第三話「地獄椅子取りゲーム②」
識折「(無作為に選んだのなら当然勝率は5割...)」
地獄椅子取りゲームが始まり識折は考えを反芻していた。
識折「(問題はHigh&Low質問によって敵にバレることにある
勝つためには僅差で勝ち大差で負けなければ勝ちはない...
かつ、相手にはなんとしても椅子の最大、最小ポイントがバレるわけにはいかない
そして1〜10の総和である55ポイント以上を獲得すればまず負けはない...
しかし最初の着席では自分が選ぶ椅子は運否天賦...
ここは相手にバレても問題なく自分のポイントが平均の上下がわかる5、もしくは4を選択するはず...)」
〜現在〜1ラウンド
識折
①⑤⑦⑨⑩⑥③④⑧②
↑相手のみ目視可能↓
③⑩①⑤⑥⑨②⑦④⑧
皇 質問者
黒鬼「皇様、High&Low質問に移ってください。」
皇「僕のこの椅子と識折さんの椅子...
⑩はHighオアLow?」
識折、黒鬼「!?」
目を見開き驚く識折と黒鬼
しかしその驚きには違いがあったー。
識折「皇くん、いいのかい、僕に⑩がバレることになるんだよ?」
皇「かまいませんよ。」
皇はニッコリと笑った。
黒鬼「それでは識折様、返答をどうぞ」
識折「当然ローだよ。」
黒鬼「それでは5分間ののち着席していただきます。」
〜現在〜
※[]既知、〈〉ハイ、〔〕ロー
識折
①⑤⑦⑨[⑩]⑥③④⑧②
↑相手のみ目視可能↓
〔③〕⑩①⑤⑥⑨②⑦④⑧
皇
黒鬼「5分が経ちました。着席の時間です。」
皇、③に着席
それを見た識折、不明の④に着席
識折「(今10を使うのはもったいない...。
幸いにもポイントは③...!
勝つ確率は⑩を抜いた3分の2...。
ここは不明の椅子に座るべきだ...。)」
黒鬼「着席完了。結果に移ります。
皇様③、識折様④!識折様7ポイント獲得です!」
識折「意外にドキドキするねぇ。まずはポイント貰いだね。」
僅差で勝ち自信に溢れている識折。
一方、皇は何事もなかったように持ち場に戻っていた。
〜現在〜2ラウンド
※[]既知、〈〉ハイ、〔〕ロー
識折 質問者
①⑤⑦⑨[⑩]⑥④⑧②
↑相手のみ目視可能↓
⑩ ① ⑤ ⑥ ⑨ ② ⑦ ④ ⑧
皇
黒鬼「5分が経ちました。High&Low質問に移ってください。」
識折「君の④は、僕のこの椅子と比べてどうかな?」
こう聞くのが正解だよ、と教示するように爽やかに質問をした。
皇「上ですよ。」
識折「ふふふ、ありがとう。」
黒鬼「それでは5分間のの着席をお願いします。」
〜現在〜2ラウンド
※[]既知、〈〉ハイ確定、〔〕ロー確定
識折7ポイント 質問者
①⑤⑦⑨[⑩]〈⑥〉④⑧②
↑相手のみ目視可能↓
⑩ ① ⑤ ⑥ ⑨ ② ⑦ [④]⑧
皇0ポイント
黒鬼「5分が経ちました。着席の時間です。」
識折「(ここは下手に不明の椅子に座って1ポイントを使うのは痛手だ、座るなら確実に相手のラウンドで使うべきだ...)」
識折、〈⑥〉に着席
皇 、[④]に着席
黒鬼「着席完了。結果に移ります。
識折様⑥、皇様④!識折様⑩ポイント獲得です!」
識折「こいつ...。何考えてる...?」
識折、ここに来て猜疑する。
理由は一目、識折の思考と皇は真逆の選択をしているからだ。
黒鬼「ここから5分間、High&Low質問まで思考時間です。」
皇、口を開く。
皇「識折さん、左の方ばっかり見るけど⑩か①がそこにあるのかな」
識折を真っ直ぐ見つめた皇から発せられた言葉が識折の喉元にかざされる。
識折、すぐさま視線に皇に置き、目線を幾ばくもずらさないー。
識折「さぁ、どうだろうねぇ。」
識折自身の椅子に目を向けていた。
黒鬼「(ほぉ、なかなか)」
ディーラーである黒鬼は感心していた。
それもそのはず皇の言葉はブラフ、視線誘導を誘発しようとしていた。
識折はブラフを看破。皇には微塵も悟らせなかった。
しかし、皇の意図は違うところにあった。
識折「(バカの苦し紛れか??いや!ちがう...こいつは何かを考えているし勝とうとしている!
読め、考えを...!)」
〜現在〜3ラウンド
※[]既知、〈〉ハイ確定、〔〕ロー確定
識折17ポイント
① ⑤ ⑦ ⑨[⑩] ④ ⑧ ②
↑相手のみ目視可能↓
⑩ ① ⑤ ⑥ ⑨ ② ⑦ ⑧
皇0ポイント 質問者