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14.増産?-試しに足してみたまえ-

全44話予定です


曜日に関係なく毎日1話ずつ18:00にアップします(例外あり)

※特に告知していなければ毎日投稿です

 ――増産?


 モロに顔に出ていたのだろう、


「その通り、レイドライバーの増産だ。先ほど見せたパイロット、と呼ぶべきかは不明だが、あの者たちは二名だったな?」


 確かに、研究所で見たのは、二名だ。


 ――二体だけでは、足りない。


「試しに足してみたまえ、いくつになるか。もしあれだけの補充ならこちらの機体数は六、それに機体を失ったパイロットを遊ばせる事になる。対して敵は少なくとも七か八、これでは数が足らん」


 確かにクロイツェルの言うとおりである。しかも実戦経験が余りない点を踏まえると同数でも勝てるかどうか。


「数が足らんのなら作ればよい。それだけの事だ」


 とは言ってもモノはレイドライバーである。そんなホイホイと量産出来るシロモノではないのは明らかだ。


 ――という事は、こちらにも増産計画、しかも大量の増産計画が?


「増産計画があるんですね?」


 クラウディアがそう尋ねると、


「増産もそうだが、装備面で同盟連合に劣っている、と感じている。それは弾道計測であったり回避運動であったりという根幹にかかわる問題だ。ここを改善しなければまたきみの赤恥の上塗りになってしまうからな」


 と言ったあと[すまん、それは言い過ぎだな]と訂正してから、


「なのでこの時間を有効利用しようと思う。連中が返って来るまでにあと三か月、それまでにいろいろと作は練って来たし練っていこうと思う」


 そういうクロイツェルに、


「具体的な話、聞いてもよろしいでしょうか?」


 クラウディアが尋ねる。


「まぁ、どの道きみは敵に捕まる事は出来ないし、きみの素行は良く知っている。きみになら話しても問題ないだろう」


 クロイツェルの言うには、残っているレイドライバーに[ある生体コンピューター]をもう一個追加で載せる、というのだ。これにより全周警戒が可能になり、いざとなれば二重で演算する為、射撃性能、回避運動性能が上がる、というものだ。


 この[ある生体コンピューター]には秘密があるのだ。


 そして以前の改修計画では出てこなかった駆動系の一新。これも敵レイドライバーの動きの良さを見ての判断だ。帝国だって常に研究開発はしているのだから。


「本当は意識のある生体コンピューターを積みたいのだが、こればかりは、な。まだ実験段階だから仕方がないのは見てのとおりだ」


 ――確かに、アレは単独行動に耐えられるか。閣下は作戦時にはクスリを使う、と仰っていたが。


「こんな事は言いたくないのだが、何十体と使ってやっと二体だからな」


 クロイツェルのその言葉に、改めて自分たちが乗っているレイドライバーという存在に少し恐怖を感じた。


 普段何気なく索敵や情報収集、弾道計測や回避運動といった[当たり前]の事が、実は人の脳を使っている、という事実。しかもクロイツェルの言うには今積んでいる生体コンピューター一個を作るのに二体から四体の人間の脳を使っているそうだ。成功確率は二五から五〇パーセントである。しかも先ほど見た意識のある生体コンピューターを埋め込まれた人間は何十体という失敗を経て出来た二体なのだ。


 ――確かに恐ろしい。だが、私がそんな事を言ってはいけない。あの時軍に拾ってもらったこの命だ、どんなに汚れようとも軍に忠誠を尽くす、それが私に残された道なのだ。


 と、頭では分かっていてもやはりふとした拍子に襲ってくる恐怖。いや、恐怖というより背筋が寒くなると言った方がいいかも知れない。クラウディアはそんな事を考えていた。


 戻って、四体いる全機に同様の生体コンピューターを搭載するらしい。では機体のない二名は、というと既に生産体制が採られていて、通常では数か月以上かかる工程を一か月足らずで仕上げようというのだ。


 帝国だってただ単に作っている訳ではない。いかに効率よく生産するか、というとこも考える事は当然考えて行動している。熟練工に最後の仕上げを任せて人手を頼りに生産数を上げようというのだ。


 まさに人海戦術と言える。


全44話予定です



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