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姉妹の愚痴〜心身障害者への理解を〜  作者: 七宝しゃこ
もう疲れた、もう眠りたい、もう諦めたい
121/134

父が入院するかもしれないと言われた。

 土曜日、父が病院に行ったらしい。


 元々私が幼少期に、狭心症の発作で長期入院したりしていた為、高血圧に心臓の為のニトログリセリンを携帯していた。

 塩分を控えたり、しかし仕事は体力仕事の為、塩分は必要で、タバコを吸うヘビースモーカーだったが、12年前に辞めてしまった。

 それからは、晩酌も減らし、こってり系も食べられないからやめるとある程度気にしていたのだが、仕事で、足の親指の上に重い鉄筋が落ちて、青く腫れ上がり、どう見ても骨折だから病院行け!と言うのに行っても薬しかくれんと意地を張って行かなかった父である。

 それが、最近、関節が痛いと足を引きずるようになり、おかしいなと思っていたら、主治医の先生のドクターストップがかかった。


 簡単な血液検査と尿検査に引っかかったので、先生は精密検査を頼んだらしい。

 そして、土曜日中に入院しなさい!と言う厳しいお言葉に父は必死に、


「先生!悪いけど、わし、明日免許更新せなならんのよ。頼むけん、免許更新させてや〜」

「えっ?まだ車運転しよったんかな?幾つにやったっけ?」

「先生失礼やなぁ、わし、まだ70代やで?」

「……本当や……と言うか、刹那さんとこは、娘さん年齢未詳やけん、あちゃー……」

「はりに言うときます」


 先代院長からずっと診てもらっているので、こう言う冗談も言える。


「でもなぁ、この数値は痛風やと思うんやけど、関節や足の親指の付け根の痛み、両足のむくみも辛かったやろうに……」

「どうしても、免許更新させてや!月曜日に1番に来るけん!お願いします」


 そう言って振り切って帰ってきたらしい。

 足の痛み止めは沢山渡されたらしい。




「はり〜月曜日に、病院行くことになった〜」


 電話がかかり、関節が痛いと言っていたのは知っていたが、ちょっとした痛みと思っていた。

 時々整体に行くのだと聞いていたので、楽になったのだと思っていた。

 そうではなく悪化していたのだと判り、急に怖くなった。


 そうだった。

 父は、今月誕生日で75歳になる。

 加齢は私だけでなく、父にもあり、私はそれを見ないふりしていた。


「……父さん。明日、病院には行けないけど、近くの病院に行くけん、何かあったら駆けつけようわい」

「こんでええ。お前、最近部屋の掃除しとるんか?掃除して夏物出せ!暑苦しい服は着るなよ。余計風邪引くがぁ〜。はよせぇよ」


 電話が切れた。


「どうしよう……どうしたらいい?」


 ネットで調べても頭に入らない。

 明日、電話で聞こうと思う。

ショックでした。

痛風……父は頑張って働いてきたのに、ご褒美があってもいいのに、どうしてまた病気……。

私より父の方が辛かったはずなのに……反抗期の時期反抗しなかった反動で、今反抗期真っ最中の娘に手を焼いてる……。

私は暴力は振るいませんが……。

悲しいです。

複雑です。

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