第7章 色んな人
聖魔学園。
幼き能力者達が集まるこの学園は完全実力主義と言われている。
そんな学校に俺は入学する。
今は学校に行く途中の馬車の中である。影を紐状にしてあやとりで遊んでいる。
この2年、ボロを出さないようにしながら地獄の特訓をしてきた。一人称を完全に私に変えようと思った時期もあったが、少し怖かった。
前世の俺はユラヘと転生したのか憑依したのかわからない。そんな中で『俺』という存在すら忘れてしまう気がしたのだ。
現に俺は今前世の名前や通っていた学校を覚えていない。
全て忘れてしまわないよう、あの「地球」という世界があったことをこの一人称に結びつけておきたいのだ。
さて、こんな話をしていると学園についた。
この学園は寮制なのでまずここから3年過ごす自室に向かおう。
狭い。完全個室寮にするためか机とベッド、それに大体布団がしけるくらいのあまりスペースのみの一部屋である。俺には地球の頃の記憶があるため特に不便とは感じない。
だが貴族の中には不満を持つ者もいると聞く。
ただ全員実力で分からせられたそうだ。生徒会という最強組織に。
学園内のトップクラスの生徒数名で構成されている生徒会。
生徒会と隠している人もいるため一体何人いるのか把握されていない。秘密結社とも言われるそうな。何それ、かっこいい。
ちなみに攻略対象の1人、ガンマは生徒会に所属している。
ストーリー終盤で明かされる衝撃事実である。
このガンマという男の姓は誰も知らない。
平民だから、と言われているが何か隠してそうな雰囲気のある男だ。黄緑色の長髪を後ろで結んでいる。
ちなみにヒロインのストーカーであり、しかも観察することを楽しむという特殊なアレを持ったやばい奴である。しかも能力がメインストーリーでは明かされない。なので俺も何も知らないのである。とりあえず私には紳士的対応をするが裏ではヒロインの盗撮写真で風呂に入ってるような男である。
入学式が始まる。
出てきたのは生徒会長セッカ=リザードと副会長夜桜花である。
セッカは短髪で青みががった白の髪色をしてる。何がとは言わないが絶壁。メインキャラではないにせよ学園最強の女であり地球でも人気だった。青の能力、氷系。
副会長、夜桜花。ラノベとかでよくある「日本文化に似た文化を継承している」奴。ヒロインより美人と言われるほど可愛い。名前的に親近(懐古)感を覚えるのでできたら友達になりたいなーなんて。セッカととても仲がいい。緑の能力者で花吹雪を操る。
「はじめまして諸君。私が生徒会長のセッカ=リザードだ。
まずは入学おめでとう。
生徒会に所属したいと思っている生徒もこの中にはいるだろう。だが、私はお前らのような人間は要らない。
私が欲しいのは圧倒的実力を持った強者である。
所属したい奴らなんて肩書が欲しいだけだろう。
そういった人間は弱いのだ。
文句ある奴はかかってこい、徹底的に潰してやる。
以上。」
えぇ....
ちなみにこれ、文句言いに行ったのガンマ君だけです。
そこで見初められて生徒会に入るという流れになった。
その後なんだかんだ言われて各教室に戻るように言われた。
ヒロインとは隣の席なので初のご対面だ。
先程攻略対象の1人エルト=フレイムとの廊下、衝突おもしれー女イベがあったばかりのヒロインだ。
ここで紹介しておこう。
エルト=フレイム。見かけは華奢。でも舐めたらアカン。赤の能力者、身体強化系で見た目の1000倍くらい力がある。傲慢な性格で、嫌いな人にとってはクソうざい奴。アンチとファンが同じくらいいた記憶だ。
「初めてまして?だよね。私はフーカ=ユリシャっていうの!!」
ヒロインが俺に話しかけてくる。
名前はフーカか。どうやって名前は決まってるんだろーな。
『初めましてよ。私はユラ=ヘルベルク。フーカさん、最初に言っとくけど他の人にタメ口で話しかけちゃ駄目よ。自分が偉いと勘違いしてるアホにとっての地雷だからね。』
「えっそうなの?わかった!!気をつけるね。
ところでこのHR終わったあと一緒に校内探索しない?」
眩しい笑顔だ。断ると感じ悪いし行くしかないだろう。まあゲームだと初対面で不敬!!ってキレて終わりだから新鮮だ。
『いいわよ、行きましょうか。』
俺は忘れていた。
これがヒロインと全ての攻略対象を会わせるためのイベントであることに...
初めて小説を書きます..
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