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5話【可哀想に、やっちゃってるね。】


金髪碧眼の11歳の美少女は、裸足でボロボロの茶色い染みだらけの服を着て、道を歩いていた。


すれ違う人々は、彼女をただの孤児だと思い込んでいた。しかし、その次の瞬間、目の前が自身の血で真っ赤に染まってしまうのだった。叫び声が上がり、人々は彼女を化け物だと恐れた。


少女は無慈悲にも村の人々の命を奪って回った。そして朝になれば、人一人いない村の中で一人、食事をとりベッドで眠る。端の村から順番に、毎日毎日それを繰り返した。


だが、少女の噂は広まらなかった。彼女を見た者は全て、一人残らず帰らぬ人となってしまったからだ。


彼女が起きている間は、走っているか、命を刈り取るかのどちらかだった。



数週間かけて、とうとう薄汚れた帝都に到着した。帝都外の全ての国民の命を奪ってから、彼女はここに来た。物流が全て止まり、人手も不足し、かつての黄金帝国と呼ばれたケイロス帝国は滅亡寸前に追い込まれていた。


少し時間を遡って、ケイロス帝国皇帝、グローリア・アビス・ケイロスは、玉座にゆったりと座り、端の村が何者かによって皆殺しされているとの報告を受けた。


彼は不老不死として帝国内で有名な存在だった。黒い髪は綺麗におかっぱに整えられ、赤い瞳はルビーのように美しく、容姿は子供のままであった。しかし、その少年の顔には威厳が漂い、彼の存在自体が帝国の全てを支配しているかのように思われた。


玉座の周りには贅を尽くした装飾が施され、指には大きなルビーがはまった指輪をつけていた。まさに、暴君のような出で立ちをしていた。


「端の村か、ほっておけ。貧乏人共を始末できて良かったではないか。人の足跡はなかったのだろう?熊か何かに襲われたのであろう。」皇帝は冷淡な口調で言った。


報告を受けた役人が続ける。「はい、どこかの軍隊らしき足跡はありませんでした。しかし、血のついた裸足の子供足跡が確認されています。」


「どうせ親を失った孤児が歩きまわったのであろう、放っておけ。」皇帝は無関心そうに答え、玉座に座ったまま、次の報告を待った。


しかしこの報告は1日、また1日と上げられたが、グローリアは無視をし続けた。

「子供に何ができるというのだ。獣に襲われたに違いない。」

八つの村が滅ぼされて、やっと帝王は重い腰を上げた。絶え間ない嘆願と叫び声の後、彼はついに行動を起こす決断をしたのだ。

帝国騎士団を派遣し、この深刻な問題を解決するよう命じた。しかし、彼らが派遣されてから数日が経過し、彼らの姿を待ち続けたが、一人たりとも帰還することはなかった。絶望と混乱が帝国を襲い、その恐怖の影はますます広がっていった。

大臣や重役たちは、帝国の存亡をかけて独自に動き始めた。しかし、彼らの努力も虚しく、次第に全てが破滅へと向かっていった。彼らもまた、帰らぬ人となり、その行動は帝国の滅亡を加速させる結果となった。


一方、帝国の人々は絶望に包まれた。他国への亡命を試みる者たちもいたが、謎の結界によって阻まれ、逃げることすら叶わなかった。絶望の中で彼らは孤立し、滅亡への道を歩むこととなった。



孤独な玉座に座るケイロス皇帝。その魅力的な瞳が冷たく輝き、王国の運命を見据えていた。彼の口元には、優雅な微笑みが浮かび、その存在はまるで永遠に続くかのようだった。


「民草等、また拾って増やせばいい。私の時間は無限だからな。」


その言葉には、皇帝の傲慢さと不敵な笑みが込められているようだった。彼の目は閉じられ、まるで帝国の未来を見据えているかのように思えた。


――――――――

―――――――


拝啓、存在しているのかどうか分からないお母さんへ。


この手紙を心の中で書いている今、私はまさに映画の主人公のような地獄の境地に身を置いています。私は数えきれない人々の命を奪い続けています。その光景は、まるでグロテスクな映画の一場面のようです。感触や匂いまでがリアルに伝わる、あまりにも恐ろしいR18映画のような日々を過ごしています。


