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レトルトカレーは最強なのでは?

 「恵。てきとーに座ってくれ。飯作るから」


 はー。よかった。よかった。えっ?何が良かったかって?一言で言えば恵一が少女と二人っきりのこの状況の中、理性をちゃんと保っていることですかね。


 恵は言われた通り適当に床に座った。そしてぐるりと部屋を見渡した。多少散らかっていても彼女はこの部屋がきれいだと、そう思っていた。


 そんな恵のため、恵一は手料理を振る舞おうとはせず、買いだめしているレトルトのご飯を電子レンジで加熱。別の皿にレトルトカレーを入れ、また加熱。最後にカレーの入った皿に先程レンチンしたレトルト白米を投入して、


 「はい、俺流レトルトカレー、完成!!」


 と声高らかに言い放った。その声に恵の体はビクッ、っとした。




 「レトルト、カレー?なんだ、その料理。美味しいのか?」


 「まぁ、まぁ。それは見てもらった方が早いな」


 二人分のカレーをテーブルに持っていき、その後すぐにスプーンも持ってきた。この世界で見る初めての料理とスプーンに恵の好奇心が刺激される。そして、カレーの香ばしい匂いに恵の頬が緩み、


 「ふふっ、おいしそっ」


 と、警戒心が一瞬で雲散霧消した。


 「はは、喜んでもらって俺は嬉しいよ。それに恵のその笑顔、可愛いじゃない。その方が俺は好きだけどな」


 頬が緩み切っている事に気付き元の顔に戻り恵一を睨み付ける。その様子に恵一はやれやれと肩をすくめた。


 「そんなことよりも、毒は入ってないだろうな」


 「入れるわけねぇだろうが。入ってたとしてもそれは俺とカレーとレトルトライスの製造会社の皆さま方の優しさというスパイスだろうよ」


 「素直に毒入ってないと言えばいいのよ」


 そして再び料理に視線を落とす。まるでカレーの海の上に白米という無人島が(たたず)んでいるかのようなその見た目に物珍しそうな目で見てから、スプーンを持ち一杯すくった。


 「異世界にもスプーンはあるんだな」


 その言葉をさらりと無視してその一杯目を口に運んだ。


 カレーのスパイシーな香り、直後感じるカレーの辛味。そしてルー料理特有のとろけた食感に白米との相性に恵は目を剥き、そして(とろ)けた。


 「お、おいひぃ~」


 「顔がスライムみたいになっとんぞ、お前」

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