登場人物紹介
朝桐八雲・・・城主の三男・景雪に、近侍として仕える若者。家老・朝桐常盤の次男に当たる。ただし、兄・北斗は、若くして他界している。剣の腕は相当なものだが、不殺生を志す、お人好しで律儀な若君。
篝・・・赤子の時分、森の中の古い村に捨てられた娘。付喪神と呼ばれる、器物に霊魂が宿った妖たちに育てられる。心根の真っすぐな、優しい娘で、傷を負った八雲を介抱する。森から城下へ出たことがない。
付喪神
銀・・・漆黒の髪と、白銀の瞳を持つ、武人風の青年。彫り物かと見まがう整った顔立ちだが、寡黙で、表情はほとんどない。
早蕨・・・好奇心旺盛で、活発な少年。大きな瞳と、くしゃくしゃの短い髪は、鮮やかな緑色。
木蘭・・・深藍の髪を結い上げ、紫染めの衣を纏った、美貌の女性。面倒見の良い姉御肌。
柳葉・・・博学で頭の回転が速い、官人風の青年。翡翠色の瞳を持ち、茶髪を一本に編んでいる。
鈴・・・衵姿の、愛らしい盲目の少女。蘇芳色の髪を二つに振り分けて、耳の下で結い、そこに鈴を付けている。
宵闇・・・背の高い僧衣の男姓。鈍色の長髪に、くすんだ金の瞳。常に柔らかく微笑んでおり、低く響く声は穏やか。
稲荷・・・森の村に結界を張っている守り神。金の髪と瞳、白い狩衣を纏った青年の姿で、祠に現れる。奔放で気まぐれ、何を考えているのか分からない、変わり者の神。
樟井景雪・・・苑枝の国の城主・樟井義景の三男。野心のない鷹揚な性格で、武芸より書物を好む。獣の妖の噂を案じ、八雲に調査を命じる。
菱木慧四郎・・・北斗の乳兄弟で、今は八雲の側近くに仕える武人。ゆったりとした風情の、穏やかな男。
螢火・・・朝桐家に仕える家人。美人だが、目つきが鋭い。生真面目な性格。
鬼灯・・・朝桐家に仕える家人。調子良く軽口を叩く、螢火の弟。
優月・・・八雲の妹。口が達者で明るく、兄によく懐いている。
露香・・・半年前に、隣国金門の国から輿入れしてきた、景雪の妻。
結・・・城下に暮らす、組紐屋の娘。
伊折・・・結の許婚。鍛冶屋の息子。