表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
tea break  作者: 龍門 
1/9

≪ 世界 ≫

少し意味が解らないと思いますが、前フリです。

何かありましたら、どしどし言ってください。

少し・・・違う世界を見たかっただけだ。


別に、ここに来たら何があるか、とか。


そんな事を思ってはいなかった。




「何でアンタ見たいな優秀な人がここに?」


屋上。生ぬるい風が、髪を泳がす。


 私の目の前で、座り込みながら、菓子パンを食べる男子。


「来ては・・・ダメなのか?」


 そう尋ねる。男子は苦笑し、言った。


「ここは生徒立ち入り禁止だぜ?」


「君だって禁止なのに居るではないか?」


 そう言い返したが、男子はまた苦笑し、言った。


「俺は良いんだよ。ただの不良もどきだから。でも、アンタはこの学校の生徒会長だろ?」


 そう言いながら、私を指差した。


「私もこの学校の生徒・・・つまりは君と同じだ」


 何故か意地になった。


「全校生徒の見本となるのが、生徒会長だろ?」


 笑いながら言う・・・。


「そうだが・・・」


 いつもは口では負けない。正論と言う正論を掲げ、相手は圧倒する。


 けれど、今の私に正論を言う資格は無いだろう。


「まぁ、良いけどさ・・・たまにはあるだろ・・・」


「え?」


 聞き返した・・・。


「世界は・・・こんなに広いのだからな・・・」


 そう言い、男子は空を見上げた。


 何故だろう・・・。私は今、凄く感動していた。


「世界・・・」


 呟く。


「そうだ・・・世界だよ。どんな奴からもプレッシャー。気を緩める場所も時間も無く。そして、ふと・・・思う。本当の自分ってなんだろうって」


 見透かされている気がした。私の全てを、この男子は知っているのではないかと・・・。


「何で・・・」


 また呟く。


「アンタの世界は・・・始まった?それとも、終わった?」


 不意に聞かれた。言葉に詰まる。


「私の・・・世界は」


 何て言えば良いのだろう。答えが解らなかった。どう答えても間違えのような気がした。


「そんな焦らなくて良いだろ。俺が答えを知っている訳ではないんだ」


 そう言い、また苦笑する。


「では、何であんな質問を?」


 聞かれてばかりは、何か嫌だった。


「あれは質問じゃないよ」


「え?」


 また空を見た。そして続ける。


「答えの無い質問は質問じゃない。答えが無いと答えれないから。だから、まだ解らなくて良いんじゃないか?」


 何を言っているのか解らなかった。


「意味が良く・・・」


 そう言うと、今度はゆっくりと、微笑んだ。その笑顔で、世界が一変した様な、そんな気がした。


「閉じこもるばっかりは、辛いだろ?」


 何て答えるべきか、最初は悩んだ。けれども、何故か、正直に言っても良い様な気がした。


「多少は・・・」


「じゃ、また来れば良い」


「え?」


 今度はクスクスと笑う。


「な、何だ?」


 眉間に皴が寄っただろう。


「いや、『え?』って何回言ったんだろうって」


 顔が赤くなる。


「まぁ、良いさ。あの完全無欠の生徒会長も、普通の女の子って解ったし」


 馬鹿にされている様な気がした。


「この時間なら俺はいつでも居るよ。あ、でも休みの日は居ないから」


「また来るかどうかなんて・・・」


 また来る。何て素直には言える訳が無い。知りもしない男子に。


「来なくても良いだよ?別に・・・。ここは俺の場所だし」


「学校は全校生徒の物」


「じゃぁ、何で生徒立ち入り禁止とかがある訳?」


「危険だからよ」


「そんなもんかなぁ~」


 何だろう。少し楽に話せる。


「君・・・名前は?」


 尋ねた。


「喜央京助」


 きおう・・きょうすけ。


「私の名前は言わなくても解るだろ?」


 生徒会長ってだけで、名前はそこそこ知られる。


「は?聞いたなら言えよ。アンタの名前は?」


 そう言われ、少し驚いた。何に驚いたか、具体的には解らないが。


「そ、そうだな。私は咲隼秀里だ」


「さきはや・・・しゅうり・・・男みたいだな」


 少し頭にきた。


「別に良いだろ?」


 そう私が言うと、また笑った。


「すまん、すまん。良い名前だな」


「社交辞令か?」


「ん?そう聞こえたか?」


 白々しい・・・。


「まぁ、良い。私は戻る。君も早く戻った方が良い」


「授業中に屋上に来る人に言われたかないね」


 残りの菓子パンを口に頬張り、言った。


「今日だけだ」


 顔が赤くなる。コイツと居ると調子が狂う。


「そっか~。んじゃ。またな」


 そう言って手を振る。振り返そうか少し迷ったが、それはしない事にした。


 私は無言で屋上の扉をくぐり、扉を閉めた。




 違う世界が見たかったのか、ただ逃げたかったのか。それは解らない。


 アイツが・・・喜央京助が言った、『答えが無い質問は質問じゃない』と言う訳ではないが、私の行動に今は、答えを見つけ出す事は出来なった。


 突然が突然起き。


 でも、この時から、少しずつ・・・私の世界は・・・・動いた。


やべ・・・突発的に・・・。

『成功率』も『無敵の』もまだまだなのに・・・『tea』ですか・・・。

やっべ、身が持たない。


でもでも、今回は今までとは違って、読みやすいと思います!

この作品は他のと違う感じにしたいと思い、こんな感じに。

屋上を中心に展開される内容で、殆どの登場人物は、秀里と京助です。

でも他のキャラも登場しますが、けっして多くはありません。


コンセプトは『等身大の中での異常』です。

普通だけれど、少し違うと言った感じを目指してます。


よろしくお願いします・・・。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