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聖女のやる事じゃない件について  作者: 無月公主


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33/43

33話【悪くない余興だったな。】

-立太子式当日-


立太子式の儀式は厳かな雰囲気の中で進行されていた。 会場は華やかな装飾で飾り立てられ、王国の未来を担う王子の誕生を祝福する雰囲気に包まれていた。


王族や貴族、重要な人物たちが列席し、その中には側妃エマージュの姿もあった。 しかし、彼女の表情は険しく、立太子式を見ることを恨めしそうな眼で注視していた。


エマージュは権力を手中に収めることを願っていたが、その野望が阻まれることを悟っていた。 彼女の心は不満と怒りで満たされ、その感情は儀式の静穏な雰囲気とは対照的だった。


しかし、側妃の不満や怒りも、立太子式の儀式を妨げることはできなかった。


立太子式の儀式は、王国の伝統に則り厳かに執り行われていた。


広大な礼拝堂には、壮麗な装飾が施され、壁面には歴代の王家の肖像画が飾られていた。 大理石の柱が儀式の行進路を彩り、柔らかな光が窓から差し込んで、会場を明るく照らしていた。 司祭が聖なる言葉を唱え、神の祝福を求める祈りが空間に響き渡る中、立太子候補であるルティー王子が正装して儀式の場に登場した。


彼の姿は王家の風格を備え、儀式の中心にふさわしい気品と威厳を放っていた。 彼が王家の継承者として選ばれ、王国の未来を担うことを誓った瞬間、会場には感動のため息が漏れた。


立太子式は祝福の言葉と共に進行し、王子が正式に王位継承者として認定されると、歓喜の声が広がった。 その後、王室のメンバーや貴族たちからの祝福の挨拶が行われ、儀式は壮大な祝祭として結びつけられた。


―――――――――

―――――


「なんっだ~!?これは~!!」


廊下に響くアビスの怒りの声に、空気が一瞬にして凍りついた。 その声には激しい怒りと憤りが籠もっており、まるで雷鳴が轟くかのような迫力があった。


周囲の者たちはその声に驚き、息を飲んで立ち尽くしていた。 アビスの怒りの源を知る者はいないが、その声からは何か大きな出来事が起こったことを察知できた。


「一体、何が起こったのだ……?」周囲の者たちは不安と興味を交えた表情を浮かべながら、アビスの怒りに包まれた空間の中で、身を固くしていた。


アビスの足音が廊下に響く中、彼は勢いよくアメリアの部屋の扉を開けた。 その勢いに驚いたメイドたちが、一斉に振り返って目を見開いた。


アビスの顔には怒りの表情が浮かんでいたが、その瞬間、彼はアメリアの姿を目にして、一瞬ためらいが生じた。 アメリアは美しいドレスに身を包み、優雅に立っていた。 その姿はまるで宮廷の華やかな女性のようであり、アビスの心を奪うほどの美しさを放っていた。


アビスは口ごもりながら、アメリアの美しさに圧倒された。 「あ、アメリア……」彼は言葉を詰まらせ、その美しさに見とれていた。


アメリアの身に纏われたドレスは、赤と白を基調として美しく調和されていた。 その豊かな赤は、まるで夕焼けのような深い色調であり、彼女の肌をより一層美しく際立たせていた。 白い生地が細やかな模様で織りなされ、それぞれの糸が優雅に交錯して、まるで星屑のような輝きを放っていた。


ドレスの一部には、美しい金の刺繍が施されていた。 その刺繍は、まるで星座を描いたかのような細かな模様が施されており、その輝きはまるで夜空に輝く星々のように美しい光を放っていた。 華やかな装飾が、アメリアの身に纏われたドレスを一層際立たせ、彼女の美しさを引き立てていた。


アメリアの髪には、赤い薔薇の髪飾りが優雅に飾られ、ツインテールに結われていた。 その鮮やかな薔薇は、まるで朝日に照らされるような美しい輝きを放ち、彼女の髪を彩っていた。


髪飾りは、細かな花びらが繊細に描かれており、まるで本物の花が咲き誇るかのように見えた。 赤い薔薇の花びらは、ふんわりとした優雅さを漂わせ、アメリアの清らかな容姿と調和していた。


その美しい髪飾りが、アメリアの髪に飾られている姿は、まるで妖精のような可憐さを放っていた。


『アビス、どうしたの?』


アメリアがアビスに尋ねると、彼はハッとして我に返ります。 「お前なぁ、俺の衣装を勝手に書き方えだろ!」 と控えめながらも、文句を口にします。


『あっ!やっぱり最高じゃん!天才じゃーん!!ソフィアさんありがとうございます!!最高です!』



アビスの装いは、王子らしさが溢れ、品格を感じさせるものだった。 彼が身に着けているのは、白いシャツとズボンに茶色のベスト、そしてメーベルの金の刺繍が施された赤いマントだった。 そのマントが、彼の背中から優雅に流れ落ち、彼の存在感を一層引き立てていた。


