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第70話「身体強化レベル」

「うっひょー!おっ宝♪おっ宝♪」


トラップにペイントを行い、ラクスが全力でアイテム回収を行う。カリスとドナーは「あんなキャラだったっけ?」と思いつつ、アイテム回収を手伝っていた。


「おっ!これバックラーだ!カリス!バックラーだぞ、これ装備してくれ!あっ!こっちにロッドがある!これは……水晶が赤いな。炎系のロッドかな?」


バックラーはそこまで大きくない盾で、盾側が丸みを帯びている。攻撃を受け止めるよりも、受け流せることができる盾だ。



「おお!これは……剣だ。何の剣か分からん。帰って武器マニアに見てもらおう。ぬぅあ!この本は、メッキの書だ。読むぞ………フムフム……キラリン✨…おぉ!魔法で俺のダガーにメッキがかかった!」



大興奮のラクスに、他3人は呆れながら見守っていた。

「お兄ちゃん、なんか変だよ」


あまりにもあの商人が潜るダンジョン仕様なので、まるでゲーム感覚で楽しくなっていく。全ての武器・防具・アイテム・お金・良く分からない本等をバックに詰め込んで、先へ進んだ。階段を見つけるが、その場所が広くなっており、魔物がポップする気配もない。一旦ここで食事休憩をとることにする。



マジックバックから鍋や食器、食材を取り出すと、刻んで煮込んでいく。




「ラクスのトラップと魔物感知はすごいな、あれどうにかして俺にも出来ないかな?」


「あぁ足の身体強化でも出来るぞ。トラップもきっと感知できる。足強化レベル3だ」


「足強化レベル3?」


「そうだ。身体強化はある一定の練度や魔力量で、使える技が増えていく。足だと……」

レベル1:脚力の強化。素早く動く、高くジャンプするなど。

レベル2:高質化して破壊力を上げる。

レベル3:足音を消す。足から伝わる振動を感知する。

レベル4:100m範囲内での超高速移動。魔動攻撃

レベル5:・・・


「俺は今レベル4まで使える。魔法でも感知できるが、足でも感知が可能だ。レベル3の技だな。他の能力で重複する部分もあって、部分強化の研究はあんまりできていないんだ」



ラクスはヘラクレスの「転生記」を読み、身体強化の神髄を勉強した。身体強化で出来る幅がかなり広がっていた。レベル4までとは言ったが、既にレベル6まで強化できている。ヘラクレス様様だ。だがこれはカリスの魔力量や成長度合いを考えると厳しい内容だった。地道にレベル3を目指してもらい、可能ならレベル4が限界だろう。



「なぁ、魔動攻撃って何なんだ?」


「カリスはレベル2だろう?まだカリスには早いと思うが……」


「いいじゃんか!夢見させてくれよ!」


「まぁそうだな」


ラクスは立ち上がると、足を強化する。魔力の流れが大きくなり、片足を上げて高速で蹴りだした。

ボッ!!という音と共に、足の周りの魔力そのものが飛んで行く。迷宮の壁に激突し、壁の一部が粉々になった。



「す、すげぇ。足技でこんなことまで出来るようになるのか……」


「カリス、正直カリスがこの技が出来るようになるか分からない。魔力量や魔力制御が難しいからだ。しかも相当の練度が必要になる」

(まぁ俺は結構すぐ出来ちゃった、なんて言えないけど)



「分かってるさ。レベル3が出来るように地道に頑張って、出来るようなったら次を目指す!」

「その意気だ」



実はこれは手の身体強化も同じことが出来た。ストリートで行われれるファイターたちが繰り広げる技の一つに、波動を飛ばす技があったので(あれできないか?)と思い立ったのだ。


しかしラクスは波動は扱えないので、魔動と名付けていた。

魔力を手に集中し、指を曲げて両手の付け根を合わせ「魔動拳!」と叫んだところ、魔力が飛んで行った。なお、火魔法を混ぜ込んで「炎魔動拳えんまどうけん!」と叫ぶと炎の魔力が飛ぶ。風魔法を加えると「真空魔動拳」となり、敵が切り刻まれる。



