」
喜央に訪ねた。
「しょうがない事だ。気にするな」
菓子パンを齧りながら、喜央がやれやれと言った顔をしている。
「だが、あの目は異常だったぞ?」
「目つきが悪いのは元からだろ?あと、それ本人の前で言うなよ?気にしているみたいだから」
イマイチ状況が掴めていない。
「あの子は?」
とにかく私は、あの女子の名を尋ねた。
「瀬来間月」
せきまつき・・・・。
私は・・・何か地雷でも踏んだのだろうか?
どうも、結構なハイペースで更新している『tea』
でも中々進まず。
でも今回は少し出てきたモノもありますよ。新キャラと共に。
あと、自分で書きながら、前書きがいつも訳が解らない。一応その話の内容をかする様な事を書いてるつもりなのですが、チンプンカンプンでイマイチ本人も。
他の作品が進まない中、この作品は進む。
ここまで読んでくれてどうもです。
次もがんばりますよ。