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二人の姫君  作者: 南雲司
13/20

接触

動き出します。

[ツァロータ]

 ツァロータ国は、一度イェードゥに併合され、イバーラクの助けを借りて独立を果たした。当初、両国の関係は良好で兄弟の様だとさえ言われた。

 治安維持の協力等で駐留していたイバーラク兵はモテた、

 モテまくった。


 しかし、力関係からいつしか、ツァロータはイバーラクの半ば属国と為っていった。その事を不満に思う者も、当然の事ツァロータには多い。

 蜜月の時期はそう長くは続かないのだ。


 陸軍の作戦は南の新領地とツァロータ側から浸透していくだけの

 単純なものだった。

 航空戦力は湖が近い新領側が水軍航空隊、

 ツァロータ側が空軍の担当となった。


 単純と言っても相手は選ぶ。連合諸国ではなく、隣接している旧イェードゥ軍閥が最初のターゲットとなった。


 ツァロータ側に隣接している軍閥領には

 太守カンウーが待ち構えていた。


[風竜]

 サスケラは頭を痛めていた。

 最初に送った風竜は、夫である虎治を二度迄も襲った。

 手痛い反撃を受け、尻尾が千切れ掛けて

 漸く襲ってはいけない相手を理解した。

 その代わり、天空の城から出ようとはしなくなった。


 二度目の風竜は、ワルキューレの技官を襲い返り討ちにあった。

「お前達は、敵味方の区別も付かんのか」

 風竜の低能振りにはほとほと呆れる。

 風竜達は何故怒られているのか分からずに、

 ただただ狼狽えていた。


[ロックバグ]

 カーシャ達にとっては車椅子はあくまでも車椅子なのであって数を数えるにも[台]を使っていた。

 軍務卿は歩兵畑で、車両と見なし[両]と数えた。

 しかし、配備されたのは騎兵隊で在った事から、[騎]で数えられる事になった。その部隊では実戦配備されるのにいつまでもコードネーム[車椅子]はないだろうと、名称を変えた。

 ロックバグと言うのがそれで、後に正式名称とされた。


 ロックバグ一個中隊十二騎はカンウー領に向かっていた。大公の援軍要請に応えてのことである。

「もうすぐ領境だ全騎隠蔽を解け」

 中隊長が命令した。

 隠蔽と言っても空気に溶ける様な空中隠蔽ではなく、周りの景色に埋没する、その都度光魔法で迷彩のタイプを描き変える地上タイプの物だ。

 コストが制作運用含めて、大幅に低い。神樹の森で造られた事で元の[車椅子]が魔改造されてしまった形だ。


 何しろ監修が、あのシャオなのだ。

 対弾性、反応速度、それと機動力が、20%から50%上がってもいる。百[両]もの大量受注を受けた事でサービスした積もりなのだろうが、元を知らない兵達は、初めからこうなのだと思っていた。


「これ、大学で設計したんだってな」

「大学すげー」

 大学にとって、ある意味迷惑でもあったかも知れない。

 此れから、何を発表するにせよ。

 森の魔改造を受けた[車椅子]と比べられる事になるのだ。


[意気軒昂]

 小さなダンジョンにも援軍要請は来た。三娘が元所属していたイバーラク空軍が相手であって見れば、さぞや複雑な思いであろうかと思いきや…。

「相手にとって不足なし」A

「軍府配置の士官ってさ、すぐ胸触ってくんだよ」B

「鷲型には隠蔽付いていない、雑魚、ふ」C

 人知れぬ恨みでもあったのか、意外に意気軒昂であった。但し、出征するのは、中尉達と八機の地対空ミサイルを一機ずつ背負った四つ足を含めた人形達で三娘はお留守番である。

 因みに、小さなダンジョンで作ったミサイルはそれだけで、神樹の森で鋭意増産中である。小さなダンジョンだと、ほら、生産能力がゴミ。


[キーナン公]

 公は援軍の為の軍の編成をしていた。まさか、騎乗ゴーレム一個中隊だけで援軍を済ませる積もりはない。


 小さなダンジョン侵攻後の太守の遣り様は好感の持てる物だった。同盟を結べるならウーシャラークから割譲を受けた分くらいなら還してやっても良いとさえ思える。

 勿論相応しい代価を貰えればの話である。


 しかし、それもカンウーが無事領土を保全出来ての事だ。イバーラクの強兵相手には、キーナン正規軍全軍が援軍として必要に為るだろう。

「騎乗ゴーレムは、あと如何程いかほど出せる」

「二個中隊がやっとです。それも移動中や戦地に着いてからの訓練が前提」

「残りは、まだ早すぎるか」

「御意に」


[高度]

 鷲型の偵察分隊は担当した空域を飛んでいた。

 何かが分隊長の眼の角を掠めた。

 振り返ると列機が四散していた。

 遠話缶に何事かを叫ぶ間もあらばこそ、

 自分を志向し急速に迫る白煙を見付けた。


 空軍の管制部隊では、各偵察分隊に高度を上げるように指示を出した。連絡の途絶えた分隊の高度が五百、恐らく有力な対空兵器があるものと思われたからである。


 この事は陸軍には伝わらなかった。


[新キャラ?]

 才能は何もトップ三人だけとは限らない。員数外で合格にした八人の中から、論理の破綻も甚だしい、果たして魔法学の理論を大雑把にでもさらった事が有るのかも疑わしいレポートを提出した者が現れた。

 奇をてらったのか、ただの無知であるのか、しかし、グル師は不可の判を捺す事を躊躇ためらった。そのレポートが未解決の問題に言及した物で、その問題の存在を知っている事自体が幾許いくばくかの素養を示している様にも思えたからである。


 グル師はシャオに相談する事にした。



予定の半分位しか書き込めてません。

目算が甘かったなあと、反省。その分、一二話延びるかもです。

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