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トンネルの中で見たものとは?

作者: 神名代洸
掲載日:2016/10/17

僕は車に乗ってハンドルを握ると人が変わってしまったかの様に強く出るそうだ。

本来の僕は大人しめで、前に出ることもない。

それが今回の事で運転自身を怖がってできなくなってしまったのだ。

それはーーー。



ある日、僕はいつもの様に友人達と一緒にドライブに出かけた。男4人、暇な奴らばかりだ。

音楽をガンガン鳴らし、車内でお菓子等をボリボリと食べながら喋っていた。


その時1人がこんな事を言い出した。

「なんかさ〜、面白い話ないか?彼女ができたとかさ〜。」「そんな話があったらお前ら茶化すじゃん。」「そうそう。」「だよな〜。」

そう言いながら運転手の友人は運転を続けた。途中あるトンネルに差し掛かった。その時こんな話が持ち上がった。

「あのさー、こんな話聞いた事ないか?実はよ〜…。」

そう言って話し始めた友人の1人は人づてで聞いた話を持ち出した。その話は確かに聞いた事なかったが、せっかく楽しく盛り上がってる車内をシーンとさせるだけの爆弾だった。

「この道をまっすぐ言った先のトンネルなんだけどよ〜、出るらしいんだ。」「出るって何が?まさか霊とかって言うわけないよな。」「そんなのないないって。」「いや、実は出るんだよ。俺も人づてで聞いただけでここまできた事なかったからな。でさ〜、せっかくきたんだからよ、探検しね?」「え〜?マジかよ。」「マジマジ。なんか面白くね?」「面白くねーって。マジわかんね〜。」

「なぁ〜いいだろ?行こうぜ!」「何かあったらどうするんだよ。お前責任取れるのか?」「大丈夫だって。単なる噂話だしな。本当に出るならみんなこの道使わないって。」「まっ、確かにそうだけどな。じゃあ、行くか?」「え?お前も行くの?なら行くしかないか…。」

男4人、携帯の明かりを頼りに車から降り、トンネルに向かって歩き始めた。

舗装はされているが、あまり使われていない様だ。雑草が生えていた。

そのトンネルをどんどん奥へと歩いて行く。

その時突然空気が変わった感じがした。明らかに冷たいのだ。

皆それぞれの顔を見て不安になった。

「なっ、なぁ〜、何にもないじゃないか。っハッタリだな。」「う、嘘じゃないって。まだ奥に行かないといけないかもしれないだろ?」「おいおい、まだ奥に行くってか?冗談だろ?後数百メートルも歩けばトンネルの中心だぞ?」「まっ、まぁ〜、そう言わないで行こうぜ。気が済みゃ帰れるしな。」「はいはい。じゃあ行くか。」

4人はトンネルの中心まで歩いてきた。

車は入り口に停めてある。

携帯の光を頼りにあちこち見て回ったが、特に何もない。噂は噂でしかなかったのかと肩を落とす友人を連れてもと来た道へと帰り始めた。その時、トンネルの壁側に誰かが立っているのが見えた。こんな時間に何故?と首をかしげたが、もしかして…という思いもあってブルっとして慌てて仲間と一緒に出口に急ぐ。

車までは何事もなく戻ってこれたが、ここら一体は真っ暗になっていた。冬なので暗くなるのが早い。車内に入ると皆ホッとしたのかさっきのことを話し始めた。

「でさ〜、アレ、モノホンじゃね?だってよー足薄かったし。」「たまたま携帯のライトに入らなかっただけかもしれないだろ?」怖がりの友人はそう言いながら辺りのものを整理し始めた。緊張すると整理したくなるらしい。

「でもよ〜、俺らがトンネル出た時には後ろには誰もいなかったぜ!」「まさか、…連れて来たりとかは…ない、よ、な。」「ないないって、そんな事したら俺らあぶねーじゃん。」「だよな?」

そう言ってはみたが、怖がりの友人は何気に外の景色を見ていた。夜の星空は田舎だと綺麗だ。その時だ。車の上がボンと音がして、助手席のガラスに人がぶら下がっていた。上半身だけだ。下半身は見えない。顔は真っ青でとても生きている人には見えなかった。

