12 レハストンレストラン
目が覚めると外は暗くなっていた。お腹が空いた。早速レストランを利用しよう。肉が食べたいな。
エレベーターで一階へ降りレストランへ入り窓際の席に着く。
この世界でもガラスが普及している様だ。ただ、技術的限界なのか敢えて使用しているのか透明度が低い。
顔が映りもしない。もしかすると夜だけすりガラスで外から見えなくしているハイテク使用かも知れない。
「いらっしゃいませ。」ウエイトレスのお姉さんも美人だ。高級そうなホテルだから使用人を厳選しているのだろう。そう言えば捕虜になってた三人の女性は普通だったな。
「メニューはありますか。」
「いえ、メニューはディナーだけですのでありませんがお酒の注文は承っております。」
「お勧めは?」
「本日のメニューはホーンドレッドブルと言う魔物のステーキですので赤ワインがお勧めです。お決まりでなければお勧めの赤ワインをお出し致しますが。もちろん費用は会長持ちです。」
「では、そのお勧めで。」
「承りました。少々お待ち下さいませ。」
周りを見回すと、どうやら寝過ぎた様で、客はまばらに座っているだけだった。そう言えば既にロビーの演奏は終了していた。
出来たら食後にロビーで寛ぎながら演奏する綺麗な女性を見ていたかったな。今のままでは綺麗な女性を見ているしかないが。ハーレムまでの道程が遠すぎる。これでは何のために異世界に来たのか分かったものではない。そうだ、大浴場があると言っていたな。食後に行こう。今日から女風呂だったな。これじゃ大浴場で大欲情だよ(∀`*ゞ)テヘッ。
【嫌ぁぁあぁぁ!!】
ん?何処からか悲鳴が!ロビーで何かあったのかな?
「こちらはハウスワインでございます。」
グラスにワインを注ぐと、ボトルをテーブルの上において戻って行った。お代わりだろうか。
何分、フランス料理に行った事も無いし、異世界の料理なら尚更わからない。
ワインは初めて飲んだ。ほんの少し酸味がある。美味しい。今までは美味しいと思った事はないのに新しい体のせいだろうか、ワインが本当に美味しい。
「アミューズでございます。」
一口で食べられるようなちょっとした料理が出て来た。
突き出しの様なものだな。
それほどではないが美味しい。
「メインのステーキでございます。こちらのパンもご自由にどうぞ。」
デカい!1㎏くらいあるんじゃないかと思えるほどデカい。
肉は少々固いが噛み切れない程ではなく肉汁があふれ出て来る。
霜降り肉ほどではないがさっぱりしすぎる事も無く丁度良い肉汁が溢れ腹と心を満たしていく。
あれほどデカかった肉の塊があっという間になくなった。
新しい体は胃袋がデカいのだろう。
食後にコーヒーが出された。これも過去の勇者が発見したものかもしれない。
食事を終えタオルが借りられるのかどうかレセプションに聞きに来た。
誰も居ない。あの綺麗なお姉さんはもう帰ったのかな。
「誰か居ませんか。」
呼ぶと返事が聞こえた。
「はい、お待たせ致しました。あら!ターニャ様お久しぶりで御座います。」
「もう飽きました。皆さん勘違いしすぎです。」
「ロールプレイイングですね。私はイサドヌインの妻でアニックと申します。以後お見知りおきください。」
「イサドさんの奥さんなんですね。私はターニャと言います。暫くこのホテルに滞在しますのでよろしくお願いします。ところで、お風呂に行きたいのですがタオルは借りられますか。」
「お風呂の入り口に、洗濯済みのタオルがありますのでそちらをお使いください。大浴場は男女で解れておりますので呉呉も男性用のお風呂には入って行かれない様にお願い致します。間違って入って行かれますと、湯女と間違われてターニャ様なら男が群がってあっという間に裸にされてしまうでしょうからね。」
それフラグ?じゃないよな。もう嫌だよ。最早トラウマだよ。
夏休み終了の日まで後60日