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第52話「転生定型加速」

カキーーーーン!!!



「オーライ!オーライ!」

パスっ!

「よっしゃー!我らバルクロイド野球部のしょーーーりーーー!!!」

「「「「「「やったー!優勝だーーーー!!!」」」」」」

「うおぉぉぉおおお!」



ラクスは王都に赴いていた。ハロルドタウン出身者、カリスは領都バルクロイド校野球部に在籍しており、「次の試合勝ったら優勝だから、是非観戦しにきてほしい」とラクスに招待状を出していたのだ。


カリスにとってラクスは村での魔法の師匠であり、自身の身体強化を進化させてくれる神のような存在で、崇拝に近い感情を抱いていた。


ラクスにとっては非常に有難迷惑な話しだったが、王都がどのようなものか一度見てみたいという興味もあり、領主様への了解を取って、現在王都へきて野球観戦をしているのだった。


(なぜ!?なぜこの世界に野球がある!?ミラー教といい、野球といい、日本的だ)



なぜと思いつつ、思い当たる節はある。ヘラクレスだ。ミラー教も野球も、何と2,000年の歴史がある。2,000年続く宗教も脅威的だが、2,000年も続く野球なんて意味が分からない。



ヘラクレスが生きた時代、あの人は教祖であり創始者だったのかもしれない。



2,000年続く野球とはどう言うものなのか?見てみたが一部を除き、普通だった。そう、身体強化ありと言う点以外は。



この国はまだ魔法が未発展だ。何となく身体強化して野球を行っている。まぁそれでも常人ではあり得ないほどの動きだ。大リーグを見ているようだった。最も速いピッチャーで球速は170㎞前後。14歳~18歳くらいで、だ。足もクソほど速い。そのため地球の野球よりも全体的に球場が広めなんじゃないかと思う。



カリスは他の選手と比べ、飛び抜けて足が速い。守備はショートである。セカンドとサードの間だ。守備範囲の広さが異常で、相手がショート側へ打ったら全てアウトになってしまう。


決勝では対戦相手がカリス対策として左バッターばかり揃えてきたが、バルクロイド野球部はそんな奇策が通用するような弱いチームではなかった。



ちなみにこの世界にプロ野球チームはない。草野球チームは複数存在しているが、学校を卒業した後はそれぞれどこかで働きながらたまに集まって野球をしているようである。

(プロ野球か……将来作れたら楽しいだろうなぁ。バルクロイドビッグボアーズ……なんちって)



カリスはハロルドタウンから領都へと来て、1年間冒険者として学費を稼いだ。高速移動から繰り出される足技で、武道家として頭角を表し、同郷の魔法使いである、自称「獄炎のドナー」とあと2人の即席メンバーとで迷宮の深層へ行き、結構なお宝を持ち帰った。



そのお宝を売り、山分けしてパーティは解散。「獄炎のドナー」と共に領都学校へ入学する。


そこで出会った野球にのめり込み、1年足らずでレギュラーに。更に1年でチームNo. 1プレイヤーとなる。今はショートをしているが、来年はピッチャーとなり、エースの称号である背番号「1」をつけるのが今の夢だ。



それと最終目標は『ラクスからヒットを打つこと』である。領都でラクスを見た時は驚いたが、すぐに声をかけ、いろんな話をした。



その中で野球にハマっていると言ったら「野球!?野球あんの!?」と酷く驚いた様子だった。ちょっとだけやろうという話になり、ラクスがピッチャー、カリスはバッターをした。



ラクスが軽く投げた玉をカリスが軽々と柵越えしてしまう。「なんだ、ラクス。大したことねーな」と言ったのが悪かったようだ。何かを呟いたと思ったら、目に見えるほどの魔力がピッチャーマウンドとラクスを包み込み、天高くまで立ち昇っている。



カリスは倒れそうになる程圧力を感じていたが、これは真剣勝負だと、俺は負けないと、踏ん張った。



放たれたボールが、いや、放たれたであろうボールはカリスには見えなかった。「ドバンッ!!」と言う音と共にバックネットの下、石で作られている部分にボールがめり込んでいた。


あまりにも速すぎたのか、煙が出ていた。

「なん…だと……。これがお前の…いやラクスの…いや、ラクス様の球なんですね!」

この日からラクスの信者となった。


(打ってみたい。この球をいつか!俺は神に挑むんだ!!)これがカリスの夢となっていた。





「4対1か。あー、良い試合だったなぁ。この後はゆっくり王都散策でもするかなー」

「おーい!ラクスー!」

「げっ、クリストフ様」

「何か今「げっ」て聞こえたような気がするけど、気のせいかな?」

「きっと気のせいです。なぜこちらにいらしてるんですか?」

「え?兄に聞いてないの?ラクスは今日の夕方からフランクド国王様と謁見だよ、私は君の付き添いだね」


「私はクリストフ様が仰ったことは聞こえませんでした。それでは私は非常に大事な所用がございますので、さようなら……」

「おっと、逃がさないよ。逃げられたら私の首まで飛んじゃうからね。大事な所用ってどうせ王都散策でしょ。地獄耳ビッグイヤーできるようになったんだよねー」

「………」




「王様に会うなら会うで先に言って下さいよ!」

「そんなのは兄に言いなよ!それに先に言ったところで逃げ出すだろう?君は」

「ははっ!当たり前です!」



(あぁ、ついに王様に見つかってしまった。転生者あるあるだな。王様に会って無理難題を言われ、それをクリアしたら気に入られて姫と婚約する未来が見える)



「そもそもこの話は国王様側からの直々の指名なんだ。断れない」

「へー、そーですかー」




「あぁ、それと君は私の娘のラミアーナと婚約したことになってるのでよろしくね」


「展開が早すぎて付いていけない!」



お読み頂き、ありがとうございます。


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