ただこの強化は、魔法使った方がよっぽど早いし隙がない。身体強化しかできない人向けの魔法みたいなもんだと感じている。もっと深く研究したら、もしかしたら強くなれるのかもしれないが。




干し肉と野菜のスープとパンを食べ、お腹が満たされた。30分ほど休憩した後、下の階へ進む。



「お兄ちゃん、この階はリリーがいってもいい?」


「お?いいぞ。じゃあトラップの位置とか……」

「それもリリーがやる」


「え?できるの?」

「たぶんできる」


「ま、マジか……教えてないぞ」



念のため、ラクスもトラップ位置を確認しながら進んでいく。ラクスが(あそこにトラップ発見)と思った瞬間に水魔法に色を付けて「ペッ」と印がついた。その後もトラップを見つけると「ペッ」「ペッ」とマークが記される。


(リリー、お前は……)



「お兄ちゃん、どう?見つけてないトラップはある?」

「いや、ない。リリー凄いぞ」

「リリーちゃんも出来るの?兄妹そろって凄すぎよ」

「どうなってんだ?この兄妹は……」



どうやら敵の位置も確認できているようで、視認した瞬間、倒されていく。


(リリーに出来ないことはないかもしれない。ただ……)


「リリー、攻撃するときの魔法は水を口から入れて爆発させる以外の魔法はあるか?」


「んーん、ないよ。これだけ。あとはタイダルウェーブの小っちゃいのと大きいの」


(小っちゃい?調整できるのか?)




「そうか、さっき上の階でドナーに教えたこと覚えてるか?」


「うん!……でも敵が少ないから使えなくて」


「あ、なるほどね。でも敵が少なくても練習はできるぞ」


「じゃあ次のやってみるね。あと少しで4匹来るから」


(正解。4匹、30秒程度……1匹は魔力結構強いな)




魔物を視認する。


「おいラクス!ヤバイぞ!」

「リッチよ!魔法を使ってくるわ!」


(さて、リリーがどう対応するか……リッチ1、スケルトン3だが、通常のスケルトンじゃないな)


一体のスケルトンが素早く弓矢を放つ。リッチは呪文を唱え始め、1体はリッチを守り、1体が突っ込んでくる。

(連携がとれている。これは……もしかして冒険者の?)



リリーが迫って来るスケルトンの方へ移動しながら、無言で50cmくらいの水の塊で矢を包み込み、そのまま矢を落とす。


「座標!?それも移動しながら飛んでくる矢に……お、お兄ちゃん、教えてないぞ」


こちらへ来るスケルトンに向かいつつ、左手刀を構えるとリッチと守るスケルトン、アーチャースケルトン?へ無言でウォーターカッターを連続で打ち出す。リッチは一旦呪文を止め、バリアのようなものを展開した。スケルトンとアーチャースケルトンはなすすべなくウォーターカッターでバラバラになり、消えていく。


リッチはバリアでウォーターカッターの初撃を止めたが、連続で打ち出されたウォーターカッターでバリアを砕かれ一撃が入った。かなりのダメージのようで、後方にのけ反っている。


向かってくるスケルトンへ右手を出し、ウォーターボールのような2mほどの水の塊が発射された。スケルトンは水で包まれ、リリーが右手を握りしめると、スケルトンが水の塊ごとグッと20cmくらいに圧縮され、ボチャりと落ちた。この間5秒程度。




「強すぎだろ、お前の妹」

「あり得ない…なにこれ……」

「ス、スゴイデスネー」



リッチ1体となり、リリーはゆっくり近づいていく。態勢を整え、状況を確認したリッチは逃げ始めた。リリーが手刀を振ると、リッチは真っ二つになって「おぉぉおおん……」と言いながら消えていった。



「お兄ちゃん!どうだった?リリー強い?」

「あ、ああ。お兄ちゃんより強いかも……」

「そんなことない!お兄ちゃんが世界一」

「そ、そうか。教えてないのに、どうやって使ったんだ?」


「うーんとね、お兄ちゃんをずっと見てたらできた」

「そんなんで!?」

「うん、そんなんで!」


天才以外の何物でもないと思うラクスだった。

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