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13 不器用でいいことあるのかな、と思う今日この頃

 とにかくわたしは「ひとつ終わらないと、ひとつ先に進めない」しかも「ちょっとしたミスを、じわじわネガティブに効く。大概は三、四日ほど持ってる」そんな人間だ。最近、ようやくわかった。いや最近なのそれ、どうなの、と対外的に言われても当然だろう。

 学習能力があるのか、ないのか。

 外に一歩踏み出すと、薄氷を踏むような心持ちでいっぱいになる。けれども一歩外に出た以上は、それなりにやって行かないとね。帰宅してから、ますます暗い気分になってしまうのも健康的ではないものね。

 こんな自分なので、生きていくのがツラい。そりゃあ、あんまりネガティブにとらえすぎても良くないのだけれども。

 先日、派遣先で達成会というものがあった。要は会社から「目標数字を達成したから、いくらでも好きに遣っていいよ」と言われて挙行する飲み会。

 なんだかワカランけど周りから、結構ウケていたと思う。なんでだろう?

「えー、わたしって陰キャじゃないですか」

「どこが」

「だって、いじめられっ子だったんですよ」

「うせやん(嘘でしょ)」

 そんな感じです。わかっちゃいねえよ、おまえらよぅ。なんて、じくじくした感情にとらわれつつも、場の雰囲気を壊しちゃいけないから、これまた内心は薄氷の原野というか荒野というか。

 ひとりの若い男の子、それまで挨拶程度しかしたことがなかったのですが。

「たたずまいが、かわいいです」

 ファッ。

 三日くらい悩んでしまったけど、たぶん。彼らは、きっと脳内で上手に切り替えているのだ。

「この天然ボケが」

 と言いたいところ、グッとこらえて

「かわいい」

 って言っているのだ、そうだ。そうに違いない。

 いやー、はっきり言ってくれていいんですよー。

 わたしと一緒にいてもニコリともしない男性だっていますよーって、言いたかったなあ。

 あとで小説のネタにしよう(笑)。そうすれば少しは昇華できるというもの。よかったね! あたし! これで、ちょっとは浮かばれるぞ(冷や汗)!

 昨日、とある出来事があり。

 価値を感じないものには人は興味を示さない。当たり前のことなんですけれどもね。これ、とっても痛感しました。

 仕事帰りにジムに寄ったわけさ。

 そしたらイントラさんが言うわけ。

「あ」

 なあに?

「ゆみかさんに渡したいものがありました」

「なんだろう、誕プレ?」

「違いまーす」

 彼はニコニコしながら、こっちに名刺大のカードをチラチラと見せた。

 そこには某現役格闘家のレッスンが受けられると書いてある。

「はあ?」

 大声が出ていた。

 信じられなかった。だって世界の頂点に登り詰めた人だよ? その人がレッスン時間を持つわけ? ちょっと待て、マンツーマンではないのは理解しているが。え? マジで?

「……う、うっそ」

「嘘じゃないでーす。それにね、別レッスンも申し込んだらね」

 こんにゃろー営業か! と思ういとまも与えないアクションが。

 チラチラ見せられたカードには、これまた世界頂点に登り詰めて、それだけではなく同じように世界選手権優勝者などワンサカ育成している海外在住の現役格闘家レッスンが表記されている。

「あああっ!」

 男前は、わたしの声に即座に反応した。

「やっぱりですね、さすが」

「だ、だだだ、だって! 〇〇さんだよ! ですよ! あの●●さんの師匠Aさんの御師匠さんでしょう? 本当に日本に来るの? これだけのために?」

「そう、Aさん」

「えええええ」

 海外格闘技の〇〇さん、大概の人は名前を聞いた瞬間に「誰それ」と鼻ホジのアクションになる。でも、皆さんがよく知っている事例(●●さんとか)に当てはめて説明すると

「へえ」

 くらいの反応にはなると思う。けれど、刮目レベルにはいかないだろう。だって、興味ないんだもの。そっち方面。

 でも考えてみて。

 自分の興味あるカテゴリで、一時代を築いた人・時代の頂点に立ち続けた人が直々に御指導してくれるとしたら。その機会が、ある日突然に与えられたら。

 天地がひっくり返るくらいの衝撃を受けると思うのよね。

「そのチケット、取り替えて」

「ダメでーす。っていうか、今、ものっすごい反応しましたよね? それ、この〇〇さんの価値がわかっているってことですよ? そうでしょう?」

 わかるに決まってんだろうがーーーー。バカにすんなしーーーーー。うわーーーん(AA略)。

 けど断じて言っておきたいが、はじめに見せてもらった現役格闘家。ちなみに、お子さんも同じ道を進んでいる。彼のこと、ものっそい好きだよ。なによりも華があるもの。メディアに出たての頃から今に至るまで、その華やかさは衰えていないのだもの。

 バックボーンがこれまた、泣けるツボ。いかにも日本人が好きそうな浪花節。ああ、これ以上書いてしまうとジムを出禁になっても文句が言えなくなってしまう。

 話を本題に戻そう。

 ぶきっちょなりに一所懸命、社会に合わせようとしている姿を「憎めない人だなあ」と思ってくれて、挨拶なり冗談なり飛ばしてくれる人がいる。真剣に怒ってくれる人がいる。

 反面、なにをしても通じない人もいる。とても寂しい気持ちで、いっぱいになってしまう。

 こっち全然、変わらない姿なのに。態度も、もっと言えば化粧も服装も、変えているつもりはない。話し言葉も無理に繕ったりしていない。

 今まで、後者の人たちばかりだったと言っても過言ではない。真心を見せ合える、ほんのひと握りのやさしい存在に助けられてきた気がする。

 まあ、いいかー。

 どちらの存在もあった積み重ねが、いまの自分。そんな風に前向きに諦めたら、楽になれるかな。



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