振り返ってみるとその2
二セット目を開始した。
最下段に位置どる。
考え事をするにはここしか無いでしょうよ。
私は演算の能力を発動した。
さて、どこからだっけ・・・そうそう。
ゴンガスの親父さんは・・・やりたい放題だな。
別に困って無いのでいいのだが、実際この人が一番遠慮が無いのは間違い無い。
赤レンガ工房は私の物なのだが、今では我物の様に振舞っているし、私の開発した物や異世界の知識から造った物のほとんどを親父さんが造っている。
別に良いのだけれど、もうちょっとは遠慮を学んで欲しいものだ。
でも正直期待はしていない。
だがせめて酒工房で造った酒ぐらいタダでくれてもよくないかい?
まあいいけどさ。
親父さんに常識を求めてはいけないからね。
けどいい加減飲酒後にサウナに入るのだけは本気で止めて欲しい。
そろそろ出禁にしようかと真剣に考えている。
だって先日親父さんの真似をしたドワーフを見かけたからね。
これは流石に不味いでしょう。
他者に示しがつかないからね。
監督者としてこれは認める訳にはいかないよね?
監督不行届ということで・・・いいんじゃないかな?
そう私は本気で思っている。
メルラドの食料飢饉は大きなターニングポイントになったと私は思っている。
実際あの件で大きな得を積むことが出来たし、転移扉を利用することによってサウナ島は次の段階に移行できたしね。
更なる発展をしたということだよ。
もうメルラドが食料飢饉に陥ることは無いだろう。
それぐらい転移扉ネットワークは機能している。
メルラドの件を得てこのネットワークを構築しようと考えたのは事実だからさ。
それにリチャードさんもここぞとばかりに外交に明け暮れている。
たまには休んだら?と言いたくなるぐらいだ。
それに加えてライブハウスの支配人までやってるなんて。
働き過ぎでしょ?
でもリチャードさんは呼びつけると何で毎回走ってくるのだか・・・
生真面目にも程があるよ。
更にアイリスさんのお陰でメルラドの農業は充実している。
そしてやっとメリッサさんが両親に会う事が出来たと、先日オリビアさんからは聞いている。
メルラドの古き悪しき慣習は変貌を遂げようとしているみたいだ。
よかった、よかった。
普通に両親ぐらいは会わせてあげようよ。
意味の無い慣習はさっさと捨てたほうがいいよ。
そう想いません?
オリビアさんはここに来て地味に頭痛の種になっている。
正確にはオリビアさんでは無く、オリビアファンクラブなのだが・・・
はっきり言ってウザい!
本気で解散に追い込んでやろうかと思うぐらいだ。
無遠慮に人のプライベートに踏み込んで来やがって。
そろそろ本気で殴るぞ!知らねえぞ!
お前ら纏めてエアーズロックから放り投げてやろうか?
煩いんだよ!
ふざけんな!
マリアさんは・・・好きにしてくれとしか言えない。
でも漫画の存在を知ってからのマリアさんの芸術力の高さは認めざるを得ない程になっている。
実際その実績が物語っていた。
漫画は未だに増刷を繰り返しているし、彼女の漫画の実写化映画は今でも連日立ち見が出る程なのだ。
そしてその芸術力は最早極まっている。
個展では絵画が飛ぶ様に売れ、今では作品が間に合っていないぐらいだ。
マリアさんの絵画はプレミアムが付いてる状況だ。
転売目的で買いに来る者までいるとのことだった。
そうなっている事は分から無くは無い。
それぐらい傑作が多いのだ。
これはある意味一財産になる。
それぐらい極まっている。
この人は一人違う次元にいる。
でも何故かマリアさんは私の評価を気にするんだよな。
私には芸術を理解できるほどの美的センスは無いと思うのだが・・・何故だろう?
まあいいだろう。
そして私は決断した。
南半球を転移扉で繋ぎ、この世界にスーパー銭湯を造ることを。
とても大きな決断だったと思う。
この娯楽の少ない世界に一石を投じることになったと思う。
実際今でもスーパー銭湯はこの世界においての最高の娯楽となっている。
そして利用してくれる人々の笑顔に私は支えられている。
利用してくれる方々には本当に感謝してもしきれない。
この笑顔を見るだけで私は嬉しくなってしまう。
こんなにも温浴施設を、サウナを愛してくれるんだなと。
これ以上の喜びなんてないだろう。
今後の利用をお待ち申し上げております。
そして私はアンジェリっちと出会う事になった。
彼女は私にとってはある意味、最も私のことを理解してくれる存在だと思っている。
彼女は私にとっては肩の力を抜ける存在であるかもしれない。
実際彼女と居ると力が抜けて心地いい感覚に陥ってしまう。
時折彼女はあり得ないぐらい砕けた話し方をするがもう慣れてしまった。
それに彼女の前では私は自然体でいる様な気がする・・・ん?
これは何なんだ?
