謎の女
◇◇◇
「......」
おじさんと言われた衝撃でつい手を離してしまった。その隙に重要参考人と少年は改札を抜けて行った。
「やめとけ有原。あれは俺らの手に余る相手だ」
同期の古川がスッと隣に現れた。
「手に余る相手?」
「お前も噂は聞いたことあんだろ。さっきのBAKUの八神香織だぜ」
「あれが⁉︎」
警察と持ちつ持たれつの関係であるBAKU。
八神香織は本部直属の特攻支部司令官に最年少で抜擢されたと聞く。
「ああ、間違いない」
「お前はなんで八神香織を知ってる?」
噂は聞くが顔は公表されていないはずだ。
「ナイトメア事件の時に見たことあるんだよ」
「なるほど」
どうりで肝が据わっているわけだ。
自分も死ぬ可能性があったこの状況で、あの冷静さと咄嗟に立てた作戦の完成度。
そして作戦を立てる早さ。
経験がなければまず作れない。
最年少で抜擢されたのも納得だ。
古川も頷きながら八神香織が消えて行った方向を見ている。
「すごいのは分かったが、重要参考人であることに変わりはない。面倒だがBAKUに出向くか」
警察とBAKUの間柄、上に話を通してから出向いた方が良さそうだ。
「ああ、俺も同行するぜ。それにしても噂通りの美人だよな...痛!」
古川の頭を叩いて山口の元へ向かった。