アメリアの希望通り、アビスの服装には特別な意味が込められていた。 彼は白い短パンを穿き、腰から伸びたベルトがガーターベルトのように彼の足を引き締め、長い靴下をずれないように支えていた。 その様子は、彼女の興奮をそそるようであった。


彼の服装は白を基調としており、彼の王子らしい風格を際立たせていた。 そして、持ち前の赤いマントが、彼とアメリアをペアにしていた。 その姿はまさに、王子と姫のような雰囲気を醸し出していた。


アビスはアメリアの姿を見て、心から愛おしさを感じた。 彼女が目の前にいるだけで、彼の心には暖かな感情が溢れた。 アメリアの美しさと可憐さは、彼にとって何よりも尊いものだった。


その瞬間、アメリアが日頃口にする「尊い」という言葉が、アビスの心に浮かんだ。 彼女の存在そのものが、彼にとって何よりも尊く、貴重なものだということを、彼は改めて感じ取った。


アビスは自分の心を抑え、冷静さを保とうと努めた。 彼はアメリアに微笑みかけ、「準備ができているなら、行こう。立太子式が丁度終わる頃合いだ。」と言った。


『え!?もう行くの!?緊張してきたんですけど!!』


アメリアはいつも通り無表情で、アビスの手を取り、一緒に会場へと向かった。 アビスは彼女の手を優しく握りしめ、会場の扉を開く。 その瞬間、まるで彼らは幸せの象徴そのものであり、会場の人々の視線を引き付けた。


アメリアの美しさはまるで宝石のように輝き、アビスの王子らしい風格も目を引くものがあった。 彼らの姿はまさに完璧なペアであり、会場の雰囲気に華を添えていた。


アビスはアメリアを優雅にエスコートし、会場に入る。 彼らの姿は、王室の気品と格式を感じさせていった。


ティアンナは会場に既にいたが、アビスとアメリアの登場に驚き、「結婚式か何かと勘違いしておりません事?」と呆れたツッコミを独りで呟いた。


会場内では、アビスとアメリアの姿に注目が集まっていた。 その美しい姿は、まるで王国の物語の主人公のようだと人々は感じていた。


「あれが婚外子の第二王子か。」という声が耳に入る。 一方で、「でも王族の風格があるな。」と、アビスの品格や威厳に感心する声もあった。


隣にいる美しい姫君についても疑問の声が広がった。 「彼女は誰だろうか?」「既に婚約者がいるのかしら?」 などと、人々は興味津々に話し合っていた。


会場は興奮と喧騒に包まれ、人々の期待と興味が高まっていた。


そして、椅子に座っていた王はゆっくりと立ち上がり、会場に響くように声を放ちました。

「我が国の民よ、よろしいか?」


その言葉に応えるように、会場には一斉に頷く者や喝采を送る者が現れました。 そこで、王は目を閉じ、深い溜息をつきました。


「我が国の第二王子、アビスよ。前へ。」


その時、会場の奥から静かに歩み寄る姿がありました。 赤と白の衣装に身を包んだアビスは、凛として王の前に立ちました。 彼の姿は王家の血筋を示す王族の風格を備え、会衆の注目を集めました。


王は再び声を張り上げ、会衆にアビスを紹介しました。 「我が国の第二王子、アビス・メロウト。彼こそが、我が王国の未来を担う若き王家の一員である。」


その言葉に、会場には驚嘆の声や拍手が湧き起こりました。 アビスは王の横に立ち、堂々とその場に居を構えました。


アビスの紹介が終わると、次は彼の隣に佇むアメリア・クラリアスへと注目が集まりました。


「そして、我が国の第二王子、アビスと婚約する者、アメリア・クラリアスをご紹介しよう。」


その言葉と共に、アビスの隣に佇むアメリアの方に視線を向けました。 彼女の美しさと気品ある立ち振る舞いに、会場からは歓声と拍手が湧き上がりました。


王は続けて言葉を重ねました。 「半年後には、アビス王子とアメリア・クラリアスの婚約式が執り行われることとなる。」


その言葉に、会場は更なる歓喜と喝采で包まれました。


そして会場の隅にノエル・クラリアスは王の言葉を耳にし、その表情は複雑なものとなりました。 彼の眼差しはアビスとアメリアに向けられ、静かな悲しみと苦悩がにじみ出ていました。


彼は何かを思い巡らせながら、辛そうにその場に立ち尽くしていました。

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