「うわっ?!」「ギャーッ!」「嘘だろ?」「やめてくれ。冗談じゃない。アッ、アクセル!」

仲間の1人に言われようやく平常心を取り戻した運転手の友人は思いっきりアクセルをふかして走り出した。が、その霊も乗ったままだ。髪は長いので女性の様だ。

しかし目は血走り、顔は真っ赤に染まっていた。まるで誰かに引かれたかのように運転手の友人を睨んでる。

僕は怖くてガタガタ震えることしかできなかった。

「降りろよ!お、降りろー!」

友人が叫びながらブレーキを踏んだ。かなりのスピードが出ていたので滑って落ちて行ったのだろう…。しかしまだ安心してはいなかった。霊ならまたすぐやってくる可能性もある。

アクセルをおもいっきり踏んでその場から逃げ出した。

それ以降どうなったのか気になった為、翌日の新聞記事を読んで探してみることに。

しかし何処にも人が轢かれたとかの記事はなかった。じゃあ、あの髪の長い女性は一体?!

新聞社に問い合わせて見た。

しかし、返答は期待したものではなかった。ただ、過去にトンネル内で事故があったことは教えてくれた。

じゃあ、その犠牲者が彼女だったのか…。

でも、そうなると不思議な事が。

彼女は助手席に出た。じゃあ、運転席はどうだったのか?

運転席には誰も出なかった。

わからない……。


今度は警察署へ聞きに行った。

すると当時をよく知る警察官と話ができた。

「その車はスピードを出し過ぎててね、タイヤがスピンして壁に激突したんだ。雨で路面もかなり濡れてたからね。運転手はエアバックで肋骨骨折程度で済んだんだけど、助手席に乗っていた女性はエアバックが開いたにもかかわらず壁にぶつかった拍子でガラスが割れて首に刺さって出血死したんだよ。あれは酷い事故だった。」「その後、運転手の方はどうされたかわかりますか?」「いや、特にはわからないな。彼は憔悴仕切ってたからね。気をつけて見てあげてはいたんだけど、ある日突然いなくなってね。捜索願も出てるんだよ。」「そう、で、すか……。じゃあ、本人に話を聞くのは不可能ですね。」「そうなるね。……でもあの事件からもうすぐ1年か。」

1年も行方不明なんてありえない。

もしかしたら運転していた彼も…なんてことが頭の隅をよぎった。

あのトンネルはもう使いたくなかったので、実は帰りは大回りして帰ってきたのだ。

で、署での話を終えると皆真っ青な顔で会話もなかった。

そんな時ポツリと誰かが言った。


「彼はどうなったんだろう?死んだのかな…。」「ばっ、もしそんなんでも言うなよ。あの道もう使えねーじゃん。モノホンなんてありえないしよ〜。」

「僕も無理だ。って言うか運転自体も怖いかも。だってさー、他にもきっとあるんだよね。ああ言うの。」

そう言ったらみんな黙り込んでしまった。

もう愉快なドライブではない。

気持ちも落ち込んでいる。

「あそこさ〜、あの女の人の出る場所ってことはさ〜〜、彼は何処で出るんだろうね…。」「もう良いから黙れって。怖くなるだろ?1人になった時とか…。」「あ、ああ。そうだな。」

僕も正直怖かった。

1人になる?冗談じゃない。

今日は実家に帰るつもりだ。怖すぎる。

車に乗るのは躊躇われたが、その方が早いので車で帰ることに…。途中、休憩がてらコンビニに入り、飲み物諸々を買って車に乗り込んだ。その時後部座席に誰かがいる気配がした。怖い。正直な気持ちだ。

もしかして霊か?

ミラー越しに後ろを見てみると…真っ青な顔をした男性が乗っていた。見た感じどこも出血とかなさそうだ。

それでも怖いものは怖い。

「ギャーッ!」

慌てて車から降りた僕はコンビニに逃げ込んだ。

店員や他にいた客が不思議そうな顔をしている。まるで何かあったのかわからないかのようだ。それはそうだ。まさか霊が出たから転がり降りたとは気付いていないだろう…。

僕はもう車に乗れなくなった。

それでもこのままこの場にいるわけにはいかない。店内から様子を伺い、車の中に人がいないのを確認してから恐る恐る乗り込んだ。

道中音楽とかかけようという気にもなれず、実家に着くまでは無言だった。

そして自宅から帰る時車に乗って帰るかどうか考えた。その前に御守りをもらいに神社に入ったが。


その後、結局車には乗らず、電車で帰ってきた。当分は車は無理そうだ。

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