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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

止まらない悪夢

俺さ、夢見たんだけど、ちょっと尋常じゃなかったから話してみよう。

勿論、夢だから、辻褄が合わないところもあるだろうが、そこは許してくれ。


***


それは俺の家の近くの細い道での出来事だった。

俺と母さんが買い物に行った帰り、突然母さんが叫んだ。

「危ない!」

車の後部座席から覗いてみると、小さい子が何かを抱えて、道路のど真ん中をよたよたと走っている。その背後から、母親であろう女性が追いかけている。

「何か抱えているぞ」

「うん?……なんだあれ」

初めは抱えているものもよく分からなかった、しかし、よくよく見ると……

「あれ、赤ちゃんじゃね?」

小さな子が、赤ちゃんを二人ほど抱えて走っているのだ。さらに、その小さい子の周りにやっと歩けるようになったぐらいに見える子が何人かくっついている。

道路に鳴り響くクラクションだが、車のスピードは、緩むことを知らない。

「あの子、赤ちゃんを車の通る所に投げ込もうとしていないか?」

「そんな、まさか」

しかもこの車の往来が激しいところを、だ。俺たちは心配になって、Uターンしてもう一度そこを通ることにした。


「まだいる」

もう一度通った時にも、まだその子は道路のど真ん中にいた。今度はその子供を正面から見ることとなった。子供の持っている暖かい眼差しとか、柔らかな笑顔とか、そんなものはどこにもなかった。

その子の目はーー生きているものとは程遠いものだった。

喜怒哀楽、なにも表現しない。それは、無、と言えるものだった。冷たい、冷たい目をしていた。

母さんも、少し道路に注意しつつ、運転を続ける。

「ねえ、あれ……」

母さんが指を刺したその先、道路の片隅に、赤い何かが飛び散っていたのが見えた。

「う、うわぁぁぁ!!」

まさか、という気持ち。最悪を想像し、ぞわりとする感覚。もともと血は苦手なのだ。

体の奥底から湧き上がったのは、恐怖心しかなかったーー。


***

夜に眠ると、こんな夢を見ることもあるのだ。何というか、恐ろしい話だな。

閲覧ありがとうございました!

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