エピローグ
[顛末]
結論から言うと、南のイバーラク新領を森が管理する事に為った。賠償の一部として、連合諸国はこの領地を受けとり、森には統治権を売却した形である。
南部イバーラクはサスケラを女王に立てて独立し南イバーラク王国を建国した。各地のユンカーの過半が一族郎党を引き連れ南部に移住を希望したが、流石に土地が足りず大半が新領に所領を構える事となった。
残ったユンカー達については、その身分の保証などの課題が残った。
[新型天馬]
「此れ渡すの忘れてた」
歪なダンジョンに、木目シャオがやって来て新型天馬を置いていった。三人娘専用機だと言う。
「一人乗りだし」A
「三人で代わり番こに乗れと?」B
「二人とも勉強不足、此れを押す、ポチッとな」C
ズズズ、と胴体が伸びて鞍座も二人分増えた。
「図面にはなかった筈!」A
「いつの間に、てか何で三娘Cが知っている!」B
「完成品のチェック頼んだら、木目様がチョチョイと」C
「勉強不足関係ないし」A
「理不尽」B
天馬にしては大型の機体で速度や武装搭載量も増えている。次期主力天馬のプロトタイプではある。試作機として役目を果たしたので、三娘へのご褒美と言う事らしい。
[不確実な理論]
ある術式が発動するかどうかは、術式の理解度と信念=思い込み、
に掛かって居る。
なので、同じ式であるのに、人に拠って発動の規模や効果が違う。
では、付与はどうなのか。
弩に加速付与を付けると、誰が射っても同じ速さで飛ぶ、
炎熱付与でも、破裂付与でも同じだ。
何故か。
発動しているのが、人間ではなく、弩だからだ。
故に、弩は、人よりも理解力があり、信念が強い。
証明終わり。
「んな分けないだろう」
アマーリは、デマイオスに突っ込みを入れる。クォタは憮然と言い返す。
「じゃあ、誰が発動してるんだい」
「意外と、厄介な問題かも知れないね。付与に使われる魔石は疑似生命体だと言う説もあるそうだし」
トムオスも興味を持った様だ。
「老師、どうなんだい」カーシャ。
「理解度と、信念と言うのは、経験則なのだよ。一体どういう理屈で魔法が発動するのか、知っている者はいないかも知れないね」
グル師は思う。魔法学の全てが不確実で曖昧な物の上に立脚している。一つ一つ掘り下げて、確実で明解な部分をほんの少しでも広げられるのは、この若者達の柔軟な頭脳だけだろう。
[エピローグ]
リュウコは歌う、
時々、遥か遠くから優しい歌が流れてきて、
どうしても一緒に歌いたくなるのだ。
背中の上のサルー達も、一緒に歌っている。
マリーはちょっと煩い。
ツノウサはふしゅーふしゅー言ってるだけだが、
ちゃんとリズムを合わせてくれてる。
ご機嫌よう、
オアシスに帰るよ、
かわいいお家に帰るよ、
雲は白いよ、
とてもとても
ふわふわだよ。
二人の姫君完
完結処理がめんどくさすぎる。