邪悪な少女達の異世界物語 第一章 警察からの逃亡編
登場人物
栗田星羅 15歳 鈴鹿と静は高校での出会い 性格:???? 犯罪歴????
青森静 15歳 鈴鹿とは幼馴染 性格:天然女子 犯罪歴????
山並鈴鹿 15歳 静の世話係 性格:ドジっ子 犯罪歴????
「ああ!! インフルになりたい!」
金髪の長髪で小さいピストル型の髪留めに、青色の瞳をした制服姿の鈴鹿は叫ぶ。
「え!? 人を辞めてウイルスになる事!?」
茶色の短髪に紫色の瞳をし、背が低く大きい胸をした制服姿の静は目を丸くする。
「違う! インフルエンザに感染して休みたいこと!」
鈴鹿は静に向かって言う。
「そういうことか! で、どうして休みたいの?」
静は不思議そうに聞く。
「だって、明日から合宿だし……」
鈴鹿は暗い顔をする。
「え!? 明日なの!?」
静は驚愕の声を上げる。
「ええ!? 今そのために買い物していたのに!?」
「そうだったの!? 皆で歯磨き粉の早食い競争するのかと思ってた!」
「何それ!? 誰もそんな事言ってないよ!!」
「やっぱりおかしいと思ってたんだ!!」
静は苦い顔をして頭を抱える。
「嘘でしょ……」
鈴鹿は深いため息をして頭を抱え込む。
「流石だね! やっぱり何も聞いていなかったんだね!!」
紫色の長髪にヘアピンをして、黒色の瞳をした制服姿の聖羅は小ばかにした笑顔で言う。
「違うよ! たまたま、聞いていなかっただけだから!」
静は穂を膨らませる。
「へえーじゃあ、50回目ぐらいのたまたまだね!」
聖羅は笑顔で言う。
「……と言う事は、合宿のパンフレットは?」
鈴鹿は恐る恐る聞く。
「学校にある!」
静は元気よく言う。
「やっぱり!」
肩を落とす。
「しょうがないな……私も静の家で準備を手伝うよ!」
聖羅は笑顔で言う。
「え!? いいの!?」
静は嬉しそうに驚く。
「うん! まずは私の家にパンフレットあるから取りにいかないとね!」
「珍しい……聖羅ちゃんはこういうのは絶対にやらないと思ってたけど……」
鈴鹿は不思議そうに聖羅の方を見る。
「……そうかな?まぁ、家が近いのもあるからね!」
優しい笑顔で言う。
「!?」
鈴鹿は突然、全身に鳥肌が立ち、一瞬身震いをする。
聖羅の笑顔に何故か得体の知れない恐怖を感じた。
聖羅の背後から車の轟音が響く。
車だ、ここの道狭いから避けないと……
轟音は、想定していた距離よりも直ぐ近くに迫ってきていた。
え?
直ぐに振り向く。
大型の黒い車が目の前に迫ってきている。
スモークガラスには、何が起きているのか理解できていない呆然とただただ突っ立ている自分が映っていた。
視野が暗転する。
無意識に息を深く吸い、吐くを繰り返している。
ゆっくり目を開く。
しかし、何もかもがぼやけて分からない。
2、3回と瞬きをする。
ようやくはっきりし、冷たいアスファルトの細かい粗目が見え、自分はうつ伏せに倒れている事が理解できる。
岩を背負っているかのように体が酷く重く怠い。
何が……起きた……?
体は重たかったが、努力して立ち上がろうとする。
しかし、事故の影響か何かで全く両足に力が全く入らない。
くそ……
しかたなく、頭だけを上げる。
目の前の電柱に黒い車が衝突し、ボンネット部分はイトミミズを連想させるかのように細かく大破している。
砕けたエンジンが露出し、そこから黒煙が発生している。
もう一つ見慣れたものが砕けている。
それは、鈴鹿だ。
しかし、それは過去形だった。
鈴鹿は立ったまま電柱と車の間に挟まれ、口からゾンビの様に血を垂れ流し、挟まれた胴体部分から水道水の様に血があふれ出ている。
医療の知識がなくとも即死であったことが分かる。
くそ運転手!一体何キロ出してたの!?馬鹿じゃないの!?
友達が死んだ悲しみよりも、無謀な運転をした運転手に怒りが沸々湧いてくる。
そういえば、静は!?
周りを見渡すと、ブロック塀にペンキを投げ付けたかのような血痕が見える。
その近くに、静が頭部から血だまりを作って倒れていた。
車に衝突した衝撃で跳ね飛ばされたかの様だ。動く気配はない……
こいつもダメか……そんな事より救急車を!
ポケットからスマホを取り出し、震える細い手で119を押す。
息が切れたため息を整える。
僅かな動作でも酷く疲れ、信じられないほど努力が必要だ。
コール音が鳴り止み、額に垂れた汗を拭いながら耳に当る。
「おかけになった電話は、電波の届かない場所にあるか……」
圏外時の機械のアナウンスが流れる。
「はあ!?」
戸惑いながらスマホのアンテナを見ると、一本も立っていなかった。
さっき衝撃で壊れたか!?くそ!
舌打をし、怒りのあまりスマホを地面に叩き捨てる。
「くそ運転手!!退院したら殺してやる!」
思わず怒鳴り声を上げる。その後、息切れをおこし、息を深く吸って吐く。
深呼吸のせいか気持ちが少し落ち着く。
まあ、これだけ派手な事故が起きたんだから、直ぐに野次馬が来て誰かが連絡してくれるだろう……
そう思い、頭を地面に置こうとした時、車の後部座席からドアが開く音が聞こえた。
重たい顔をもう一度上げる。
外国人と思われる背が高く、金色の短髪の30代くらいの白人男性がおぼつかない足でよろよろと出てきた。
片手には、表紙がなく白紙のページがむき出しで、裏面は黒色の本を所持しているのが見える。
……本?
聖羅は呆然と見ている。
白人男性は短い息をしながら目の前に迫り来る。
「!?」
突然、私の肩を掴み上げ、その下に黒い本を潜り込ませる。
「な、何しているの!?そんな元気があったら早く救急車をっ!?」
驚愕のあまり言葉が詰る。
「What are you doing?(訳:何をしているんだ?)」
白人男性の後ろから男の低い声が聞こえる。
「!!?」
白人男性は驚愕の表情をしながら振り向く。
そいつは本や映画の中で見たことがあったため、直ぐに分る。
耳が長く醜悪な顔立ちに、緑色の皮膚をしたゴブリンだ。
しかし、ちびで上半身裸でこん棒を所持しているイメージとはかけ離れていた。
高身長に臨としたスーツ姿で、所持しているのは、太陽の光で刃の部分が輝いている鋭利そうな軍用ナイフだ。
現実感が全くなかった。
まるで、映画を鑑賞している気分だ……
一章までは完成したので、今度こそ失踪はしないと思います。
連載投稿と短編を間違えていました。すいません。