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26 ひっさびさだよ! 読書感想文「任侠書房」

 前々からアマゾンサイトを見るたびに気にかかっていた一冊。

 ようやく購入、一気読みしました。


 あらためて、初読直後の御紹介。今野敏さん著作「任侠書房」の感想。

(あ、先に記しておきますけれども。このエッセイ、この感想文は改変しつつ自ブログに載せるかもです。予定は、あくまでも未定ですけれどもね)


 主人公は日村誠司(ひむらせいじ)という阿岐本(あきもと)代貸(だいがし)、ナンバーツー。

 組長である阿岐本さんの気まぐれで、倒産寸前の出版社の役員を仰せつかる。

 作中に、チョロチョロッと出てくる表現なのだけれども「ヤクザと暴力団は、違う」。ここね、私も違いがよくわからん。でも、かなり昔に聞いたことがある。

「そうかー、違うのかー。あ、思い出した。そういえば、昔にいた職場の上司が言ってたわ」

 なんとなく心が甘酸っぱくなったりなんかしてね。

 今も、お元気だったらいいなあ。


 本編の序盤を読み進めていくうちに、後頭部を鈍器で殴られたような心境になった自分。別段、暴力描写があるわけでもないのに。

 なにが衝撃だったかというと、気づかされてしまったのだ。

 商業作家として長く続けていらっしゃる方々は、私なんかよりも遥かに「経験や知識、情報の行動半径」が広いのだ。いや今さらかよ、という自嘲も込めて、思い知っちゃったのだ。

 私なんか、本屋に並んでいる商業作家の大先輩たちと比較するのもおこがましい。というか比較すること自体が、おぞましい。

「じゃあ、経験値も知識も学歴のない自分みたいなのが作品世界を広げるためには。どうすればいいんだよ」

 もちろん、一個人の知識や情報、経験には限りがある。だからこそ、作品を綴るときにブレーンになってくれる人が絶対に必要になってくる……ああ、これ二十歳のときに映画の観方や本の読み方を教えてくれた知人も言ってたなあ。


 作品をどんどん読んでいくと、出版業界の現状や「売れる作品とは」なんてことも出てくる。とても興味深かった。叱られているようにも、励まされているようにも感じられた。

 結局、わたしたちは「自分が書きたいものを、書きたいように書いて行く」しかないのかもしれない。一所懸命に作品に取り組んでいても、打ち込んでいる熱量を丸ごと否定されることも多々あるかもしれない。

 いつか、それらの傷も報われるように。そんな風に、祈ることしかできないけど。

 キャラクターで好きなのは組長と日村。それと真吉かなー。

(作者の思うツボだろうか/笑)

 日村は胃痛が絶えない日々を背負わされて、ヘトヘトになってる。そんなときに、思い知るんだよね。当たり前のことは、当たり前じゃない。

 秋が深まっていく夕暮れの商店街の風景、馴染みの小料理屋で板前と交わす何気ない会話。

 このあたりの描写は、とても身につまされてしまった。

 あと真吉さん、無条件に可愛い。

 出版社の仕事をするぞ、と日村から聞かされて「わあ……」とうれしそうな顔をする場面では、こっちまでニコニコしてしまう。

 真吉のアイディアで往年の清純派スターのグラビア企画が出てきたときの日村も、めちゃくちゃに可愛い。

 任侠シリーズは全部で三冊あるようだ。時間があったら、他の作品も読ませていただこう!











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