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8 無主物先占?

 扉を開けて中に入ると部屋は暗く少々黴臭い。本当にただの物置だ。すっからかんだった魔素も少し回復しているので『ライト』で明るくしよう。多分魔法がイメージを設計図として魔力で魔素を具現化するものならイメージさえあれば魔法名は何でも良いんだろうな、(など)と考えながら『ライト』と頭の中で唱え発動させた。


 目の前に球体の(あかり)が出現する。思考に応じて移動させることが出来る様だ。明るさも変えられるみたいだ。多分魔力を多く込めれば多くの魔素を使用して明るさを増す構造なのだろう。最低の消費魔素は5mpで明るくなる毎に消費魔素が多くなる様だ。


 見回すとかなりの数の武器や防具、何かのアイテムや宝石、貨幣があった。盗賊50人分の予備の武器や防具だろうか、数が多い。『鑑定』していくとこの中では良い鋼鉄の剣が二本有ったので貰う事にしよう。


 ん、何だ?何か隠してある。

 剣じゃないか?剣の存在が巧妙に隠されていた。鑑定してみよう。


 ――――――――――――――――――――――――――――――

 聖剣『グラム』

 グレード:SSS

 ステータス:???

 属性:???

 効果:??????

 ――――――――――――――――――――――――――――――

 聖剣?これはキープだ。売らない。

 使えないけど・・・

 剣士でもないけど・・・

 魔法使いだけど・・・

 哀しい(T_T)

『鑑定』のレベルが低い所為(せい)か?マークが多い。鋼鉄の剣には?マークは無くグレードがBとCで属性も効果も無かった。他の剣はEやFで、グレードが少し良くても状態が悪い、買い取ってもらおう。


 防具は革の鎧が少ししかない。盗賊が着用していて灰になったのだろうか。要らない。売却決定だ。


 魔素回復薬や体力回復薬が有ったので全部貰っておくことにしよう。他に有益なアイテムは無い様だ。


 ただ、魔石があった。『鑑定』してみると《魔素を蓄える魔物の器官》と表示される。


 ――――――――――――――――――――――――――――――

 アイテム : 魔石《魔素を蓄える魔物の器官》

 グレード : F

 ステータス: 含有魔素量48mp

 ――――――――――――――――――――――――――――――


 48mpも魔素が有る。俺の魔素量の3倍以上だ。いつか役に立つだろう。キープだ。


 しかし、魔法使いにとって大事な魔法の杖が一つもなかった。盗賊に魔法使いがいなかった為に、奪取しても売って現金化したのに違いない。


 硬貨はかなり有ったが、価値が判らないので多いのか少ないのか判らなかった。全部確保だ。


 必要と思える物は全て貰った。さすがに50人を超える盗賊団と言える品揃えだったな。


「必要な物は『亜空間収納』に収納しましたので残りは全て買い取ってもらえますか。」


「了解した。」


「ところで、スキルの『収納』とアイテムボックスとはどう違うんですか。」


「構造とか詳しい事は良く知らないが、まず、キャパシティーが違う。アイテムボックスは金額によって収容能力が違いS以上のグレードだとかなりの高額だが二階建て家屋一つ分は入れることが出来るし、グレードがGなら人間一人分程度だな。そして、スキルの『収納』は最高のアイテムボックス以上だと聞いた事が有る。構造的には、アイテムボックスは空間魔法をアイテムに付与したもので、スキルの『亜空間収納』はスキルで時空魔法を使い亜空間を作りそこに収納するらしい。最大の違いはスキルの『亜空間収納』は時空魔法を使っているので収納の中では時間が止まり、アイテムボックスは空間魔法で作った空間だから時間は止まらないという事だな。」


「なるほど、詳しいですね。もしかして神様?いや、喋り方普通だし・・・」


「何だそれは?じゃあ、残りをアイテムボックスに入れるからちょっと待ってろよ。支払いは鑑定を済ませて王都の店でするけど良いよな。」


「大丈夫です。連れてってもらうのですから。王都ですか。王都へ帰るという事でしょうか。」


「あー、そうだぞ。丁度良いだろ?」


「丁度良い?ん?」


「大丈夫。分かってるって。」


「ん?」


「終わったぁ。やっとアイテムボックスに入れ終わったぞ。あー疲れた。今晩はここで野宿して、明朝帰るとするか。王都アンリズブルグへ。」


 既に夜も更け辺りには何かの動物の鳴き声が木霊し、空には元の世界で見た月の数倍はあろうかと思いえるほど大きく見える満月が青く輝いていた。



 夏休み終了の日まで後60と2日。





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