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4 ガチで怒るほどではないがガス抜きは必要ではないかとモヤる話

 そうなのよ、私の今年の目標は「本気で怒らない」なのよね(笑)。なのですが、が、が!

 ここ十年以上に渡って「えー、それってどうなの」という話を、ちょこっとサラッと書いてみたい。そんな四連勤の真ん中、ミッドナイトでござる。


 今日たまたま大阪生まれ大阪育ちの同僚と話していて、ほっとする自分自身を感じたりなんかした。

「あっ。『気の置けない人』って、こういうことを言うのかな」

 有難いことだ、相手は私を受容する態度を崩さずにいてくれるから、こちらも安心して自己開示ができるし、素直に向こうの発する言葉を受け入れられる。

 人間関係って、受容の態度が大事じゃないんだろうかね。この歳で言うことか、と情けなくなる自分自身はさておき。

 でもねえ。

 以下は誤解を恐れずに言いますよ。

 関西の人って、テレビの芸能人みたいに、いつでも陽気なサンバ祭りみたいな階層は少ないですよ。当たり前か。すまんな。

 “古い人”は、特にな。

 こちらが無自覚に、当該の古い人の価値観のどこか、琴線というか地雷というか沸点というか、いきなり超えてしまったとき。

 彼らは一気に不平不満を並べ立てる。それも、激情にまかせて! ドッバー! と、いう感じではない。

 ねちねちぐちぐち、微に入り細に入り。こちらの瑕疵を責め立て続ける。

 そして何故か最後に、共通言語で締めくくるのだ。

「……まあ、よう、わからんけどな」


 わからんかったら言うなボケ! 


 などと反抗してはならないのである。というか「まあ、よう、わからんけどな」とクロージングトークに入る前に、私の生命力は萎え萎えシオシオ状態なのだ。口答えする気にもならん。

 おまえ言いたいこと言ってたんちゃうんか。

 最後の締めの言葉が免罪符になると思うな、地獄に落ちろバカ野郎(特に大阪の人は「バカ」という言葉に過剰反応をお示しなさるので)。

 と、まあ。関西に住んだばかりの当時は、ずーっと思っていた。

 そんな私が彼らに対抗できる唯一の手段はというと。

「触らない、近寄らない」

 これだけしか思いつかなかった。

 とてもではないが、彼らの懐に飛び込んで好かれるように努力しようとか、自身が持てる善性を振り絞って挑戦する気にはなれなかった。

 無理に好かれなくてもいいんじゃないかな、って。

 非常に消極的で卑劣かもしれないけれど、それくらいしか私には身や心を守る手段がない。いまだに、ですよ。ほんとに、もう。

 ところがですね。

 何週間か前に、仕事上で似たような出来事があった。

 今の私の業務は某クライアントから渡された東日本にお住まいの、特にピンポイントエリアの方々にテレマを掛けることだ。某県の前期高齢者に電話をかけていたときだった。

 その男性は、こちらの第一声を聞くなり自分の不平不満を延々と述べはじめた。こっちは立場上、先方の言葉に自分の言葉を被せて何事かも言うことができない。そんなことをすればクライアント提出用にログを録られているのだから、一発で査定に関わる。

 壮大な不平不満というか怒りというか、日々のストレス解消か。いやいや大変に貴重なご意見を滔々と、まるで政治家の演説のようにガンガン強い言葉で何十分もお聞かせいただきました。

 ほんっと、こういうのって地雷すぎる。黙って聞いていると「ねえ、聞いてます? 聞いてるの?」とヒステリーが飛んでくるわけ。どうすりゃいいんだよ、と内心思いながらも相槌とか平謝りの言葉とか挟むわけ。それでも容赦してくれないの、サービス警察官さまは。

 で、五十分ばかり。有難いご意見を頂戴してくれた男性がですね。

 その人が言ったのね。とーっても慇懃無礼な口調でね。

「色々と言いましたけれども、もしも気を悪くしたらすみませんでした。お詫びします」


 はあ。


 それどころじゃありませんねえ、はい。ともあれ、ありがとうございました……と思いつつ、ド底辺作家の私の頭に、ひとつ浮かんだ文言があった(ここが、私のイヤラしい性分だと思うんだけど)。

