第一話 紅蒼の奇想幻郷 -A visionary dream of the Red Rose-
黒暗の中、僕はただ一人立っていた。
そんなときある声が聞こえた。
「・・・て」
て?うまく聞きとれない。
「た・・て」
「た・けて」
?何を言ってるんだ?
「助けて‼︎」
あまりの声に、起きてしまった。
自分の周りを見て見るが、自分の部屋だった。
「なんだ夢か・・」とポツリと言い、時計を見る。
「まだ、夜かよ・・」そう見たときは、ちょうど23時ごろだった。寝たのは、22時だけど、あれから1時間しか寝てないことになる。
「はぁ、気分がてらに散歩するか」と言い、静かに家から出た。さすがに、こんな夜おそくに散歩する人は、いないかと思いながら散歩していった。
「そうだ、あの近道を通って行こう」
この街に住んでいる人しか知らない近道があり通学するときも、よくこの道を使う。
「とりあえず公園まで行くか」
と自分に言い、公園まで行くことにした。
だが、歩いているうちに、だんだんと空気が変わり、風景もだんだん赤くなっていくのに気づいた。
「な、なんだ⁈何が起きているんだ⁈」と思った瞬間、どこかで爆発音がしたのだった。
「本当に何が起きているんだよ!」
ついさけんでしまったが、だんだんと爆発音が近づいてきた。
これは、まずいと思ったがそれもおそかった。
「な、なんで、もどれない!」
来た道に戻ろうとしたが、そこに壁があるかのような感じで、もどれなくなっている。
「ど、どうしたらいいんだ⁈」と言った瞬間、
「助けて‼︎」という声がした。
「こ、この声は・・」
そう夢の中で聞いたのと同じ声だった。
そう気づいたと同時に、声のする方へと走って行った。
さいわい、この道は、本におおわれていたから、隠れながら探すにはぴったりだった。そして、見つけたが、言葉を失った。それもとうぜんだ、だってそこにはボロ服を着てる女の子がいたからだ。だか、違和感もあった、首に包帯をしていて、耳が長かった。なにより驚いたのは、背中にきれいな羽だった。きれいだけじゃない詳しく言えば、透きとおるような羽をしていた。
「君は誰だ?」
と言葉と発してしまった。
「!?」
僕の中に気づいたのか、驚いたのと同時におびえていた。
「あなたは、誰⁈私を殺しに来たの⁈」
僕も驚いたが、すぐに言った。
「いや、違うんだ‼︎助けてって声がしたから来ただけだ‼︎」これを言うしかなかった。だが、
「そうなの。それならよかった。」
とその女の子は、安心したような表情を見せた。