私は自らの行いに対する罪悪感と戦いながら、必死に精神を保とうとしています。全てが終わった後には、聖女としての使命を全うし、平凡な幸せを求めて、誰かと穏やかな日々を過ごしたいと思っています。


足は裸足での行動のせいでひどく痛んでいます。しかし、その痛みも何もかもがこの終わりのない地獄を象徴しているようです。私はただ、この苦しみが終わってくれることを願ってやみません。


どうか私の無念さと苦しみを受け止めてください。そして、私がこの地獄を乗り越えられるよう、祈ってください。

あなたの娘より


等と存在していたかどうかも分からない母に心の中で手紙を書いてしまうほどに病んでいた。


傷ついた体を抱え、リアは帝都へと辿り着いた。その姿はまるで聖なる怒りの化身であり、彼女の周りには光の玉が無数に舞い踊りながら、その放たれるエネルギーは多くの人々を内側から破壊していった。


その光景はまるで転生漫画の一場面を思わせるものだった。しかし、リアの心はそのようなことには留まらず、自身の体の傷を癒してほしいという願いが深く刻み込まれていた。


私の体は、自らの足を見つめたままじっとしていた。


『もしかして、強く念じれば通じる!?』と心の中で思いながら、リアは自分の体に対する願いを力強く込めた。『治せ~!!治せ~!!もう毎日毎日痛すぎて、ずっと寝不足なの!!強制的に意識は閉じられるけどね!?精神は病みそうなの!!お願いだから治して!!』


聖なる光を手に、リアは自らの足の裏を治療するために力を込めた。その光はまるで神聖なる力のように輝き、彼女の足に癒しの光を注ぎ込んでいった。


『もう天にも昇るような気分になった。はぁ~できれば、もう歩かないでほしい。』毎日歩き回ってるせいで膝の裏が異常な痛みを発している。


この苦しみはいつまで続くのだろうか。思えば、この旅はリアにとって長すぎる道のりだった。


『これが最後の試練って馬鹿じゃないの?拾ってもらった恩を5倍返しくらいしそうな勢いよ!?

普通なら今頃王城で優雅に祈りを捧げる毎日を送ってるはずなのになぁ。絶対聖女がやる事じゃないよ。むしろまだ聖なる力を失ってないのが不思議なくらいだよ。』


帝都は広すぎる。時は遅々として過ぎ、その間、私の心には祈りが絶えず浮かんでいた。

目の前で血の舞う光景を見つつ、希望を失わずに何度も何度も祈り続けた。終わりが来ることを信じて。


突然、リアの頭に物語の出来事が鮮明によみがえった。物語の中盤で大主教様が亡くなり、結界が崩壊して隣国が攻めてきた。その戦いで、ヒロインである悪役令嬢が想像を超える力を発揮し、約3名の攻略キャラクターの好感度を爆上がりさせていたのだ。


『あーーーーーー!!!またやってしまったーーーーーーー!!ヒロインの方すみません!!王子と騎士と魔法士の好感度足りなくなっちゃうかもーーーー!!やらかしたーーーーー!!』


リアは慌てふためく心を抑えるのに必死だった。王子や騎士、そして魔法士との関係が悪化することを恐れ、彼らの好感度が足りなくなることを心配していた。自分の行動を抑えることができなかったことを後悔し、ただただ謝るしかなかった。


『ああ、絶対そうだ。隣国として描かれているのは、このケイロス帝国のことかもしれない。それから、大主教って、キルエルさんのことだよね?大主教っぽかったぞ~あの人!!たまにくるお客さんみんな祭服来てたし、みんな頭下げてたもん!!やっちゃったーー!!』

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