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人生(をかけた)ゲーム  作者: 不知炎
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1章 『神からのお告げ』

  「おはよう・・・。ふぁぁ、寝みい。」

「おはよー。って、日曜だからってそんなぼけーっとしてないでよ。楽くん。」

早朝から説教をくらってしまった俺の名前は一ノ瀬 楽斗。年齢は29歳と、すっかり社会人だ。今はごく普通の会社に勤め、まあまあ出世し、そこそこ良い生活ができている。そして、幸せなことに会社の同年齢の女性と結婚し、こどもを一人授かることができた。前で“そこそこの生活”と言ったが、これは訂正しておこう。俺は正直、とても幸せな生活を毎日送っている。そんなある日、

「楽く~ん。郵便来てるわよ~?手紙かしら?」

「おいおい。いくら元気だからって、もうすぐ出産予定の妊婦さんがうろうろするなって。」

軽く先ほどの説教の仕返しをしながら、妻から手紙?を受け取る。

「誰からだよ・・・。って、差出人書かれてねーし。怖いな。」

そう言いながらも、俺は封筒を開けた。やはり、中の物は手紙であった。

『一ノ瀬様、この度は第一子のご妊娠おめでとうございます。そこで、唐突ではありますが、ご主人様にお子様の“人生”を作成していただきたいと思います。拒否した場合、お子様の“人生”は無いものとなり、出産と同時に終わりを迎えるでしょう。○月×日、下記の住所まで起こしいただけることを心からお待ちしています。すべてはお子様のために。』

文面の通り、下には見たこともない住所と、おそらくそこであろう地図が添付されていた。俺はとても動揺している、子どもの人生を作れ?来ないと出産と同時に終わりを迎える?それは俺らの子が“死ぬ”と言うことだろうか。俺はこの文の意味がさっぱりだった。

「ねえ~、誰からだったの~?」

半分放心状態にある俺の手から、妻は手紙を引っ張り、文に目をやった。やはり、妻も何がなんだかさっぱりなのだろう。手から手紙を滑り落とし、しばらく黙っていた。

「・・・ねえ、楽くん?新しいゲームでも始めたの?」

「んなわけねーだろ。俺、ゲームとかあんまし得意じゃねーし。」

「お子様って、この子のことよね・・・。楽くん、どーしよ。」

そう言いながら、妻は大きく膨らんだお腹をさすった。きっと、“終わりを迎える”というところにショックを受けたのだろう。彼女の目尻が、少し潤んでみえた。

「どーしよって・・・。とても信用はできねーけど、もし本当に赤ちゃんの命に関わるってなってんだったら、行くっきゃねーだろ。」

俺は、スリープ状態だった脳を精一杯回し、状況を整理した。その結果編み出せたのが、今さっき言った言葉だった。

「でも・・・、危ないよ。もし楽くんの身になにかあったらどーするの?」

「正直、俺も怖いよ。でも、その子の命が係ってるかもしれないんだ。迷ってる暇なんてないよ。」

「でも・・・。うん、わかった。楽くんがそう言うなら私は信じてるよ。」

「ありがと。えっと期日は・・・、明日の夜か。じゃあ、早めに会社上がってくるとするか。」

今日はその後、この話題に触れることはなかった。

 

 次の日の夜・・・

「じゃあ、行ってくるな。どれぐらいかはわかんないけど、俺がいなくなる間大丈夫か?」

「うん。おねーちゃん呼んどいたからだいじょぶ。心配しないで。」

彼女の言葉はとぎれとぎれで、不安を隠しきれていなかった。

「そーか、ならよかった。お義姉さんにはあとでお礼しとかなきゃな・・・。んじゃ。」

そう言って、俺は家を出た。なんだかいつもより扉が重かったのは、俺の緊張のせいだろう。俺は車に乗り込み、手紙に記されていた住所をカーナビに打ち込んだ。しばらくすると、“案内を開始します”という無機質な音声が流れた。

「んなっ!?」

俺は、カーナビに映された地図を見て驚いた。川をつっきったり、道路を表す白線がなかったりと、自分が通っていく赤い線が示すルートは、変なところだらけだった。車は中古のためカーナビだけ最新のものに取り替えたはずなのに、新しい道でもできたのだろうか。

わずかな不安をかかえながら、俺は車を走らせた。

それから数十分がたっただろうか、目的地まで残り数キロとなった。あたりの景色はというと。木に囲まれた一本道だった。市内でも比較的都会なほうに俺は住んでいたつもりだったので、その光景は新鮮且つ意外だった。

『目的地周辺です。この先注意して走行してください。』

「着いたか。・・・!?」

言葉を出すことさえ忘れてしまった。先ほどの木に囲まれた一本道から抜け出したと思って、一安心した俺の目に飛び込んできたのは・・・。

一つの大きな洋館だった。


初めまして、不知炎しらぬえんです!

今回初投稿の作品(と言っていいのだろうか)となりますので、拙い文となってしまってると思いますが、それでも楽しんでいただけたら幸いです!

感想欄に感想などなどお待ちしてます!

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