第二章 男の最初の償い
「ゔぅ…ここは…どこなんだ...?」
俺は薄暗いコンクリートの壁に囲まれた部屋で目を覚ました。
「何でこんなところで寝てんだよ、」
なぜかここに来るまでのことは全く覚えていない。
静まり返る室内に、突如として機械的な声が響き渡った。
「これより、30のミッションをクリアしてもらいます。」
音声は機械のように冷たく、どこから聞こえているのかもわからない。感情の少しも感じさせないその声は僕をとても不安にさせた。
アナウンスを聞いた後、目の前の扉の鍵が開いた。僕は恐る恐る扉を開け部屋の外に出た。そこは外ではなく廊下だった。
そして僕が入っていた部屋と同じ部屋がたくさん並んでいた。
「なんだよ…ここ…」
ここはまるで刑務所の中の独房のようだった。
そしてそこには僕と同じ、アナウンスを聞いて外に出てきた人が沢山いた。
「ここどこなの?」
「誰か!ここから出してよ!」
中にはお年寄りもいた。
僕は恐怖を感じながらも、少し安堵した。
安心していたとき、また不気味なアナウンスが流れた。
「あなたたちには30のミッションをクリアしてもらいます。タイムリミットは服の胸のあたりに書いてある通りです。1日に1つミッションを行うことができます。最短で30日間で外に出ることができます。」
僕の胸には1年と書いてあった。
「1年あれば余裕でクリアできる、、、!」
僕はほっとして胸を撫で下ろした。
ふと、隣にいた男性の服を見た。そこには30日と書いてあった。
(なんで人によってタイムリミットが違うのか。タイムリミットを過ぎるとどうなるんだ。)
僕はそんなことを考えながら恐怖を感じていた。
再びあの不気味なアナウンスが流れた。
「それでは第1ミッションを行います。第1回目のミッションは、『ジャンケン』です。モニターに表示されている人にジャンケンで買ってください。」
「なんだ、30のミッションってたいしたことないんだ。」
僕は少しほっとし、列に並んだ。出遅れたため一番後ろだった。
「おい!どこに連れて行くんだ!」
場は静まり返った。なぜかジャンケンで負けた人が次々と連れて行かれる。
(おいおい、どういうことだよ、、、)
負けるとどこかに連れて行かれるということを知った僕は、だんだんと焦りを感じていた。
そこでついに僕の番が来た。僕は勝つことを心に誓って勝負をした。
「最初はグー、じゃんけん、、、ぽん!!!」
モニターはグーを出し、僕はパーで買った。
「やった、!勝った、、、!」
僕は安堵した。
その時、またアナウンスが流れた。
「これで第一ミッションを終了します。勝った方は明日の第二ミッションを行ってください。」
他の人達は自分の部屋に戻り、明日に備えて睡眠をとった。
僕はミッションを失敗することへの恐怖で寝つけなかった。