あれ?もしかして・・・深くは考えないことにしよう・・・今は・・・まだ・・・。
必然の出会いであったと思う・・・
それはいいとして。
この世界の美容に関しては、彼女の右に出る者は誰一人としていない。
彼女の美容のセンスは唯一無二である。
現にあのゴンですらもアンジェリっちの影響でたまに化粧をしているのだ。
彼女の影響力は絶大である。
新たなサロンも順調であると先日話していた。
この世界の女性達のみならず、男性も美意識が向上してきている気がする。
髪形で遊んでいる男性をたまに見かけるぐらいだからね。
実に良い事だと思うよ。
お洒落は人生を楽しくするしね。
私はお洒落ではないけどね・・・ハハ。
それにしてもオズとガードナーは何でこんなにも私に懐いてしまったのだろうか?
オズは分かるよ、ヒプノセラピーでこいつは自分を取り戻したからね。
感謝される気持ちは分かる。
今ではオズは全く人が変わっているしね。
それに慈悲深くなっているし、人情味も溢れている。
オズは本当に変わったと思う。
時に出会った頃の態度の悪さを弄ってやるぐらいだ。
決まってオズは「黒歴史です、忘れて下さい」なんて言って頭を掻いてる。
今後も私はこいつを応援してやりたいと思っている。
ゴンもそんなオズが嬉しいみたいで、オズとの関係は昔とは比べ物にならないぐらいに良好だと先日漏らしていた。
とても良い事だと思う。
少々分からないのがガードナーだ。
私はそんなに懐かれる様なことをした覚えは無いのだが・・・
でもこいつは俺に呼び捨てにされて喜んでいたし、今ではちょっとした軽犯罪が起こると、私はガードナーに犯人を突き出すのだが、肩を回して些事に付き合ってくれる。
いまいちよく分からない。
まあ有難いことなので良いのだが・・・
ちょっとした疑問だ。
それだけ私を買ってくれているのだと好意的に受け止めておこう。
そうしとこう・・・
こいつらのラーメン屋だが、よく流行っているみたいだ。
休日は厨房に立つと言っていいたが、本当にオズが湯切りを行っているのを見た時は笑いそうになってしまった。
だって余りにぎこちないんだもん。
ガードナーは様になっていたな。
この違いは何なんだろうか?
体格かな?
よく分からん。
カインさんは俺から言わせるとこの人はもうダンジョンの神では無い。
この人はカレーの神様である。
超ハードモードのダンジョンを島野一家が踏破してからというもの、気が抜けたのかよく分からないがこの人は趣味に全振りしている。
先日はこんな事を言っていた、
「島野君、今日はどうにもカレーが頭から離れなかったからダンジョンは閉鎖して、一日中カレーについて考えていたよ」
創造神の爺さんに本気でチクってやろうかと真剣に悩んでしまった。
アホらしくなって放置したのだが・・・
始めてサウナ島に訪れた時にカツカレーを食べさせたことが間違いだったのかもしれない。
否、そんな事は無い!こいつが悪い!
カインが全て悪い!
もう何もコメントはすまい。
だがこの人のカレーは極まりつつある。
そこだけは認めてあげよう。
カレーに人生を変えられた神って・・・何だかな・・・
それにしてもダンジョンは面白かったな。
まさか恐竜に出会えるとは思わなかった。
私の書斎には恐竜の骨が展示されているし、スーパー銭湯にも展示されている。
子供達が良く恐竜の骨を眺めているのを見かける。
気持ちはよく分かる。
恐竜はロマンだからね。
魔獣化したTレックスとのバトルは興奮したな。
こう言っては何だが、殺りがいがあったよ。
私は決して好戦的では無いからね。
勘違いしないでおくれよ。
そしてエクスが島野一家の仲間入りを果たした。
あのビビり小僧も今では時々飛んでいるみたいだ。
時折我物顔で浮かんでいるのを見かける。
後はしょっちゅうゴンガスの親父さんに酩酊させられている。
いい加減学べっての。
あの親父と真面に酒を飲んではいけないってことをさ。
あの親父は酒に関しては変態なんだから。
エクスは今では人を舐めた態度を取ることは無くなったが、まだここはよく見ていなければならない。
こいつもまだまだ子供だからね。
いつ何時本性を現すかもしれない。
私はちゃんと見ているぞ。
横柄な態度を取った日には・・・許さないからな。
エアーズロックからぶん投げてやるぞ、
その後私達はサウナビレッジを造った。
サウナビレッジはスーパー銭湯同様の人気のサウナ施設となっている。
予約を取ろうものなら三ヶ月先まで埋まっている。
この世界にもサウナを愛する者達が多い様だ。
私は嬉しく思うよ
私が利用しようにも予約を取らなければいけないからね。
此処を私は今後も変えるつもりはない。
役得は認めないということだ。
次の予約日は・・・二週間後だったな。
実に待ち遠しい。
早く二週間経たないかな・・・
サウナ検定は笑えた。
カインさんからは思い出したら次はいつなんだと聞かれる。
今の所その予定は無い。
でもそれなりにネタは堪ってきているが・・・ここは考え処だな。
まあ気が向いたらということで。
でもサウナ検定のお陰で、サウナの利用者のマナーが格段に上がった事はよかったと思う。
今では掛け水をすることなく水風呂に入ろうとする者は居なくなったからね。
居たとしても必ず誰かが注意している。
素晴らしいことだ。
他にもサウナマナーは徹底されつつある。
嬉しい限りだ。
今後もこうあって欲しい。
モラルを守って皆でサウナを楽しもう!
