はじまり
昔書いてた作品です
血なまぐさい
あぁ、まぁこれが普通なのか
殺し屋の仕事慣れればなんてことはない
…誰だ、お前…?
「鴉!おい鴉!起きろ!」
「あ゙、人の家までわざわざ何だよ?」
俺は、奴が持っている封筒を見て事情を理解できてしまった
「依頼かよ‥」
いつものコートに袖を通す
まぁ活動着だがな
赤いマフラーに紺青のレンズのペストマスク
マスクなんて顔が隠れりゃなんでもいいんだけど
準備完了だ
「行ってくるわ」
誰もいない玄関に挨拶をし扉を蹴った
夜の闇が心地いい
さて依頼は?
『依頼 野盗集団の殺害
特徴 全員頬に傷があること
主な活動場所 ◆◆』
ここから走って5分程度か
ナイフの刃を収め俺は走った
そろそろ着くだろ
「収穫はなかなかだぜ」
「まじかよ」
「山分けな」
「おう!」
四人か…
「…ハハハ!アッハハハハ!ハハハハ!声大きくて聞こえてるよ」
聞き覚えのある女の声。こりゃ俺は、出なくていいかもな
「マスク外そ」
コードネーム『ヒナ』俺の相方だ
正直言うと俺もあいつも単独でも戦力としては十分なんだけど
「おいおい随分可愛い女の子じゃねぇかよ」
「誘拐しちまおうぜ」
「いいな!それ!」
「さんせ〜!」
あ~あ、やめときゃいいのに
「へぇ…勝てると思ってんだ」
「生意気言いやがって!」
「すぐにわからせてやるよ」
男が構えた刹那、腹部から大量に出血していた
「おっさん達さ雑魚が勝てると思うなよ」
出血しすぎたのか男が一人倒れた
「…ッば!化けもの!」
「…はぁ…あのさ」
「……喧嘩買っといて逃げんなよ」
「ヒッ…」
「助け!」
「あ゙ぁぁ!許してくれ」
肉が裂かれる音と喚き声が路地裏に響く
見なくてもわかる現場は悲惨だろう
ヒナの狩りはアイツの体質故にかなり残酷なものだ
ヒナの体質、いや特殊能力って言うべきか
出血させればさせるほど身体能力が強化される
強化時間は約5分
まぁ5分耐えられるんなら相当強い奴だけど
「終わったのか?」
「居たんだ〜。か~らす〜」
頬をつつかれた
「マスク外してるからって頬つついていい訳じゃねぇからな」
「だって珍しいんだもん。つ~んつん」
ナイフを首元にかける…
予想通りの動きだ俺の首にもナイフが迫っていた
「流石だ、反応速度鈍ってないな」
「君も結構速い攻撃だね
それじゃあまたいつか」
「あぁ…」
「冷たいな~」
急接近なんて殺す気か?
「…フッ」
「………!」
耳に息を吹きかけるという選択を考えていなかった
「…おっ前!」
殺す!さっきよりも速く強く!
「カプッ」
「ふぇ!」
耳を甘噛みされた
力が入らねぇ体の自由を奪われるようだ
「それじゃあね」
畜生が。馬鹿にしやがって
どうでした?次も見てくださると嬉しいですね