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紙芝居

作者: せおぽん

昔、紙芝居屋だったという祖父の遺品の中に古い紙芝居を見つけた。手書きの紙芝居だ。画用紙に水彩絵の具で描かれている。画用紙の裏には、紙芝居の物語の内容が書かれている。ところどころに、赤文字で、演出の要点が書かれていて祖父のこだわりの強さが思いだされた。


1枚づつ確認してみる。祖父はなかなかに絵がうまい。物語もわかりやすい。


祖父にこのような才能があったのか。と感心して読み進めていたが、どうも1枚足りないようだ。


物語の内容は、戦争から帰った若者が、失ってしまった大切なものをとりもどす物語だった。


彼は、故郷の土地を耕し、小さな商売をし、家を建て、懸命に働いて、元の生活を取り戻す。最後は主人公の満面の笑顔のアップで完結している。


そのような話で、ストーリーは充分に繋がっている。だが、どうも1枚足りないように思えるのだ。


主人公は、物語の始まりから苦労をし、厳しい表情をしている。その表情が徐々に穏やかになっていくのだけれども、ラストの満面の笑顔に至るには、もう1枚足りないように思えるのだ。



紙芝居を家に持ち帰ったあと、ふと嫁を見て思い出した。


足りない1枚を、私は見たことがある事に気づいた。


祖父の家に飾られていた、美人画だ。

黒い髪、優しげな瞳。誰だろう?と思っていたけれど、あれは10年程前に亡くなった祖母の肖像画だ。

祖母の若い頃の絵だった。


紙芝居の主人公は祖父で、ラストの満面の笑顔の理由は、最愛の人を手に入れたからだったのだ。



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