第1章 え?転生?性転換?
都内某所
夜が始まり、誰もいなくなった公園。
高校2年生である『俺』はベンチに俯いて座っていた
『しにたい』
決して鬱ではない。
今日、好きだった子に告って振られて悲しんでいただけだ。
いや?これ鬱か?
『畜生。思わせぶりな態度ばっか取りやがって!!裏でサッカー部部長と付き合ってんじゃねーよ!!クソ○ッチ!!!』
現在午後7時。
ベンチに座って独り言連発してたら職質されかねないので重い腰を上げ、歩き出す。
昔っから両親は俺を神童にしようと徹底的に教育をしてきた。
両親はどちらも天才と呼ばれる1歩前で挫折しているため、
「自分達ができなかった事を我が子にやってもらう」精神で
習い事や勉強をずっとやらされ続けた。
友達との交友もロクに無く、それにしては成績は上の下あたりで、特別優れている訳ではなかった。
両親が勉強用にと買い与えたスマホが唯一の俺の玩具だった。
そんな中、俺に1筋の光が差し込んだ。
それが彼女、僕の「好きな子」だった。
『どうしてだよ...』
呟きながら下を向いて歩いた。
下にはコンクリートで縞模様が描かれて___あれ?
ここ横断歩道じゃね?
そう思った瞬間横から強い衝撃が来て、意識が遠のいていく____
____そして今に至る
目の前の鏡に映るのは人形のように美しい女の子
齢にして12そこらだろう。胸はまだ成長しておらず、金髪であるこの少女。
『これが俺....!?』
なんか既視感がある...
はっ!!!これネットで話題になってた戦闘型乙女ゲーじゃなかったか!?確かED前に処刑される悪役令嬢が今感じ...
『悪役令嬢?』
A K U Y A K U R E I J Y O U ??
もしかして俺このままだと処刑されちゃう?
いや、せっかくこんな可愛い子になれたんだし嫌だな..
元の世界に戻れそうにないし(戻りたくもない)...
少し頑張ってみるか..
恐らくここは悪役令嬢___いや、ユラ=ヘルベルクの自室だろう。
突然ドアがノックされメイドが入ってくる。
「お嬢様、お食事の時間です。」
時計らしきものを見ると9時..朝ごはんだろう。
『あら?ありがとう。すぐに着替えて向かうわね。』
口調変えるの辛いな...
「えっいやお礼なんて結構ですよ!?というかどうかされました?」
まずい、なにか間違ったか?とりあえず..
『気分よ。』
「今までずっと無視されてたので驚いてしまいました..」
え?ユラさん何やってくれとん。めんど。
ちょくちょく話す回数増やしてく感じでいっか...
朝食の席につく。
やはり貴族の家と言う感じのだだっ広い机にパンなどが皿に盛られている朝食だった。
お誕生日席に据わってるのが父、そして目の前には母、隣には兄が座っている。
父が口を開く
「ユラよ、昨日ロミアから聞いたのだが聖魔学園に行く気なのか?」
ロミアは私の母の名前である。The温厚な女性って感じ。
俺が乗り移る前にもう行くって決めてたのか...
実はこの私は親の止めを振払って、学園に行っていたという設定がある。それで学園でヒロイン相手にやりたい放題やってたからED前に勘当されて当たり前って感じである。
言い忘れていたが悪役令嬢、ユラの最後は悲惨である。
この乙女ゲーム、恋愛×戦闘という破天荒な設定によりユラはラスボスとして攻略対象達&ヒロインにボッコボコにされて惨殺されるのだ。戦闘直前に実家に逃げようとするも噂を聞きつけてか全く相手にされず勘当を言い渡されていた。
ここはせめてもの保険として...
『お父様、ごめんなさい。私は本気で魔術を勉強したいがため、聖魔学園へ行きたいのです。それに同年代の貴族とも交流が持てます。人脈形成という点でも良いかと思います。』
「ふーむ。今まで通りの気分で決めたわけではないと...」
「ケッ、どうせ退学させられて泣く泣く帰ってくるに決まっている。」
このウザさ、クズの兄で有る。
こいつは今は父の手伝いをしている。ゲーム上で言うサブキャラのようなものだ。サブキャラごときが偉そうに。
「まぁまぁ。本人も理由があって言ってるんでしょう?許可して上げましょうよ」
見た目通り優しい母。
母の助言がきっかけとなり、原作と違い親許可で学園へ行けるようになった。
あと2年。どこまで私は強くなれるかな。
初とーこーです!!
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