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神々の選んだ錬金術師  作者: すいな
34/95

34 顔合わせ

「ありがとうございます…。では、特殊部隊専門の部屋がございますので、そちらに…」

本部長は中途半端に何度もペコペコし、本部長室の隣の方を指さした。

相変わらず額には汗が浮いている。

俺は視線を指に向け、もう一度本部長に戻した。

「わかりました。他のメンバーの人は…」

「アシーナさん以外は全員来てますので…顔合わせ会をしてください…」

へこへこした態度で、本部長は額をぬぐった。

俺は一礼して、部屋から出て行った。


「わあ、ニーケ君だ!やっぱり入ると思ってたんだぁ。当たってたね」

「何年ぶりだ?ニーケ、久しぶりじゃないか!」

部屋の扉を開けると、もうハオラン先生とソルドが二人で手合わせをしていた。

俺が来たことに気が付いたようで、手を止めて俺に手を振ってくれた。

「ハオラン先生!3か月ぶりですね!ソルド!元気そうで何より!」

俺も大きく手を振り返す。


「アシーナちゃんは今出陣中かな?できれば全員でこの後飲みに行きたかったんだけどなぁ…」

先生は手合わせを中断し、こちらを向いた。

「そうですね…。手伝いに行きますか?」

「応!飲みに行きたいならそうするべきじゃないか?」

ソルドは、当然だ!とでも言いたげに剣を振った。

「じゃあ、本部長にアシーナちゃんがどこに行ったか聞いてくるねぇ」

相変わらずのんびりした態度の先生は、扉をぱたんと閉めて、出て行った。


部屋に残ったのは、俺とソルドだけになった。

ソルドは俺より2個年上だ。

錬金術の練習に付き合ってもらっただけだから、そこそこ話せるくらいの仲だったはずなのだが、いつの間にか普通に話せるようになっていたようだ。

どうやらソルドの方でもそれは同じらしい。俺が近づくと遠慮のない笑顔を向けてきた。


「それにしても、だ。部屋にお前が入ってきたときから思ってたけど、ずいぶんかっこよくなったよな、ニーケ」

ソルドは俺の肩をばんばん叩きながら言った。痛い痛い…

さりげなくソルドの手を止める。


「そんなことないって。てか、やっぱソルドは相変わらずイケメンだな…。そういや彼女とかいるのか?」

彼は、軽く目を見開いた。

「彼女?いないに決まってるだろ。職業柄いつでも死ねるし、なによりこんな不安定な仕事じゃ女も寄ってこないし」

「へえ、そういうもんなのか」

俺がそっけなく返すと、急にソルドがニヤニヤしだした。

「なんだ。お前言い寄られたのか?もしかして」

「んなわけないだろ?」

「なんだよつまんないなあ…」

ひょっとこのように口をとがらせ、ソルドはそっぽを向いた。

…なんか、覚えているソルドとキャラ違う…


ちょうどそのタイミングで、先生が帰ってきた。

「あ、おかえりなさい」

「ただいまー。アシーナちゃん、今から帰ってくるってぇ。早いね、やっぱり」

うんうんと先生はうなずく。

ソルドも感心したように息を一つついた。

「アシーナ、もう戦闘終わらせたのか…やっぱあの子俺より強いですよ」

「うん、僕よりもきっと強いよぉ。それより強いニーケ君はすごいなあ」

「ほんとですよね」

二人してものすごい勢いで首を縦に振る。

そんなに褒めないでくれ!体のあちこちがくすぐったくてしょうがない!


「じゃ、じゃあ俺たちこの後飲みに行ける感じですか?」

俺は一生懸命話題を変えようと頑張る。

「うん、そうだねえ。それならせっかくだし、そのまえに一回手合わせしてもらおうかぁ」

先生はどうやら俺の話題変更に乗ってくれたようだ。

「そうだな!でも、おそらく1対1で俺たちがニーケに勝てる確率は0だ!なら、2対1でやらせてもらうぞ!」

ソルドは剣を一振りして、俺に向けて構えた。

先生もそれにならう。

「ええ、マジで2対1でやるんか…勝てるかね…」

俺は愚痴りつつも、刀を構えた。

互いの陣営から、火花が散った。

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