 ――色々と申し上げましたが、ご気分を害されたら申し訳ございません。

 文章で書いたら、これかなあ。とか、そういうこと考えていたんだけれども。

 ほんっと言いたいこと言って、散々に傷つけておいて「まあ、ようわからんけど」という言葉と、ダブりまくった。

 冗談じゃねえよ、と思ったね。


 いや、あんた。こっちがイヤな思いとか傷つく気持ちとか百パーセント分かってて言ってるやん。最後に付け足せば

 自分は「いい子」こっち「いい子を傷つけた、どうしようもない巨悪の存在」

 って体裁を整えられるから、そういう自己満足に浸れるから。

 だから確信してたでしょ。聞いている側が深く傷つくと思って。はじめっから謝らせるつもりで、好き勝手言って、傷つけてくれていたでしょ。

 絶対に、そうなんだよね。そういう一言で締める側って。

 なぜ綺麗ごと言葉で締めくくってまで、自分だけ「あなたとの関係では、百バーセント被害者」「あなたはあなた自身が行った、私に対しての無自覚な部分の振舞いまで謝罪するべき」「自分がわかっていなくても、遡って! とにかく!」「謝れ」「謝れ!」(以下は無限ループ)の被害者感情を剥き出してくるのか、醜いとは思わないのか。

 こっちだって仕事でなければ、あなたのような人に電話なんかしませんよ(笑)。

「自分は貧乏だから、利用料が今より高くなったら困る」

 へえーー。

 さっき某自治体の教師だったって仰いませんでしたっけ。元教師の年金は、あなたの年齢からザっと積算することもできちゃうんだぞ自分は(笑)。

 それに、クライアントからお借りしている既契約者のリストから拝見するお住まいのご地域は、とても赤貧高齢者が終の棲家に選べる地域ではないんですけれどもね。まあ相続税とか発生すれば別かもですけどウフフ。

 とにかく、あんた。貧乏なわけないじゃん。嘘つくのも、いい加減にしなさいよ。

 声しか頼りにならない電話だとはいえ、相手がウッカリ口を滑らせた言葉で(たとえ言語化できなくても)ファイリングすることくらいなら簡単なんだよ。

 ……ああ、これ小説のネタになるなあ。ありがとう、クレーマーさん。本当に、ありがとう。

 などと、約一時間のログの中で深い思索(嘘です/汗笑)に、浸ってしまったりなんかする。


 とにかくですね。

 人と人との間、受容しあえるかどうかが一番だと思うんですね。

 このエッセイを読んでくださった皆様は、私を「悪い意味での教訓」にしていただきたいと切に願う。

 ともすれば「あなたよりも上に立とう」と、マウント取ってくる人とは一線を置くべきだ。なにかにつけて、あなたを自分よりも下位に置きたいという感情が滲み出ている人と無理に付き合う必要はないのだ。うわあ、加藤諦三先生みたいになっちゃったよ。どうしよう、ごめんなさい加藤先生(いやオマエもかよ、というツッコミは無しで/汗)

 好き勝手を言って和み合える関係ならばいいが、好き勝手を言われて傷ついて。劣等感を植え付けられるような言葉や表情に、もっと言えば善意の圧力を掛けてくる相手は心まずしい幸いの者なのだ(あっ。キリストさん、ごめんなさい/汗)。

 心まずしき幸いの者は、神さまにお預けしましょう。きっと祝福を受けるに相応しい存在なのだから。

 私をはじめとする、ごくフツーの人民は「誠意を通じ合わせることが可能な、数少ない人間を大事にすればいい」のだろう。

 そんな相手は見つからないと嘆くことはない、と思う。我が身の経験則上では。

 待ちわびて諦めかけて、飢え乾いた分だけ「自分を受け入れてくれる存在」は向こう側から、やって来る。それを教えてくれた存在があるから。今ここで、感謝したいから。たぶん、これでいいと思えるんだね。




 ……ってさ。結局、私も好き勝手に書き散らかして。尚且つ「ごめーんテヘペロ」みたいに締めるという、いつものパターンになってしまった。ハハハ(自分のエッセイだから、いいか!)。








ぜんぜんまったく!

サラッと、じゃなあああああいいいい!


最後まで目を通してくださった方に、心から感謝いたします。ありがとうございます。

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