ファメラは相変わらず子煩悩な神様だ。
子供食堂も好評みたいで私も嬉しく思っている。
ギルとテリー、そしてフィリップとルーベンは暇さえあれば子供食堂を手伝っているみたいだった。
リズさんの所の子供達も時々利用しているみたいだ。
それにしても未だにファメラとエリカが親友関係である事には驚きを隠せない。
良い事なので文句がある訳ではないのだよ。
意外だと思うだけだよ。
全くタイプの違う二人だからね。
だから親友になったということなのだろうか?
エリカも時々子供食堂を手伝っているらしい。
今後も仲良くな。
そのエリカだが、気が付くとマークと恋仲になっていた。
そしてエリカらしく公私はきっちりと分けているみたいだ。
ある意味島野商事のトップツーのこの関係に感化されたのか、社内恋愛が激化しているとかいないとか・・・
別にいいよ・・・私は社内恋愛を否定していないのだからね。
大いに結構、好きにしてくれよ。
でもその関係を仕事に持ち込んだら許さないぞ。
ちゃんと公私は分けてくれよな。
にしても、マークとエリカのゴールインは近いかもしれないとロンメルが教えてくれた。
そうなると誰に結婚式の手配をさせたらいいのだろうか?
そんなことは私はやらないよ。
細々としたことは私には出来ませんての。
ゴンなら出来るかな?どうだろうか?
決まってからでいいか。
結局はエリカ自身でやってしまいそうだな。
それはそれでどうかと思うのだが・・・
そしてあいつに出会った。
フレイズだ。
あのアホめ・・・今思い出してもイラっとする。
いきなり喧嘩を売られたからね。
それも能力で挑発されて。
まあ一方的にぶん殴ってやったけどさ。
最近ではいい加減学んだのか、あいつはもう私には挑ま無くなった。
何べんボコってやったことやら。
でもある意味本気で殴っても死なないあいつは頑丈なんだと思う。
何度か本気の一発が入ったが死ななかったからね。
崩れ落ちる様に失神していたけど・・・死んでないからOKということで・・・あっ!神は死なないんだった。
どうでもいいか?
フレイズだからね。
にしても何でああも辛い物が好きなんだろう。
終いには店まで持つ事になるなんて。
何なんだろうね?
フレイズだが、以外にも真剣にお店の経営を行っているみたいだ。
ただ単に辛い物を食べたいだけかと思っていたが、よく中華鍋を振って調理を行っているらしい。
どうやらあいつは辛い物を食べている人を見る事も、辛い物を作る事も好きみたいだ。
真剣に最高の辛みの追求をしているとファメラが言っていた。
私にとってはどうでもいいけどね。
好きにやってくれよ。
そして続々と上級神がサウナ島にやってきたんだったな。
アースラさんが畑から生えてきた時には度肝を抜かれたよ。
なんで花魁が畑から生えてくるんだよってね。
シュール過ぎて驚きを通り越したぞ。
でもこの人も今では島野商事の農業部門の部長なんだよね。
上級神が部長って・・・どうなの?
本人が楽しそうだからいいのか?
うん、そうしとこう。
私はアクアマリンさんとウィンドミルさんのあの抜け感は好きだな。
脱力感が半端ない。
あの二人が力んでいるところは見たことが無い。
実に飄々としている。
でもこの二人もサウナ島の住人なんだよね。
あれ?今のサウナ島の住人って一体何人なんだ?
住民票を造った方がいいのだろうか?
従業員のほとんどがサウナ島に住んではいるが、戸籍はサウナ島には無い。
と言うよりサウナ島にはそもそも戸籍が無い。
あれ?マーク達の戸籍はどうなっているんだ?
まあいいや、もしかして真面に戸籍を持っていると考えられるのは、限られた数人ではないだろうか?
ここは考えない事にしよう。
うん、そうしよう。
実に面倒臭いことになりそうだ。
ここは臭い物には蓋をするということで・・・
ええ、私は面倒事からは逃げますよ。
脱兎の如くね。
駄目かい?
面倒臭がり屋なんでね。
そして私は南半球に娯楽を広めた。
そのお陰でサウナ島にお金が集まる事態は多少は緩和されたらしい。
ただその分転移扉の移動が多くなり、結局は島野商事にお金が集まってきていることに変わりはない。
私にはその変化がよく分からなかった。
でも上から女神がそう言っていたのだから間違いは無いのだろう。
南半球の住人にとっては娯楽に溢れた世界になっていると思う。
そしてその恩恵を受けている人々も多数いる筈だ。
やはり娯楽は重要だ。
人生を明るくするし、楽しいものにする。
そう私は考えている。
さてそろそろ水風呂に向かおうか。
汗びっしょりだ。
まだまだ振り返らないといけないな。




