ストレスへの打ち勝ち方
不況だ不景気だ。そういわれ続けてもう何十年過ぎてきたのでしょうか。これだけでも立派なストレスになりますが、人間関係や仕事、学校生活、家庭、いろいろなところで様々なストレスに巻き込まれます。夏の暑さだって、冬の寒さだって、ある意味ではストレスです。
世の中には理不尽なことがたくさんあります。この理不尽には学生も社会人も関係ありません。正直者が馬鹿を見ない世の中。それは理想かもしれないですが、実際まじめで正直な人ほど馬鹿を見てしまう世の中です。
さて、本題に入りますが、ストレスのない生活。それは考えようによってはすごく魅力的で、心の安定を保てる素晴らしい生活だと思います。ただ、私はあえて異を唱えたいです。壊れるようなストレスは絶対にいけませんが、ある程度ぎりぎりのラインまでのストレスは経験したほうがいい。ということです。あえてタイトルは『ストレスとの付き合い方』ではなく、『ストレスへの打ち勝ち方』にしました。
言葉を『ストレス』から『プレッシャー』に変えるとわかりやすくなるでしょうか。ある程度のメンタルの強さを持っていないと、いざというときに踏ん張りがきかなくなります。例えば、仕事なら、ここ一番の場面で絶対に落とせない商談を成功させなければいけない。スポーツなら、この打席で打たなければチームが負けてしまう。学校なら、この入試に合格しなければ志望校には入れない。などなど。
人生には必ず『勝負』する時があります。好きな人に告白するのだって勝負事です。ストレス耐性がないと、この重圧に負けて能力を発揮できなかったり、いつもできていることができなかったり、最悪の場合はメンタルを病んでひきこもることになります。
私の剣道の先生の言葉で、座右の銘にしている言葉があります。
「心技体、これすなわち命なり。」
前にも述べたことがありますが、身体は筋トレしたり、定期的に運動することで強くて丈夫な身体を作ることができます。技術も、毎日きちんと繰り返してやっていけば、年数とともにできるようになっていきます。
しかし、心だけはそうはいきません。自ら試練に立ち向かい、耐え、乗り越えていくことでしか強くすることはできないと考えています。それは必ずしも楽しいことではないと思います。苦しい思い、つらい経験をして少しずつ強くしていくものです。筋トレよりも長い時間が必要だと思います。
この心のトレーニング。社会人をやっていると、何十年もやってこなかったんだろうな。という方にお会いすることもしばしばありまして、買い物先の店員さんや、役所の窓口、郵便局の局員さん。そういった方に理不尽に怒鳴り散らしている年配者を見ると悲しくなります。
「この人はどうしてこんな立派な年齢なのに、自分の子供くらいの年齢の人に向かってそんなに辛辣なことを言えてしまうのだろう。」
前にクレームの実体験をお伝えしましたが、あのご夫婦だってそうです。何をそこまでお怒りになってしまったのか、寄り添って理解しようとしても答えは見つかりませんでした。
私だって人間です。感情を持った生き物です。時には腹の立つこともありますが、キレて怒鳴り散らしたって何も解決しないことはわかっています。時には我慢も必要、そして言うべきことは冷静に話し合って伝える。感情のままに怒鳴り散らすのは、お乳がほしいと泣き叫ぶことしかできない赤子と同じことです。
話がそれましたがストレスとの付き合い方。プラスになるようなストレスはどんどん受けた方がいいです。それが少しずつ心を強くしていってくれます。そして、大きな喪失体験は我慢せずに泣きましょう。これから若いみなさんはたくさんのものを失います。例えば、恋人との別れ、家族との別れ、それ以外にも仕事での失敗や何かしらの試験に落ちたり、マイナスな出来事が必ずあります。それが大きなストレスになって心にのしかかります。
でも、それは避けられないことですから、つらい時は泣き、逃げられるときは逃げていいです。だけれども、『現実から目をそらす』ことをしないでください。結果が出てしまったものは、泣こうが喚こうが目をそらそうが『なかったこと』にはできません。多くの場合、つらい出来事は時間が解決してくれます。そして、時とともに乗り越えられた時、少しだけ心は強くなっています。
今の時代は、大事に大事に過保護に子供を育てます。喧嘩はいけません。困っている人は助けましょう。お友達とはみんな仲良くしましょう。そうやって平和的な教育ばかりしますが、社会に出ると『結果』がすべてです。だまし討ちをしても蹴落としても、『結果』を出したやつが勝ちなんです。矛盾した教育ですよね。子供時代に心を鍛えることをさせなかったから、いざ社会人になってメンタルを壊す方が増えているのではないか。私はそう思うことがあります。
人間は感情の生き物です。そして、多くの場合は楽なことを選んでいきます。それが悪いとは言いませんが、年齢を重ねるにつれ、心の弱さだけは修正が利かないことが多いのです。ダイエットするために目の前のプリン1個を我慢する。試験の為に今週は見たいアニメの1時間を我慢する。そういう小さなストレスを乗り越えることからでもいいので、メンタルトレーニング、ストレストレーニング。やってみてくださいね。30歳40歳以降に差が出るとお伝えしたいです。




